平井堅、恒例のクリスマス・ライブを
横浜アリーナで開催 『Ken’s Bar』
20周年ライブ第4弾の開催も発表

平井堅が12月23日、24日の2日間にわたり、 横浜アリーナでクリスマス・シーズン恒例の『Ken's Bar 20th Anniversary Special !! vol.3』を開催した。
会場をバーに見立て、お酒やソフトドリンクとともに、店主である平井堅の歌を楽しんでもらうというコンセプトを持ったこのアコースティック・スタイルのライブがスタートしたのは1998年5月。つまり、今年は開店20周年ということもあって、例年以上に精力的なライブ活動が各所で展開された。まずは5月にTOKYO DOME CITY HALL、次は8月にニューヨークのSony Hallそして第3弾は11月の札幌を皮切りに福岡、広島、宮城とツアー形式で実施し、そのファイナルが今回の横浜公演だ。
クリスマス・シーズンの『Ken’ s Bar』は、開演前にさまざまなアーティストのクリスマス・ ソングが場内に流され、徐々にムードが作り上げられていく。そして、その最後は必ず平井堅の「GREEN CHRISTMAS」で、この曲が終わると店主が登場するのだが、今回はいつものようにステージの中央へ行かず、下手側のグランドピアノの前に座った。自らピアノを奏でながら歌う「かわいそうだよね」 がオープニング・ナンバーだった。これは、今年2月に発表された JUJUのアルバム「I」の収録曲で、平井堅が初めて作詞作曲での楽曲提供をした作品でもある。
カメラマン:上飯坂一、山谷佑介
カメラマン:上飯坂一、山谷佑介
続く2曲目では定位置のステージ中央の椅子に座り、 自身のヒット曲「思いがかさなるその前に…」を披露すると、「 こんばんは、平井堅です」と挨拶。超満員の場内を見渡しながら、「ほんとうにありがとうございます 。一人ひとりに菓子折り贈りたいくらいうれしいです」 と感謝の意を述べ、さらに、「『Ken’ s Bar』というコンセプト・ライブ、おかげさまで20周年を迎えることができました。ロマンティックな夜に『Ken’ s Bar』ができること、ほんとうに幸せに思います」と、開店20 周年に対するお礼も忘れなかった。そして、「外は寒いですけど、 ここ横浜アリーナは、歌うサンタクロース・ 平井堅が温めてやるからな、最後までよろしく横浜BOYS& GIRLS!」と、お馴染みの決めゼリフで観客を煽ると、郷ひろみと樹木希林の19 78年のヒット曲「林檎殺人事件」のカバーが始まった。当時のふたりと同じように平井堅もサングラスをかけ、また、振り付けも混じえた楽しいパフォーマンス。しかしそれは、今年逝去した樹木希林にリスペクトの意を込めたパフォーマンスでもあった。
カメラマン:上飯坂一、山谷佑介
4曲目は2003年発表のアルバム「LIFE is...」に収録されている二日酔いの曲「I’ m so drunk」。ライブでの披露は大変にレアで、一方、5曲目は必 ず歌われてきた「POP STAR」。しかしこの代表曲、いつもは終盤のハイライトで登場するのだが、今回は珍しく序盤で、しかもピアノだけをバックに、さらにはフェイクという歌唱法を用いて原曲とは違うメロディで歌う、誰も聴いたことがない「POP STAR」だった。そして、観客をちょっと驚かせたあとは「LIFE is...」「センチメンタル」と、人気の高いバラード・ナンバー2曲を続け、二部構成の前半を終えた。
カメラマン:上飯坂一、山谷佑介

カメラマン:上飯坂一、山谷佑介
しばしの休憩時間が終わると、後半は井上陽水の「リバーサイド ホテル」のカバーでスタート。ウッドベースだけをバックに歌うジャジーなアレンジで、前半とはまったく違うムードが会場を包み込み、続くバラード「 僕は君に恋をする」が終わると、これまたムードは一変。「I want your request~」と、観客参加型の「リクエストコーナー」 の始まりを告げるジングルを平井堅が歌い出したからだ。しかも、メインステージを下りて、会場の中央に設置された小さなサブステージへ移動しながらのパフォーマンスだったのだから観客が大喜びするのは当然。この「リクエストコーナー」は、平井堅が客席に投じたボールをキャッチした観客が、自分の歌ってほしい平井堅の楽曲を自由にリクエストできることに加え、その際に本人とトークを楽しむこともできる大人気企画。初日の23日は「楽園」と「夢のむこうで」、2日目の24日は「 Sweet Pillow」と「瞳をとじて」がリクエストされた。

