DIR EN GREY薫(Gt)、BAROQUE圭(Gt)、
メリー結生(Gt)、蜉蝣kazu(Ba)、『
Free-Will SLUM』開催目前鼎談【前編

DIR EN GREYを筆頭に多くのバンドが在籍するフリーウィルが、事務所/レーベルを挙げてのライブイベント『Free-Will SLUM』を1月13日(日)、14日(月・祝)に新木場STUDIO COASTにて開催する。この一大イベント開催を目前に控え、フリーウィルを牽引してきたDIR EN GREYの薫(Gt)、BAROQUEの圭(Gt)、現バンド以前から親交が深かったメリーの結生(Gt)、そしてこの日限りのスペシャルなボーカリストたちを迎えた蜉蝣sessionとして出演する蜉蝣のkazu(Ba)の4人による鼎談が実現。それぞれのバンドの関係性から今だから言える秘蔵エピソードまで、信頼し合う先輩、後輩、仲間だからこそのディープなトークを、前編・後編に渡りお届けする。
――今回の鼎談は、1月13日、14日に新木場STUDIO COASTで行われる『Free-Will SLUM』での共演をきっかけとするもので、ワシャワシャしていこうかと思っていたんですが。日本を代表するロックバンド・DIR EN GREYの薫先輩がいらっしゃるので、あまりワシャワシャするのもなと思っておりますが。
薫:あははは。いやいや、俺がいなくても、もうこの面子だとワシャワシャする歳でもないでしょ(笑)。
一同:(爆笑)。
圭:いやいや、本当に(笑)。Resistar Records所属のバンドのみんなも、もうそうそう若くないんじゃないです?(笑) 今回の『Free-Will SLUM』の中で一番若いのは、アイドルの女の子(2o Love to Sweet Bullet、君に恋をした。)なんじゃないですか?(笑)
薫:ちょっとそこは別枠やろ(笑)。
圭:じゃあそこは除いでいきましょう(笑)。バンドで一番若いとこってどこですかね? キズ
結生:キズだね、きっと。
kazu:俺、今の若い子達、全然分からないかも。
圭:ですよね。何年も在籍してる人達は分かるんですけど、新しいバンドもたくさん増えてるし、本当に分からなくなったなぁって。
――薫さんから見て、蜉蝣、BAROQUE、メリーは “若手”な感覚ですか?
薫:もう今はそんな感覚はないですけど、やっぱり当時は“若手”でしたからね。だから、“若手”っていう印象はいまだにあったりはしますね。
圭:だって、僕らも純粋なフリーウィルという事務所でいうなら、2番目に古いバンドになったんですよ。DIR EN GREYの次に長いバンドなんですよ。
kazu:DIR EN GREYがいて、そこに蜉蝣とBAROQUEが入って、最初はその3バンドでしたからね。蜉蝣が2番目に古い感じなのかな。
圭:いろいろと兄弟会社はあったけど、純粋なフリーウィルは、その3バンドでしたもんね。DIR EN GREY は1997、8年頃からフリーウィルですよね。で、デビューが1999年ですもんね。蜉蝣の結成は1999年あたりでしたよね?
kazu:そうそう。今年20周年だから。
結生:メリーの結成は2001年くらいだったからね。
圭:そうそう。メリーとBAROQUEがほぼ同時期くらいでしたもんね。数ヶ月違いくらい。BAROQUEは2001年からずっとフリーウィルにいるんで。
結生:メリーは途中からフリーウィルだから、事務所に入った順番で言うと後輩になるよね(笑)。
薫:事務所も最初はめっちゃ狭かったからな。最初は渋谷にあって。他の事務所の一角を借りてた感じで。
圭:その時代は知らないですね、僕たち。
結生:事務所には入っていなかったし、まだその頃はメリーもなかったけど、自分は前のバンドでも何かとお世話になっていたんで、そこに行ったことありましたね。
薫:そこから引っ越して並木橋(渋谷区)のあたりにあったんやけど、そこが本当に狭くて6畳くらいやったかな。
圭:僕らが入ったときはもう六本木でした。
kazu:ウチらが入ったときも、もう六本木だったな。
薫:そうなんや。もともと、俺たちがフリーウィルに入った頃は、一旦フリーウィルという事務所はなくなってたんやけど、トミーさん(ダイナマイト・トミー)が俺らをやるってなったときに、もう1回立ち上げたんだよね。
――今フリーウィルがあるのはDIR EN GREY先輩のおかげですよ、みなさん。
薫:おかげなんかどうか分からへんよな。トミーさんを蘇らせたっていう意味では(笑)。
結生:蘇らせたって(笑)。
一同:(爆笑)。
――薫さんにしか言えない発言(笑)。
薫:いやいや、(圭を指差して)こちらに次期ダイナマイトさんがいらっしゃるんで。
圭:いやいやいや(笑)。僕が冗談でTwitterに「随分と長く事務所に在籍しているから、そろそろダイナマイトを就任してもいいのではないかと思う」って書いたんですよ(笑)。でも、それを誰かがトミーさんにチクったらしくて。そしたら、トミーさんが「次期ダイナマイトは薫やな」って言ってたらしいんですよ!
