the peggies ワンマン2018 人はそれ
を◯と呼ぶ
パワーポップとライブ運びのうまさ
『グライダー』はインディーズ時代の楽曲で、ペギーズの認知度を一気にあげた曲でもある。ポップで爽快さのあるアルバムリード曲だったが、この日の演奏は爽快さに加え、メジャーデビュー以降バンドが着実に身につけてきたパワーポップ感が上乗せされ、重厚感のある力強いサウンドになっていた。
久しぶりに聴いたらだいぶ良い曲だった。。。ʕꙬʔ
19歳の頃に音楽で焦って焦って悩んで悩みすぎて出来た曲、この曲が20代の自分の背中をいつまでも押してあげてると良いなと思ってた!あとMVの10代の輝き。the peggies / グライダー(Music Video) https://t.co/jw53kkucSD @YouTubeより pic.twitter.com/NtbsuG5lew
— 北澤ゆうほ ぽ ぽっぽ ぽ (@poppoexpress) 2018年11月13日
彼女たちは、自分たちがオーディエンスに求めている反応を引き出すことがうまい。若手ロックバンドにありがちなやや強制的なノリがほとんどなく、これといった決め事があるわけでもないのに(正確には「ペギーズのライブは非常にわかりやすいシステムを導入している(ゆうほ)」のだが)、オーディエンスはここぞという箇所で手拍子をし、ジャンプする。そしてフロアには一体感がうまれている。『ドリーミージャーニー』のような決して速いわけではない曲でもオーディエンスは手をあげて手拍子をして身体を揺らすので、「踊れる曲」と化している。だとしたら、『恋の呪い』や『ちゅるりらサマフィッシュ』といったライブ向きの楽曲は推して知るべしだ。
楽曲の良さだけでなく、3人の演奏や見せ方のうまさ、キャラクターの強さ、MCのうまさ、曲と曲のつなぎ方のうまさ、そして恒例のドラムエクササイズをはじめとした演出など、現在のペギーズは様々な要素が結実しつつある。今後、ライブバンドとしての彼女たちがさらなる注目を集めていくことは容易に予想できる。
誰かの背中を押すような音楽
『ヘルズ』は、北澤ゆうほが10代の頃に描いた曲であり、ペギーズとしてはインディーズ時代の3年前に一度演奏したきりだった。浮遊感ある打ち込みサウンドがループするなか、「僕の選んだ道は これで良かったのかい?」と北澤ゆうほが語りかけるように始まるこの曲は、原曲では彼女の弾き語りで4分30秒程度進み、終盤でようやくバンドサウンドになる。
「曲を作るときからずっと、みんなのことを考えていた。みんなはどういうことで悩んでるかな、とか。自分にとってみんながすごく大事なんだなって改めて気付きました。悩んだり辛くなったり、何もかもやめたくなったりすることもあるけど、みなさんがいてくれるという事実が常にわたしの背中を押してくれている。私たちと音楽をつなぎとめてくれているのは、いつもペギーズをそばで見守ってくれているみなさんです」
北澤ゆうほが感謝を述べると、フロアから大きな拍手が起きた。彼女はこう続ける。
「元気をもらっているぶん、何をして返そうか。私たちは、暴力的とも言えるような強さや明るさ、前向きなポジティブさでみなさんの背中を押して、つらい時の明るい光みたいな存在になりたい。一緒に、力強く、人生前に進んで行きましょう」
あるいは、北澤ゆうほがギターをフライングVに持ち替えて演奏した新曲の『そうだ、僕らは』もそうかもしれない。『そうだ、僕らは』は、BPMが速めでガレージロックらしさのある強いカッティングと細かいフレーズが特徴的で、「もしもBLANKEY JET CITYがガールズバンドだったらこうなる」と思わせられるような楽曲だった。
本編ラストは11月7日にリリースされ、iTunesロックチャートで1位を記録した『君のせい』。「こんなに楽しいのは誰のせいだ!?」という見事なフリからのハッピーなムードでフロアを満たした。
Hell like Heaven=はいあがる力を持っ
た明るさ
寿司女王 pic.twitter.com/MsPp5UplWi
— 北澤ゆうほ ぽ ぽっぽ ぽ (@poppoexpress) 2018年12月3日
単なる明るさだけでなく、地獄から這い上がる明るさ。おそらくそれは、ペギーズというバンドが結成以来通ってきた道のりにぴったり当てはまる言葉なのだろう。だからこそこのバンドには誰かの背中を押せるだけの説得力があるのだ。
最後は新曲の『マイクロフォン』と『BABY!』をポップにキュートに、かつロックに演奏。フロアをシンガロングに導き、恒例の一本締めでライブは終わった。
すべては『ヘルズ』に書いてあった
「僕の選んだ道は これで良かったのかい?」
この問いに対する答えが肯定的なものであることは明白だろう。この日のライブパフォーマンスやオーディエンスの反応を見れば、誰にでも了解できる。あるいは、ペギーズの音楽を愛する人々のこれまでのリアクションがすべてを物語っている。
では、こうしたオーディエンスの反応や感情にあえて名前をつけるとしたら、どのような言葉がふさわしいだろうか?
今回のツアーは『ヘルズ』がひとつのポイントだったし、記事でもせっかく『ヘルズ』に焦点を当てたのだから、この曲の終わりの歌詞を引用して本レポートを締めることにする。
問いも答えも、すべては『ヘルズ』に書いてあった。
「人はそれを愛と呼んだんだ」
〈セットリスト〉
2.ネバーランド
3.ドリーミージャーニー
4.恋の呪い
5.ちゅるりらサマフィッシュ
6.ボーイミーツガール
7.遠距離恋愛
8.最終バスと砂時計
9.ヘルズ
10.JAM
11.I 御中〜文房具屋さんにあった試し書きだけで歌をつくってみました。〜
12.サマラブ超特急
13.そうだ、僕らは
14.LOVE TRIP
15.君のせい
En1. マイクロフォン
En2. BABY!
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ミーティア
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