OBLIVION DUST 、K.A.Z(Gu)が
左手首骨折で離脱するもツアーは続行
OBLIVION DUSTのが2018年12月2日の東京公演を皮切りにスタートさせた全国ツアー『Us Against Them Tour 2018-19』。あと一息で完走というところで、ギターのK.A.Zが左手首骨折で残り5公演への出演を見合わせるというニュースが飛び込んできた。
OBLIVION DUSTのリーダーでもあり、サウンド・メイキングの要でもあるK.A.Zの不在は、ライヴのありようを左右する。彼らがこだわり、構築してきたライヴ・サウンドを崩してしまう恐れもある中、メンバーのKEN LLOYD(Vo)、RIKIJI(Ba)は、残りのツアーを走りきることを決断。K.A.Zの音を残り5本のライヴでどう再現させるか、サウンド・スタッフと共にライヴ当日までその作業は行なわれていた。変幻自在、多彩な表情のギターを聴かせ、しなやかさと華やかさを持ち合わせたギター・パフォーマンスを見せるギターの不在。その穴は、誰が考えても大きなものだ。しかしこの日のライヴは、それを無理やり補うのではなく、違う形で埋めていくものだった。
オープニングを飾ったのは、「Sink The God」。KENが「カモン!」と叫び、フロアを一瞬にして爆音へと誘う。ライヴのラストを飾ることも多いこの曲。KENはすでにクライマックスかのような激しい歌とパフォーマンスで、オーディエンスの不安を一掃。普段から不敵なプレイスタイルでオーディエンスを魅了しているRIKIJIも、いつも以上に激しく暴れ、サウンドでもプレイでもステージを華やかにアグレッシブなものに塗り替えていた。そして、上手のK.A.Zの立ち位置に立っていたのは、サポートメンバ−のYUJI(Gu)だ。K.A.Z不在のライヴに向けて、K.A.Zのギターの音はシーケンスに打ち込まれ、さらにYUJIはこれまで弾いていた自分のフレーズとK.A.Zのフレーズを、このライヴのために構成し直した。想像を絶するプレッシャーもあったに違いない。しかし、YUJIのプレイは、まったく怯む様子もなく、ともすれば熱狂的なファンからのシビアな視線もはね退けるほど、自分のスタイルでオブリのサウンドを牽引し、そのパフォーマンスでオーディエンスの腰を揺らした。
「こんばんは、OBLIVION DUSTマイナス一人です。いつものように一緒に暴れてください。最高のライヴにしましょう」
KENのMCに続いて繰り出されたのは「Death Surf」。ここからライヴはさらに加速していき、「Goodbye」では、昨年のFC限定ライヴで数年ぶりにギターを披露したKENが再びギターをかき鳴らしながら歌う。いつもはK.A.Zが鳴らしているイントロの印象的なギターリフをKENが弾くと、フロアからは驚きにも喜びにも似た歓声が上がった。毎回セットリストを変え、新曲も披露している今回のツアー。その進化はこんな場合であっても止まることはない。「D.O.A.」「Satellite」といった熊本初披露の新曲たちは、サポートメンバーARIMATSU(Dr)が繰り出すビートの上で、キャッチーなメロディを携えながらダンサブルに絡み、オブリの新境地とも言える圧倒的な存在感で、この日も見事にフロアを熱狂させた。シーケンスから鳴らされるK.A.Zの音と、YUJIのギターの音は見事に重なり、融合してフロアを揺らす。と同時に、K.A.Zにしか出せないギターの音は、K.A.Zのギターがいかに華を携えた唯一無二の音なのか、あらためて感じさせるものでもあった。そして、K.A.Zはステージ上には不在ではあるものの、セットリストを考え、ライヴを裏で組み立てている、やはりサウンドを牽引する存在であると感じさせずにはいられない。OBLIVION DUSTにとって、そして、彼らの想いを受け止めようとここに集まったオーディエンスにとって、この日が記憶に刻まれるライヴになったのは言うまでもない。
「熊本、今日は本当にありがとうございました。今日、ひとりいないんですけど、みなさんのおかげで無事終われそうです。最後のブロックも暴れて終われるといいですね」
KENのシンプルな感謝の言葉に続き、「Under My Skin」からは、終幕に向けて一気に畳み掛ける。そして、汗だくのメンバーがラストに放ったのは、鋭いスクラッチ音で覚醒させるキラーチューン「You」。サビの「F◯ck you!」のシャウトは、まるでオブリからの感謝の言葉のようにも聴こえ、メンバーひとりを欠くものの、OBLIVION DUSTとフロアのオーディエンス全員が“OBLIVION DUST"として、この日のライヴを作り上げていたのだ。
ツアーファイナルは1月27日(日)の東京・渋谷TSUTAYA O-EAST。このテンションはさらに加速するのか、はたまた息切れてしまうのか。K.A.Z不在のピンチを(メンバーそれぞれに思いはあっただろうが)、熱い思いを秘めながらもするりと軽やかに乗り越えてみせたメンバーたち。もしかしたら、最終日にはとんでもないものが見られるかもしれないとさえ思わせてくれた、この日のライヴ。完走するOBLIVION DUSTの姿は決して見逃せない。
