Gacharic Spin、現体制最後となるツ
アー『Go Luck!』 「10周年を迎える
んじゃなくて、10周年に挑んでいきた
い」

Gacharic Spin TOUR 2018『Go Luck!』

2018.12.23 東京・TBS赤坂ACTシアター
Gacharic Spin TOUR 2018『Go Luck!』ファイナル公演の会場は、東京・TBS赤坂ACTシアター。広い会場内に入ると、華やかなステージが目に飛び込んできた。大きな象とピエロの人形が置かれていて、電飾で彩られている空間は、まるでサーカス小屋のよう。ここでどのようなライブが繰り広げられようとしているのか? 期待で胸がいっぱいになっている内に、ついに迎えた開演時間。会場内が暗転して、真っ赤なライトで染まったステージにF チョッパーKOGA(Ba.)、はな(Vo.&Dr.)、TOMO-ZO(Gt.)、オレオレオナ(Vo.&Key.)、まい(Performer 1号)が現れた。そして、はなの力強いドラムが先陣を切り、ギター、ベース、キーボードもすぐに合流。エネルギッシュなサウンドが一気に広がって「NEXT STAGE」がスタートした。
藤木裕之
黄金のコンビネーションを発揮するはな&オレオの歌声が、ドラマチック極まりない。全身を激しく動かしながら踊るパフォーマー1号まい、ガチャダンJr.によるダンスにも刺激されて歓声を上げた観客の熱気がものすごい。続いて「KAKUHEN」「Redline」も披露されて、グングンと上昇していった会場内の温度。“全力エンターテイメントガールズバンド”と自らを称しているGacharic Spinの桁外れのパワーを強く実感させられたオープニングであった。
藤木裕之
カラフルなLEDライトが仕込まれている手袋をメンバー全員が着用して、幻想的なイルミネーションのようなパフォーマンスを繰り広げた「JUICY BEATS」を皮切りに、多彩なテイストのサウンドがますます炸裂していった。パフォーマー1号まい&TOMO-ZOのキュートな歌声を堪能させてくれた「溶けないCANDY」、瑞々しいメロディがじっくりと響き渡った「My bird」などの後、先日リリースされたカバーミニアルバム『Go Luck!』から2曲、「RPG」(SEKAI NO OWARI)と「涙」(50TA)も披露された。“楽器隊のメンバーとパフォーマーの年齢差”というユニークなテーマを描いている「ジェネレーションギャップ」なども届けられた後、TOMO-ZOのギターソロ、はなのドラムソロを経て、いよいよ後半戦へと突入。全力投球の演奏とパフォーマンスが迫力満点だった「赤裸ライアー」。ライブで初披露となったカバー曲「YELLOW YELLOW HAPPY」(ポケットビスケッツ)、起伏に富んだ展開がスリリングだった「ゴーストルール」(DECO*27 feat. 初音ミク)……などなど。片時も目も耳も離すことができない場面の連続となった。
藤木裕之
藤木裕之
観客の大合唱を巻き起こしていた「シャキシャキして!!」、掲げられたタオルが会場全体で激しく回転した「ダンガンビート」、素晴らしい一体感が生まれていた「WINNER」で本編は終了。アンコールでは、年内の活動を以って脱退することになっているパフォーマー1号まいが、用意してきた手紙を読み上げた。「2013年から活動してきて、約6年間をみんなと過ごしました。簡単に話すことができないくらいたくさんの思い出があります。普通では経験できないようなこともたくさん経験させてもらいました。本当に感謝しています。私の青春時代をGacharic Spinで過ごせて本当に良かったです。私がいた6年間という日々が、これからのガチャピンの何かに役に立てば嬉しいです」――時には涙を堪えて声を詰まらせつつ、随所でユーモアも発揮しながらメンバーとファンに心から感謝していた彼女。そして演奏がスタートした「またね」は、たくさんの観客の瞳を潤ませていた。
藤木裕之
F チョッパー KOGAが「最後は明るく終わりたいと思います!」と言ってからスタートしたカバー曲「Shake Hip!」(米米CLUB)は、瞬く間に観客を陽気に踊らせていた。そして、元気いっぱいにコールしながら手で「G」と「S」の文字を描く「GS Gacha2012」も大盛り上がりとなって迎えたエンディング。「Gacharic Spinは9周年。バンドっていうより、ずっと突っ走ってる乗り物だと思ってて。乗り物は1つだけど、5人乗ってれば5人の生きる道があって、選択するものがあって、出会いと別れは避けられないものだなと今回、改めて思いました。まいとこうやって最後にツアーを回れて本当に嬉しい」。
藤木裕之
藤木裕之
メンバーを代表して挨拶をしたF チョッパー KOGAは、来年の活動についても語った。「来年は3ヶ月くらいライブがやれないと思います。新しい体制を整えるまでの時間をください。新しいバンドを作るくらいの覚悟で進んで行きたいと思いますので、これからも応援を宜しくお願いします。10周年を前にしてピンチだと思うよ。でもね、今までもピンチを乗り越えてきたからこそ見ることができた景色があるから、今回もこのピンチを乗り越えて、またすごい景色を見たいと思っています。10周年を迎えるんじゃなくて、10周年に挑んでいきたいと思います! それがGacharic Spinだと思うので」――力強く語った彼女を、とても熱い観客の拍手が包んでいた。
藤木裕之
現在の体制でのGacharic Spinのライブは、12月30日・大阪・umeda TRADで行われる『Gacharic Spin Special Live~ライバー大宴祭大阪編 Vol.2 ワンマン』が最後となる。しかし、彼女たちは、また新しい形での輝き方をきっと見つけるだろう。多彩なサウンドのエッセンスを絶妙に融合させている楽曲、遊び心と工夫に満ちているパフォーマンスなどにも示されている通り、Gacharic Spinの新しい道を切り拓くパワーは桁外れだ。メンバーはもちろん、ガチャダンJr.もかけがえのない魅力を放ちまくっていたTBS赤坂ACTシアター公演は、彼女たちのバイタリティを存分に感じさせてくれた。来年のGacharic Spinはもちろん、それ以降の活動でも、前代未聞のワクワクが広がり続けるに違いない。
文=田中大

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