【千歌繚乱インタビュー】TRNTY D:C
ODE、「精神としてはどのバンドより
もV系」

BARKS主催イベント<千歌繚乱vol.19>に初出演するTRNTY D:CODE。

彼らは今年2018年にヴィジュアル系シーンでバンドを始動させたが、その音楽性は単に“ヴィジュアル系”では括れない。ミクスチャー、ラウド、ロックと、さまざまな要素を含んだ新しい形のバンドだ。今回のインタビューでは<千歌繚乱vol.19>出演にあたり、彼らがどういったバンドなのかを探ってみた。
※本記事は12月21日に渋谷REXで開催される<千歌繚乱 vol.19>において、来場者限定で配布される「千歌繚乱 ARTIST BOOK」掲載のインタビューの一部を事前に公開するもの。「千歌繚乱 ARTIST BOOK」ではメンバーへの一問一答アンケートなど、より深い内容が掲載されている。

   ◆   ◆   ◆

──TRNTY D:CODEはもともとどんなコンセプトを持って結成されたんですか?

丐(Vo):コンセプトは“人間が本来持ってるものを再認識する”ですね。日本人って特にそうだと思うんですけど、日常生きてく中で自分が思ってることを押し殺す場面ってたくさんあると思うんですよ。そのせいで自分の思いを出していい時なのに出せないでいることがあるなと。それって良くないことだなって日頃から思ってたので、そういうことを歌詞にして表現できたらいいなって。
▲丐(Vo)
SHiO(G):俺らもやりたいことやろうぜと。

丐:そう、そこにも繋がるんですよ。僕ら自身もこれまでそれぞれがバンドをやってきた中で、自分の思ってることを押し殺す場面があったので。このTRNTY D:CODEでは、“今はこういう状況だからこれはちょっと我慢しよう”とかじゃなくて、各自がやりたいと思ったことをやれるバンドにしようっていうのもありましたね。それはヴィジュアル面においても楽曲においても。

──音楽性ひとつとっても、ひと言で言えばミクスチャーでしょうけど、ラウドロックやヒップホップなどいろんな要素が入ってますよね。

丐:そうですね。僕ら最近、とりあえず“エモ”って言っときゃいいかなと思ってて。

一同:(笑)

──自分たちがカッコいいなと思えば何でも取り入れるという感じなんですか?

丐:そうです、そうです。そこにはメンバー各自の感情みたいなものが乗ってるんで、“うちらはエモいっすね”って言ってまとめるようにしてます(笑)。

──“ヴィジュアル系”って音楽性のジャンルはないですけど、それでもTRNTY D:CODEの音楽はヴィジュアル系シーンの枠を飛び出ている印象があるんですよね。

丐:それは僕らも実感してて。今のヴィジュアル系にないものをやろう、というのがまず根底にあるので。確かにヴィジュアル系の枠を飛び超えがちではあるかなって思います。ただ、今まで僕ら全員ヴィジュアル系で育ってきてるんで、メイクをやめることはたぶんないと思うんですよ。

──意外ですねぇ。洋楽好きな皆さんが集まっているのかと思いました。

MST(B):へえ~、そうですか?ゴリゴリ、ヴィジュアル系だよね(笑)。

──ちなみにそれぞれが影響を受けたバンドやアーティストは?

MST:僕はもうGLAYとかX JAPAN、L'Arc~en~Ciel、LUNA SEAを聴いてバンドがやりたいと思いました。

SHiO:僕もL'Arc~en~Cielですね。あとDué le quartzの雅~みやび~さんとRaphaelの華月さんを観て、“こんなカッコいいギタリストになりたいな”と思ったんですけど、今じゃまったく違う方向へ……。

MST:カケラもないね(笑)。

丐:僕は学生の時、友達からthe GazettEを教えてもらって。そこからSUGを聴くようになって、武留さんを見てバンドをやりたいなと思いました。トータル的に才能のある方ですごい人だなと思って。

39(Mani):僕は尾崎豊とQUEENを知って楽器を始めました。最初ギターやって、ベースやって、立って弾けないからドラムやって。好き好んで聴いてた音楽はずっとヒップホップだったんですけど。上京してからヴィジュアル系バンドのセッションに誘われて、シリアル⇔NUMBERさんとかアンティック-珈琲店-さんの曲をやりました。
▲SHiO(G)
──マニピュレーターだから打ち込み系の音楽に影響を受けているのかと思いましたけど。

39:まったく聴かないです。人の曲どころか、自分たちの曲も聴かないです。

──今も首にヘッドフォンをしてて、ものすごく音楽聴いてそうですけど(笑)。

SHiO:ヘッドフォンはアクセサリーだよね(笑)。

──今年2月から本格的に活動をスタートされましたが、それぞれTRNTY D:CODEの面白さってどんなところですか?

