ロバート・プラント&
アリソン・クラウスの
『レイジング・サンド』は、
スーパースターふたりによる
アメリカーナの傑作盤

グラミー賞現役最多受賞者

グラミー賞受賞の翌年、次作『Every Time You Say Goodbye』(‘92)でも2年連続で受賞、彼女の才能を広く知らしめることになった。この後は女性ブルーグラスアーティストとしてというより、ブルーグラスのトップアーティストとして走り続ける。そして、2018年現在、グラミー賞受賞27回(ノミネートは42回)という驚くべき実績を残している。この記録は故人であるクラシックの指揮者・ピアニストのゲオルグ・ショルティ(84歳没)の31回受賞に次ぐ大記録であり、彼女がまだ47歳であることを考えると、おそらく近い将来ショルティを抜き去ることは間違いない。

ロックヴォーカリストの頂点、
ロバート・プラント

69年のデビューから70年代前半のレッド・ツェッペリンでのロバート・プラントのヴォーカルは、凄いとしか言いようのないものだった。彼らは単なるハードロックグループではなかった。メンバー全員がロックやブルースだけでなく、ブリティッシュトラッドにも向き合った曲作りをしており、ブリティッシュルーツロックのグループであったことは間違いない。プラントのヴォーカルはデビュー時点で既に完成しており、計算されたシャウトとどこまでも伸びるハイノートに大きな特徴があった。ブルースを基礎にしながらもニューロックのヴォーカルスタイル(ステージアクションや衣装も含む)を創り上げた、その才能はロック界に大きな貢献をしたと言えるだろう。

レッド・ツェッペリンの3枚目『III』では、ブリティッシュトラッドっぽいナンバーやカントリー的なナンバーも披露し、プラントはそういったルーツ系の曲でも素晴らしいヴォーカルを聴かせており、彼らの音楽がさまざまなバックボーンに支えられていることがよく分かる。そして、71年の『IV』に収録された「ブラックドッグ」と「天国への階段」で、ツェッペリンの音楽とプラントのヴォーカルは完成される。

ツェッペリン解散後のプラントはハニードリッパーズでR&Bやロカビリーをやり、ソロ作も何枚かリリースするなど、自身のルーツを見つめながら新たなサウンドを模索していた。90年代後半になってフォークロック的なサウンドで小さなライヴハウスを回ったり、彼が好きだったモビー・グレイプのスキップ・スペンスのトリビュートアルバムに参加したりするなど、小回りの効いた活動を行なっている。21世紀に入ってからは新しいグループ、ロバート・プラント&ザ・ストレンジ・センセーションを結成、無国籍風のフォークロックグループとして活動していたところ、プロデューサーのT・ボーン・バーネットにアリソン・クラウスとのコラボレーション作品の話を持ちかけられる。

OKMusic編集部

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