フジロック2018と僕らの5日間戦記を
プレイバック(前編)
2018年の夏はやっぱりフジロックがない
と始まらなかった
フジロック2019も開催決定!
詳細は文末にて!
稲を植えよ。苗場に出よ。
とある歴戦のフジロッカーが、「フジロックは田植えのようなものである」と言っていました。1年に1度、そこにすべての標準を合わせ、終わればまた来年に向けて精神と身体のコンディションを整える。そして田植えと同じように、その年と全く同じフジロックは存在しない。ラインナップも異なれば天候にも大きく左右され、アーティストや我々オーディエンスの心身の状態もそれに影響される。ゆえに同じフジロックは二度とない…と。
だから毎回様々な出会いや発見があるわけですね。まぁ他のフェスも往々にして同じ内容が二度はないのですが、驚くほどコンディションの変化が激しい苗場で開催されるフジロックは、控えめに言って次元が違います。北海道とはまた違う意味で“試される大地”。加えて今回はライブのストリーミング配信もありましたから、例年にも増して変化の多かったフジロックでした。
この調子でテントも良きところで張りたい。遠すぎて寝に帰るのにも勇気が必要だった昨年とは決別し、今年こそは安眠を確保するのである! 意気揚々と寝床を探しておりましたが、移動に便利な場所はやはり埋まっておりました。もはやフジロック参加者(ことさらキャンプサイトを利用する人々)にとって、ステージへとつづく通路付近は一等地。そこはマンハッタンかドバイか。どれだけ準備を整えれば、あの場所に辿り着けるのでしょう。「石油王と庶民の間には大きな川が流れている…!」。そう痛感した瞬間でした。
とは言え、今回は森の長老にならずに済んだわけですから、そこは大きな一歩です。今回の我が家は坂の中腹。寝るときにそこそこ工夫が要りますが、快適です。そして何より、ライブステージからちゃんと帰れる。「休憩のためにテントへ」という選択肢がここまでありがたいものだとは。
色々な意味でハイボリュームなフジロッ
ク前夜祭
修学旅行は本編の旅よりも就寝前の“何やら喋ってる時間”のほうが楽しかった人間なので、フジロックの夜なんてもう「誰が寝るか」状態でした。修学旅行で言う「好きな子を言い合う」に匹敵する大暴露大会が開催されることもしばしば。期間中は苗場の夜空を絶えずレーザーが飛び交っているのですが、話に夢中になっていると闇が白んできて段々レーザーの光が見えなくってくる。初日から寝不足が確定した瞬間でした。
フジロックから世界へ。サカナクション
が見せたレペゼン・ジャパン
驚いたのは、既にこのバンドが海の向こうでも知られ始めていること。筆者の前にいた外国人、『mellow』や『enough』などのコアな曲も明らかに知っている様子でした。ライブの定番『夜の踊り子』のイントロが流れた際には、“Holy shit!!!!”と叫び出す始末。もちろんこの外国人が日本在住者であることも考えられますが、海外の音楽ファンの感覚にも刺さることの証明にはなりますよね。彼の、『ミュージック』が始まった瞬間の「面白くなってきやがった…」と言わんばかりの表情が忘れられません。良い顔だった。
話がグアルディオラの方角まで逸れそうなので戻しますが、フジロックのライブ配信は、本当に意義深いと思います。素晴らしい国内のアーティストを世界に知らしめるために。
けれども、「配信によって現場の優位性が揺らぐか?」という問いには全力で「NO」を突き付けたい所存であります。
フジロック2018と僕らの5日間戦記をプレイバック(前編)はミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。
ミーティア
「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。