丐:僕はこのバンドになってからラップをし始めたんですよ。それこそヴィジュアル系でここまでラップをやってるバンドっていないと思うからやろうみたいな。最近は参考にするためにいろんなラップを聴く機会が多いんですけど。そういった意味でラップが今すごく楽しいですね。

MST:僕は、日によってヴィジュアル系の気持ちになることもできるし、ラウドロック系の気持ちになることもできるところですね。

SHiO:お得だね(笑)。

──その時のモードで楽しめるという。

MST:そう。以前やってたバンドは絶対どれか一個のスイッチを入れなきゃいけなかったけど、今はいろんなスイッチを入れられるのが楽しいですね。

丐:いい意味でラフだよね。ヴィジュアル系ってほとんどのバンドさんがそうだと思うんですけど、コンセプトに沿った衣装、楽曲、メイク、キャラクターがある程度決まってるじゃないですか。うちは特に決めずに、すべてにおいて自由でいいでしょっていう。

MST:前に進む気持ちさえあれば何やっても許してくれるんで(笑)。

SHiO:僕はジャンルに縛られずにいろんな人に観てもらいたいとか、いろんなことをやってみたいなって思えるところが楽しいですね。

39:長くバンドやってると、言葉悪いんですけど消化試合のライブがどうしても出てきちゃうんですけど。今は“次はあれやってみよう、これやってみよう”と思ってずっと気持ちが右肩上がりなんですよね。なのでやっぱライヴは楽しいですね。メンバーには“もっと好きにやっちゃっていいよ”とはよく言われるんですけど。

丐:そうですね。僕が基本、ペース配分を考えるタイプじゃないんで、ライブ中に死ぬことがあるんですよ。許容稼働域を超えた動きをしてしまって、体が動かなくなるんですよ、20秒ぐらいなんですけど。

39:その間、僕がステージの前に出て行って時間を埋める(笑)。

丐:メンバー全員、感情が剥き出しになる瞬間がすごいあって。例えばSHiOは、動きながらもきっちりギターを弾くタイプなんですけど、あまりにも感情が乗ってくると弾くのやめて叫んだり(笑)。

SHiO:たまに壊れるね(笑)。

丐:それぞれが持ってるものを全力で吐き出すっていうことがライブでしっかりできるバンドなので。そういうところも含めてうちのバンド魅力だなって思いますね。
──11月28日にリリースされた2ndシングル「[HELL]hound.」はバンドにとってどんな曲になりましたか?

丐:今のTRNTY D:COODの音楽性だったり伝えたいメッセージを全部詰め込んだので、この曲を聴いてもらえればTRNTY D:COODがどんなバンドかわかりやすい作品になったと思います。

SHiO:「[HELL]hound.」は、まずメンバーを驚かしてやろうと思って作ったんですよ。“こんなのできたぞ。聴いてみよ!”って(笑)。

──デモの段階から自信があった曲なんですね。ミュージックビデオもインディーズとは思えないクオリティですよね。

丐:作品作りに関しては一番自分たちが力を入れなきゃいけないものだなと思ってるんですよ。ライブももちろんですけど、音源を聴いたり、ミュージックビデオでメンバーの姿を観たりした上でライブに来てくれることが多いと思うので。作品に関しては妥協せず、高いクオリティを出し続けていかなきゃいけないと思ってますね。

──特にどんなところを聴いてほしいですか?

MST:もちろん全部なんですけど。個人的には、前半部の間奏でのタテを合わせることって、僕のバンド人生の中でも初めてやったんですよ。新鮮で楽しかったですね。

39:僕はヒップホップ育ちなんで、やっぱリリックですねっ!