薫:勘弁して下さい。
一同:(爆笑)。
kazu:あ、それね、昔、大佑(蜉蝣のボーカリスト。2010年7月15日に死去)も、「俺はゆくゆくダイナマイト大佑になる!」って言ってたら、トミーさんに、「ダイナマイトは薫やな。お前はその次や」って言われてましたからね。
圭:あ~、やっぱそうなんだ~! じゃあ俺はその次の3番目だね。
――薫さんってそういう位置なんですね。
薫:いや全然! そんなことないですよ。何にもしてないんですもん。ただバンドのリーダーっていうだけでしょ(笑)。
結生:いや、薫さんはそういう位置の人だと思いますよ。すごく慕われてるし、トミーさんはちゃんとそういうのを見てると思いますからね。
圭:本当にそう思いますね。でも、ウチらBAROQUEは、DIR EN GREYと蜉蝣に嫌われてたんで(笑)、こうやってお話しさせてもらえるようになったのって、事務所に入って7、8年経ってからですからね。同じ時間に事務所にいて、隣の部屋にいるっていうのは聞いていても、姿を見たことはなくて。事務所の人たちが気を遣って会わせないようにしてたみたいなんですよ。本当に、冠婚葬祭でしか会ったことなかったですもん(笑)。
薫:ほんまにそうやな(笑)。
■蜉蝣とBAROQUEのわだかまりが一瞬で消えた1本の電話
――当時は本当にやんちゃだったからね、BAROQUEは。
一同:(爆笑)。
圭:ホント、酷かったもんね、あの頃のBAROQUE(笑)。
――薫さん的に、“どうしてやろうかコイツ等!”って思ってました? BAROQUEのこと。
薫:いや、本当に噂はいろいろと聞いてたけど、会ったことがなかったから、どうしてやろうもなかったというかね(笑)。俺も若い頃は遅刻もよくしてたし、やんちゃなんやろなくらいにしか思ってなかったかな。
――流石にもう落ち着いたか(笑)。
圭:うん(笑)。昔は、蜉蝣とBAROQUEもデリケートな時期があったんで。
――え!? 蜉蝣とも? 大佑はBAROQUEをすごく可愛がってた印象しか残ってないけど。
圭:いやいや、最初はめちゃめちゃ嫌われてましたよ(笑)。ライバル意識もあったのかもしれないですけどね。
kazu:確かに、最初の頃はすごく嫌ってたからね。でも、俺すごく覚えてんだけど、昔、大佑が圭を呼び出してボコボコにするって、呼び出しの電話してたときに一緒に呑んでたんだけど、だんだんその電話の声が柔らかくなってって、最後には「あ、は~い。了解です」って言って電話切ってて。え? って思ってたら、「めっちゃ可愛い女の子紹介してくれるって!」って言ってて………。
――はぁ?
一同:(爆笑)。
薫:いや、圭、大佑には一番正当なコミュニケーションの取り方やな(笑)。
圭:正しいですよね! 俺、めちゃくちゃ正しいコミュニケーションの取り方でしたよね!
結生:あははは。そんなことあったんだ(笑)。
kazu:長年のわだかまりがその一瞬で消えていくのを目の前で見ましたからね(笑)。
一同:(爆笑)。
圭:でも確か、そういう話をしただけで、実際は紹介もしてないんですけど、長いわだかまりがその電話一本でなくなったんです(笑)。
結生:めっちゃ単純(笑)。
――ほんとだよね(笑)。kazuくんや結生くんから見て、それぞれの関係性はどうだったの?
kazu:蜉蝣は、大佑が京さんとDIR EN GREYをすごく慕っていたんで、僕等的には純粋に後輩として慕ってた感じでしたね。
結生:俺もDIR EN GREYと蜉蝣とBAROQUEとは事務所に入る前から接点があったから、自分たちがメリーとして事務所に入った後も、そこまで違和感がなかったというか。“帰って来たな”っていう感覚ですね。すごく自然です。
薫:最初の頃は蜉蝣しかいなかったから、俺等の資金を使って蜉蝣の宣伝費に充てていることに対して、大佑に“お前、ちゃんと回収しろよ!”って、よぉ言うてたけどね(笑)。
■DIR EN GREYとの共演に、後輩たちの想いとは?
