Best Tracks Of 2018 / Eriko Sakai
キュレーター、Eriko Sakaiの2018年
ベスト・トラック!

寝ても覚めてもSpotify。『Discover Weekly』のプレイリストにとてもお世話になりました。


5. Tempalay / どうしよう
Tempalayの音楽ってサビは凄くポップでキャッチ-なのに、イントロや歌詞、アレンジで不思議かつそこが魅力的なバンドだなぁと思います。「どうしよう」はその真骨頂といった感じで、独特の世界観はそのままに、普段音楽をあんまり聴かない人にも受け入れられそうなくらいグッド・メロディだと思った一曲です。

4. Chance The Rapper / 65th & Ingleside
Chaceはヒップホップというよりもゴスペルに近いと思っていて、今年発表した作品の中でも最も“祈り”や“救い”に近いものを感じたのがこの曲でした。DrakeやKendrick LamarKanye Westとはまた違った魅力で、何より温かい。サマソニでのパフォーマンス、涙が止まらなくて周りを見てみたらみんなも泣いてたな。“ザ・泣ける歌”みたいなのではなく、こういうポジティブな気持ちで出る涙って、本当の意味で心を動かす音楽だなと思います。

3. STUTS / Dream Away feat. Phum Viphurit
傑作アルバム『Eutopia』の中からの一曲。今注目のタイの新星、Phum Viphuritを2曲目にフックアップしているのも流石過ぎるし、ラストの「Changes (feat.JJJ)」ではゴスペル的エッセンスも感じられて、頭から終わりまで新しいなと感じた作品集。日本人アーティストの中では今年ベストです。星野源の最新作でもビート・メイキングを担当するなど、今後もさらなるユートピアを求めて躍進してほしいアーティスト。

2. Tom Misch / South of the River
■ 関連記事:Tom Misch / South of the River(https://spincoaster.com/tom-misch-south-of-the-river)

1stアルバム『Geography』は余計な物をそぎ落として必要な音だけでここまでキャッチーでグルーヴィーで独自の世界観を創り出せるのかと。サマソニのビーチ・ステージで観たライブも最高すぎて酔っぱらいましたね。

1. The 1975 / Sincerity Is Scary
前作のヒット以降、彼らを模倣する日本のバンドが増殖する中、本家本元はすでに次元が違う領域までバージョン・アップしてしまった傑作アルバム。Pitchforkなどの海外音楽メディアだと「Love It If We Made It」の評価が高かったですが、個人的にはこの曲がダントツで好きです。ニクいくらい絶妙な遅取りのハイハット、ホーンの入り方、サビでゴスペル・コーラス入れてくるところ、好きな小細工が多すぎる。歌詞は皮肉っぽいんだけど、The 1975って「Chocolate」の頃からからずっとそうで。「Matthewって絶対めんどくさい男っぽいわ~」「それにしても素敵な曲……」と、聴き入ってしまいます。

Comment
壮大さとか爆発的、斬新! みたいな音楽よりも、シンプルなグッド・メロディが多くなった気がします。一曲というよりアルバムとして好きだったのは、Drake『Scorpion』、Vince Staples『FM!』、Jamie Isaac『(04:30)Idler』、CHIC『It’s About Time』、Tourist『Essentials』、Tiny Moving Parts『Swell』、TENDOUJI『FABBY CLUB』、三浦大知『球体』、EVISBEATS『ムスヒ』でした。あとはここ最近じわじわきているフューチャー・ファンクにわくわくしています。

番外編マイ・ベスト

「ベスト・アクト」

今年行ったライブの本数は73本となりました(フェスを含む)。ベストアクトは下記の通り。

(1) Beyonce @ Coachella (優勝)
(2) Chance The Rapper @ SUMMER SONIC 2018 (号泣)
(3) Kendrick Lamar @ FUJI ROCK FESTIVAL ’18 (存在感)
(4) サカナクション@ Sakanazukan Seminar SAKANAQUARIUM 2018-2019 (映像音響美)

BAYCHELLA、たぶん死に際に走馬燈で出てくると思う。今年のCoachellaは一生の宝物です。KendrickとChanceはそれぞれ正反対のキャラクターとパフォーマンス。どちらも素晴らしかった。海外アーティストのライブを観ると技術力だけでは敵わない圧倒的なものを感じます。一方でサカナクションのライブ演出は、各セクションのプロが集まった素晴らしいインスタレーションのようでした。来年は“Glastonbury Festival”に行くので楽しみ。グラストナイズされて帰って来ると思います。Kylie Minogue!!!

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