丐:彼が一番リリックの意味を知らないですよ。ただ”リリック”と言いたいだけでしょ(笑)。

39:けどラップは純粋に大好きなんで、心の底から“うちの曲、めっちゃすげぇから!”と言えるバンドができて幸せですね。
▲MST(B)
──将来的にはどんなバンドになっていきたいですか?

SHiO:最初に言ってもらったようにヴィジュアル系を飛び出すような音楽をこのバンドで作っていきたいなと思ってますね。

丐:冒頭でも言いましたけど、僕らはたぶんメイクをやめることはなくて。それは僕らの音楽やメッセージを視覚的にわかりやすく伝えるための手段なので。そのスタイルは維持しつつ、ヴィジュアル系だけに縛られずにもっともっといろんな人に観てもらえるようになればいいなと。

MST:本当いろんな人を取り込めたらいいよね。最終的に“TRNTY系”というジャンルができたらなと。

39:“家系”みたいなね。

──“家系”はラーメンですよね(笑)!?

丐:僕らすごい異質だから、“なんだこいつら!?”という感じだと思うんです。でも本来ヴィジュアル系って、人と違うことをやろうっていうところから始まってると思うんですよ。そういう精神としてはどのバンドよりもヴィジュアル系なんだろうなって思ってますね。

──12月21日にSHIBUYA REXで行われる<千歌繚乱vol.19>に出演されますが、お知り合いのバンドはいますか?

丐:僕個人的にはたぶんMEIDAR以外は全バンド、対バンしたことありますね。

39:僕はREIGNの和春(Dr)とは仲いいです。

丐:みんな顔の知れた人たちではありますね。
▲39(Mani)
──いつも対バンイベントにはどんな気持ちで臨みますか?

39:僕は、“友達がいるかな?誰かいたら楽しいな”っていう気持ちですね。

丐:塾みてぇだな。“次の授業、あいついるかな?”みたいな(笑)。

MST:いい意味で“対バンがこういうバンドだから俺たちはこうしよう”というのはなくなりましたね。前は例えば“今日は黒い系のバンドが多いからそういう雰囲気に合わせて激しめなセットリストでいくか”とか、逆に“今日はキラッとしてるイベントで自分らがアウェーだから軽めの曲にしようか”とか考えてやってたと思うんですけど。最近はまったく意識せず、ただただその時に自分たちがやりたいことだけをやるみたいな感じですね。

丐:どんなイベントでもメンバーの感情の高ぶりがピークを迎えて全員ぶっ壊れればなと思ってますね。特に僕は本当に動けなくなるんで、マラソン走った後みたいに。

──その瞬間が観られるかもしれないですね。39さん、その時は助けてあげてくださいね!

39:はい、頑張ります。隙間産業なんで(笑)。

一同:バンド内なのに(笑)!?

取材・文◎牧野りえ

  ◆  ◆  ◆

TRNTY D:CODEが出演する<千歌繚乱vol.19>、チケットは現在
にて発売中。
<千歌繚乱vol.19>

日時:2018年12月21日(金)開場17:30 開演18:00
出演:SAVAGE/TRNTY D:CODE/MEIDARA/モンストロ/REIGN
会場:渋谷REX
料金:【一般チケット】3,800円 【当日券】4,000円 ※ドリンク代別途

・チケット受付
11月30日(金)12:00~12月20日(火)
[イープラス]
http://sort.eplus.jp/sys/T1U14P0010163P0108P002278053P0050001P006001P0030001


2nd Single「[HELL]hound.」
2018年11月14日(水)Release

初回盤 ¥1,800(1,944)
1.[HELL]hound.
2.inside.
3.gone.
DVD
1.[HELL]hound.

通常盤 ¥1,500(1,620)
1.[HELL]hound.
2.inside.
3.steep.
4.gone.


<TRNTY D:CODE主催〜CODE:Quad〜>

12月10日 池袋Black Hole
open 17:00 / start 17:30
[cast]
TRNTY D:CODE
LANTANA
MIMIC
シークレットバンド

[ticket]
ADV:¥3500(バンド予約のみ)+drink
DOOR:¥4000+drink

関連リンク

BARKS

BARKSは2001年から15年以上にわたり旬の音楽情報を届けてきた日本最大級の音楽情報サイトです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着