――事務所を挙げての大きなイベントも初めてだし、DIR EN GREYがこういうイベントに参加するのも初めてのことですよね。
薫:そうですね。トミーさんから初めてやるからってお願いされて、ほなやりましょうかって感じでしたね。DIR EN GREYとしては、いつも通りにやるだけですけどね。それをどう受け止めてくれるのかな? というのはありますけど。
結生:メリーはタイムテーブル的に、DIR EN GREYの前なんで、ウチのボーカルが意識しまくってますね(笑)。きっと空回りしまくるんじゃないかなと(笑)。(薫に向かって)メリー17年目になるんですよ。でも毎回、絶対いつも通りにライブできないんですよ。
――え? いきなり相談!?
一同:(爆笑)。
薫:あははは。いつも通りにライブができないってどういうこと?
結生:こういうメンツになっちゃうと、余計にダメだと思うんですよね。
薫:空回っちゃうっていうこと?
結生:そうですそうです。空回っちゃいますね。力が入り過ぎちゃうっていうか。特に縦ラインが。
――縦ライン(笑)。つまり、ガラとネロってことだね(笑)。
薫:あぁ~、縦ラインね(笑)。なるほどね~。
結生:『Free-Will SLUM』当日は、間違いなくメリーは縦ラインが崩壊すると思うので、その空回り具合も是非、見に来てもらいたいなと思ってますね(笑)。決して良いことではないと思うんですけど(笑)、それがメリーなのかなと(笑)。
――あははは。DIR EN GREYはワンマンライブが中心だと思いますけど、海外ツアーで、海外アーティストとの対バンとかで力が入り過ぎてしまうという感覚っていうのはあったりします?
薫:そういう感覚は確かにありますね。
――メリーの様に、メンバー内に“力の入り過ぎる縦ライン”はあったりします?(笑)
薫:ウチは特別なラインはないというか(笑)、ウチは全員だね。全員力が入り過ぎちゃうタイプだけど、ちゃんと入り過ぎていない様に見せますね。
結生:それ理想ですよね。入ってても入っていない様に見せられたら最高ですよね。
薫:まぁね、でも、あんまりフェスとかイベントに出ないからなんとなくまだ、そういうところに体が慣れてないってのはあるんだけどね。体に染み付いてないっていうか。
――そうですね。どういう環境でライブをするかということでも、ライブ自体変化しますよね、きっと。今回の『Free -Will SLUM』は、若手バンドにとっては相当緊張する環境でのライブになると思うし。
圭:まぁね。すごく気持ちは分かりますよ。僕も小学生の頃からDIR EN GREY のCDを予約して買ってたし、自分の中のヒーローだし、今も尚すごく好きな先輩だから、緊張するのは分かるし、力が入り過ぎちゃうのも分かるけど、あんまりそうやって、自分の中で存在を大きくしちゃわない方がいいと思うんだよね。そうしちゃうことによって、いつもの自分たちが出し切れなくなっちゃうとこって、本当にあると思うから。なんかね、俺の若い頃の反発精神って、それが出過ぎちゃってたのかなとも思うんですよね。
――どういう意味?
圭:自分の中でもシーンに於いても大きな存在だってことが分かってるから、だからこそ違う事したいというか、敢えてそこに反発するんです。同じ事やっても勝てないなと思うからこそ。そうやって自分をコントロールしないと、ステージで何も出来なくなっちゃう気がしてた。それが完全に悪い方向に行き過ぎて、騒ぎ過ぎたし、やんちゃし過ぎたっていう(笑)。自分が子供だった頃は、周りがベテランだらけで、まともにぶつかっても敵わない相手だって分かってるから、もう、精神を尖らせて勝負するしかなかった。
――過去ね。なるほど! 好きが故の裏返しの感情だったってことね。一つの若気の至り的な。
圭:そう。でも、お客さんからしたら、どんだけ若手のバンドであろうが、一つのバンドであることに変わりわないわけで。ステージの上ではそんなこと関係ないからちゃんと自分らの良さを魅せてあげないとなって。
結生:確かにね。すごく分かりますね、圭の言ってること。昔を思うと自分も考え方が少し変わってきたところもあるから。でも、また難しいのが、落ち着き過ぎちゃうのもねってとこで。またこそにバンドって、さっき言ったみたいにメンバーバランスが加わってきますからね。ウチはなんと言ってもドラムが変わっていないんで。他のメンバーはだんだん大人になり始めているんですけど、なんせドラムが(笑)。
――全身全霊だからね(笑)。
結生:そうそうそう(笑)。
薫:最近ネロ、サンドバッグど突いてない?