photo by 田中和子(KAZUKO TANAKA)
OBLIVION DUSTのリーダーでもあり、サウンド・メイキングの要でもあるK.A.Zの不在は、ライヴのありようを左右する。彼らがこだわり、構築してきたライヴ・サウンドを崩してしまう恐れもある中、メンバーのKEN LLOYD(Vo)、RIKIJI(Ba)は、残りのツアーを走りきることを決断。K.A.Zの音を残り5本のライヴでどう再現させるか、サウンド・スタッフと共にライヴ当日までその作業は行なわれていた。変幻自在、多彩な表情のギターを聴かせ、しなやかさと華やかさを持ち合わせたギター・パフォーマンスを見せるギターの不在。その穴は、誰が考えても大きなものだ。しかしこの日のライヴは、それを無理やり補うのではなく、違う形で埋めていくものだった。
オープニングを飾ったのは、「Sink The God」。KENが「カモン!」と叫び、フロアを一瞬にして爆音へと誘う。ライヴのラストを飾ることも多いこの曲。KENはすでにクライマックスかのような激しい歌とパフォーマンスで、オーディエンスの不安を一掃。普段から不敵なプレイスタイルでオーディエンスを魅了しているRIKIJIも、いつも以上に激しく暴れ、サウンドでもプレイでもステージを華やかにアグレッシブなものに塗り替えていた。そして、上手のK.A.Zの立ち位置に立っていたのは、サポートメンバ−のYUJI(Gu)だ。K.A.Z不在のライヴに向けて、K.A.Zのギターの音はシーケンスに打ち込まれ、さらにYUJIはこれまで弾いていた自分のフレーズとK.A.Zのフレーズを、このライヴのために構成し直した。想像を絶するプレッシャーもあったに違いない。しかし、YUJIのプレイは、まったく怯む様子もなく、ともすれば熱狂的なファンからのシビアな視線もはね退けるほど、自分のスタイルでオブリのサウンドを牽引し、そのパフォーマンスでオーディエンスの腰を揺らした。
「こんばんは、OBLIVION DUSTマイナス一人です。いつものように一緒に暴れてください。最高のライヴにしましょう」
KENのMCに続いて繰り出されたのは「Death Surf」。ここからライヴはさらに加速していき、「Goodbye」では、昨年のFC限定ライヴで数年ぶりにギターを披露したKENが再びギターをかき鳴らしながら歌う。いつもはK.A.Zが鳴らしているイントロの印象的なギターリフをKENが弾くと、フロアからは驚きにも喜びにも似た歓声が上がった。毎回セットリストを変え、新曲も披露している今回のツアー。その進化はこんな場合であっても止まることはない。「D.O.A.」「Satellite」といった熊本初披露の新曲たちは、サポートメンバーARIMATSU(Dr)が繰り出すビートの上で、キャッチーなメロディを携えながらダンサブルに絡み、オブリの新境地とも言える圧倒的な存在感で、この日も見事にフロアを熱狂させた。シーケンスから鳴らされるK.A.Zの音と、YUJIのギターの音は見事に重なり、融合してフロアを揺らす。と同時に、K.A.Zにしか出せないギターの音は、K.A.Zのギターがいかに華を携えた唯一無二の音なのか、あらためて感じさせるものでもあった。そして、K.A.Zはステージ上には不在ではあるものの、セットリストを考え、ライヴを裏で組み立てている、やはりサウンドを牽引する存在であると感じさせずにはいられない。OBLIVION DUSTにとって、そして、彼らの想いを受け止めようとここに集まったオーディエンスにとって、この日が記憶に刻まれるライヴになったのは言うまでもない。
「熊本、今日は本当にありがとうございました。今日、ひとりいないんですけど、みなさんのおかげで無事終われそうです。最後のブロックも暴れて終われるといいですね」
KENのシンプルな感謝の言葉に続き、「Under My Skin」からは、終幕に向けて一気に畳み掛ける。そして、汗だくのメンバーがラストに放ったのは、鋭いスクラッチ音で覚醒させるキラーチューン「You」。サビの「F◯ck you!」のシャウトは、まるでオブリからの感謝の言葉のようにも聴こえ、メンバーひとりを欠くものの、OBLIVION DUSTとフロアのオーディエンス全員が“OBLIVION DUST"として、この日のライヴを作り上げていたのだ。
ツアーファイナルは1月27日(日)の東京・渋谷TSUTAYA O-EAST。このテンションはさらに加速するのか、はたまた息切れてしまうのか。K.A.Z不在のピンチを(メンバーそれぞれに思いはあっただろうが)、熱い思いを秘めながらもするりと軽やかに乗り越えてみせたメンバーたち。もしかしたら、最終日にはとんでもないものが見られるかもしれないとさえ思わせてくれた、この日のライヴ。完走するOBLIVION DUSTの姿は決して見逃せない。
photo by 田中和子(KAZUKO TANAKA)
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