そして、「リクエストコーナー」終了後、再びメインステージへ戻るのだが、その際も会場を盛り上げるパフォーマンスを平井堅はしっかりと用意していた。クリスマス・ソングの大定番、松任谷由実の「 恋人がサンタクロース」 のサビ部分を歌いながらフロアを歩いて行ったのである。ところがメインステージへ戻ると演奏はそのまま、「 恋人がサンタクロース」でなく、「君の好きなとこ」 がメドレーのように始まるという意外かつユニークな展開が待っていた。
カメラマン:上飯坂一、山谷佑介
カメラマン:上飯坂一、山谷佑介
それ以降は「LOVE OR LUST」「KISS OF LIFE」「Love Love Love」と、人気の定番曲が続いたわけだが、後半は、 何が飛び出すのかわからないリクエストコーナーで歌われたものを除くと、すべてがラブソングだった。いうまでもなく、クリスマスを意識したセットリストで、『Ken’ s Bar』はアコースティックというスタイルはいつも同じだが、 開催時期や場所によって選曲、演出が変わるライブでもある。だから最後もロマンチックに終わると思いきや、「ノンフィクション」。この曲を歌う前に平井堅は、「長く歌わせて いただいておりますが、もうダメだと思ったりまだイケると思ったり、倒れては起き上がる繰り返し。でも、せっかく小さい頃の夢だった歌手になれたので、 自分に伸びしろがあると信じ、僕自身が平井堅という歌手を育てながら、もっと進化した平井堅をみなさんに見せられるようがんばっていきます」といった。
「ノンフィクション」は人生の苦難をシリアスに歌うことで、生きることの尊さや喜びを浮かび上がらせる曲でもある。昨年発表し、ロングセールスを記録した「ノンフィクション」 は平井堅の新しい代表曲となったが、同時に、現在の平井堅のテーマ曲でもあるといっていいかもしれない。
アンコール。客席のあるフロアから登場してファンを驚かせると、平井堅が向かったのは会場中央のサブステージ。グランドピアノが用意されている。1曲目の「かわいそうだよね」同様、自身の弾き語りによって歌われたのは、11月にリリースされた最新シングル「half of me」。2009年夏の『Ken’ s Bar』で初めて披露され、しばしこのコンセプト・ ライブで歌われてきたバラード、つまりはライブでのみ届けられてきた曲で、今年の開店20周年を機に、ついにリリースされたというわけである。『Ken’ s Bar』のテーマ曲「even if」に登場するカップルの10年後をせつなく描き、そして静かに歌われる「half of me」を終えると、平井堅はメインステージへ戻り、両手を大きく振り、深々と頭を下げ、マイクを通さず地声で「すばらしい一日をありがとう! 来年もよろしく! ありがとうございました!」と叫び、2018年のスペシャル・イヤーを締め括った。
カメラマン:上飯坂一、山谷佑介
カメラマン:上飯坂一、山谷佑介
しかし、ステージから平井堅自身から発表があったように、『Ken’ s Bar』開店20周年のスペシャルは来年も続いていく。4月12日(金)、13日(土)の大阪府・ 大阪城ホールを皮切りに、4月21日(土)に平井堅の地元である三重県・三重県営サンアリーナ、5月6日(月・祝)に徳島県・ アスティとくしま、そして5月21日(火)、22日(水)の東京都・ 日本武道館でファイナルを迎える全4ヵ所計6公演のアリーナ・ ツアー『Ken’ s Bar 20th Anniversary Special !! vol.4』が開催される。地元三重県営サンアリーナでの開催は約9年ぶりとなる。
また、今回の12月24日の横浜アリーナ公演は『平井堅 Ken's Bar 20th Anniversary Special !! in 横浜アリーナ』と題し、WOWOWにて全曲ノーカットで放映されることも決定済みだ。オンエアは2019年2月11日(月・祝)となっているので、どちらも楽しみにしよう。

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