結生:あははは。ど突いてます、ど突いてます!(笑)
薫:せやろ? 何してんやろ? って思ったもん(笑)。
結生:あははは。最近また特に行動が読めないです(笑)。
――その熱さこそがメリーなんじゃない?(笑)
結生:そ、そうなんすかねぇ(笑)。
薫:みんなは、今回のイベントに出るバンドとは対バンしてたりすんの?
結生:BugLugアルルカンくらいですかね。
圭:BAROQUEはA9くらいですかね。
――薫さんにとっての憧れの存在的な先輩バンドっていうとどなたです?
薫:自分はX JAPANですね。フェス以外では直接対バンしたことはないんで、本当に憧れという存在ですけどね。デビューの時にYOSHIKIさんにはプロデュースしてもらいましたけど、今はたまにライブに遊びに行かせてもらう感じで。
――薫さんとしては、今回のフェスを通して、フリーウィルという事務所を盛り上げていきたいなという思いはあります?
薫:いや、特にないですけどね(笑)。
一同:(爆笑)。
――次期ダイナマイトなのに!
薫:いやいやいや、違うから(笑)。そもそもね、ダイナマイトがそう思っているのか? って話ですよ、これ。だって、チケット代高いやん!(笑) なかなか盛り上がらないチケット代でしょこれ。
一同:(爆笑)。
結生:2日通し券も同じっていうね。
kazu:確かに、2日通し券も割安にはなってないんだね(笑)。
圭:それだけ価値のあるライブをしなくちゃいけないってことですよね!
――圭、大人になったねぇ~。
一同:(爆笑)。
薫:DIR EN GREYが高くしちゃってるんでしょうけどね(笑)。
――それだけ貴重ですからね、ここでDIR EN GREYを観られるのは。では、『Free-Will SLUM』の見所を。
薫:金額に見合うライブイベントにしたいなと思っていますので、是非遊びに来てもらえたらと思いますね。
結生:フリーウィルっていうブランドを前面に押し出したことに驚きと気合を感じているんですが(笑)。
薫:確かにな(笑)。フリーウィルっていうのは、俺たちよりも前の先輩時代にはとにかく悪名高き的な印象もあったんでね(笑)。
結生:確かに(笑)。良いイメージがないというか(笑)。怖いところっていう感じでしたもんね(笑)。
薫:あははは。そうそう(笑)。
kazu:蜉蝣の最初の頃、印象悪いからって伏せてましたからね、事務所名(笑)。
圭:ここにきて敢えてそこを前面に押し出して盛り上げるという(笑)。
薫:そう。しかもイベント名“SLUM”やからね(笑)。
一同:(爆笑)。
kazu:でも、DIR EN GREY以降は、やっぱりすごく憧れの事務所にもなっていると思うので、その名に恥じないように頑張ってライブしたいと思います。蜉蝣としては、セッションで普段はやらなくなった曲たちを復活させるので、大事に届けていけたらと思いますね。
圭:それぞれバンドが独立国家というか。そこもフリーウィルの良さかなと思うので、そんな個性的なイベントになればいいなと思ってますね。このライブに来て、楽しいと思ったら、フリーウィルの歴史を是非とも調べて欲しいですね! 個人的にはDIR EN GREYのライブにトミーさんが飛び入り参加して欲しいな。
薫:ないでしょ(笑)。トミーさん、ああ見えてすごく恥ずかしがり屋だからね。お酒飲まないとステージ上がれない人だから。
――よくバンドやられてましたね(笑)。
薫:そうなんですよ!
――愛されてますね、トミーさん。そんな事務所を挙げてのお祭りでもあると思うので、シーンを活性化するためにも、楽しいライブよろしくお願いします!
圭:絶対に来て良かったって思えるライブになると思いますので、是非遊びに来て下さい。
取材・文=武市尚子 撮影=大橋祐希

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