【インタビュー】いとうせいこう「俺
がラップでぶつかって悩んだことは自
然なことだったんだ」

今、10年ぶりにポエトリーのシーンがざわついている。ヒップホップやジャズ、そして時に無音の音楽と密接に融合し展開されるその世界観は、自由に詩を朗読するという“至ってシンプルな無形アート”故に、ジャンルを超えた多くのアーティスト・音楽家のみならず、街の若者たちにあらゆる可能性と希望を投下する新ジャンルとしてリバイバルしそうな勢いさえ感じさせている。そんな中、“新ダブ・ポエトリー・スタイル”を掲げる新人バンドが彗星の如くシーンに登場し、今まさに話題沸騰中だ。

2014年に交通事故で意識不明(2016年に死去)となった音楽プロデューサーで、元MUTE BEATのメンバーだった朝本浩文。そんな朝本のために集結した国内屈指のミュージシャンたちによって開催された<アサモト・ラバーズ・エイド(Asamoto Lovers Aid)>をきっかけとして結成されたDUBFORCEから生まれ、いとうせいこうを中心にDUBFORCEのメンバーで構成されているのが「いとうせいこう is the poet」だ。れっきとした新人バンドだという彼らが、国内ポエトリー・リーディングのシーンで新たな一歩を踏み動き出す。メンバーたち(いとうせいこう・Watusi・龍山一平)に加え、胎動LABEL主宰でイベントオーガナイザーのIkomaにその近況に迫ってみた。

■自分のラップの限界を感じてラップをやめ、
■ポエトリーが自分の壁を超えさせてくれた

——“くれたけビル”は久しぶりですか? 今回は、いとうせいこうis the poet始動ということなんですが、以前、せいこうさんはラップを封印していた時期があったと思うんですが。

いとう 久しぶりなんてもんじゃないよ。もう(ここに)どれくらい来てないか分からないよ。89年だったかな。『Message』というアルバムが2枚組でリリースされたんです。それでヤン富田さん、DUB MASTER Xと僕でレコ発を東京・大阪と2回やったんです。その時にもう途中、バックの2人がいろんなミックスを始めてそのまま壮大な音楽の世界に入っていっちゃったわけ。そのときに「いとうくん、自由にやっていいよ」って言われて、当時はフリースタイルなんてまったくないし、なんとか幾つかのレパートリーはやるんだけど、なんかバックの音楽に合ってないような気がするし、出た音に即座に反応する言葉が圧倒的に足りないと……そのとき初めて俺は、「言葉はやっぱり音楽じゃないんだ!」って思って、自分としての音楽=ラップの限界を感じたんだよね。そこからラップをやめちゃうんですよ。

——ラップをやめて、DUBポエトリーと出会ったのはいつごろで、きっかけはなんでしたか?

いとう (ラップをやめた)数年後くらいに自分が今まで書いてきた文章ってたくさんあるなって思ったんです。音楽がどれだけ変わってもそれを読めばいいんだということにあるとき気が付いて……まさにこの下のorgan barで始めたんですよ(インタビューのロケ地は、渋谷の老舗:くれたけビルの4階にあるShibuya CLUB BALL。階下には、数々の伝説的なイベントが開催され今年23周年を迎えたorgan barがある)。(須永)辰緒に言ったんじゃなかったかな、「ちょっと俺に合わせてDJしてくれ」って。でもそのときも、言葉がそのまま聞こえるっていうのはなと……もっと音楽と拮抗したかったから、DUBを入れてこう、僕の言葉を聞こえなくしちゃってもいいから、それをぬってまた俺がやるからと、辰緒とやって、DUB MASTER Xとも、(高木)完ちゃんともやって。

大阪にアンダーグラウンドなセッションバンドみたいなのがいたんです。その人たちのインプロをバックに、当時アメリカが中東に攻撃するしないの前夜くらいで、政治声明を1時間くらいに渡ってワーッて読んだ。それをやってたら「ああ! 俺これなら音楽やれる! また音楽と一緒になれる!」って思ったんですよ。ポエトリーが自分の壁を超えさせてくれた……ラップは拍子にも合わせなきゃなんないし、一応韻のことも気にしたりしなくちゃいけない。DUBの場合は、自分のテキストを様々に音楽に合わせて千切りするように、その断片を読む。で、それを何回も何回もリフレインするんですね。ラップってあまりリフレインしちゃいけない文化じゃないですか? ところがDUBはリフレインした方がいい音楽なんだよね。で、それが僕にとってはDUB的なものと音楽と言葉っていうものが初めてちゃんとできたなあって思ったんですよ。

それ以降は、小さいところでライブをちょこちょこやってたんです。そしたらDUBFORCEが現れて、DUBポエトリーを生音でできるっていう体験があったわけ。それは朝本ちゃんのおかげですよ。凄腕の人たちや昔からの仲間たちが集まってね。そしたらまた今度はDJと違って、僕が何かを読むと誰かが何かを感じて音楽が変化していくんです。ベースが変わっちゃったり、ドラムが急になくなっちゃったり、どんなタイミングかわからないけど、みんなが一斉にサビにいってたり。「なんでいったの?」って聞いたら、そんな感じのことを僕が読んだからいったんだってみんなは言うわけ。そうすると意味と音が、今までは離れちゃってるのかなって思ってやってきたことが、もう、幸せなことにDUBFORCEで完全開放されてしまったんです。ここまでが僕のこの10〜20年くらい読んできたこと、自分がラップの後何をやったら自分ができるだろうって思ったことが、ああ!こんなところに完成形があったって思った。

さらにそれをもっと言葉中心に読んでもいい、例えばDUBFORCEはなにしろDUBだから、いってみたら何もやらないほうが一番いいっていう音楽。アサモト・ラバーズ・エイドをやったとき、これ一回限りじゃなくてもっとやったほうがいいんじゃないの?と思って……僕はそのときから<いとうせいこう is the poet>という名前が浮かんでいて、andとかいらないからisが面白いと思って、DUBちゃん(DUB MASTER X)にメールしたら、こっちも今そういうことで動いてるからって言ってたのがDUBFORCEだったの。

じゃあそういう風にしたらいいかなってDUBちゃんに言ったら、「いいんじゃない? 一緒にやっちゃえば」っていうからそうだねって言ってDUBFORCEでライブをやった。もちろんこれからもDUBFORCEは続けていくけど、さらにそこの中から、よりポエトリーが中心になる、そういうものがあっていいんじゃないかと思ったんです。

——最近、国内最大級の詩の野外フェス<ウエノ・ポエトリカン・ジャム6(※以下UPJ6)>へ参加されていましたが、初めて東京のポエトリー・シーンと合流した感想は?

いとう 「いとうせいこうis the poet」を始めるときくらいに、Ikomaくん(UPJ6主催者の一人)からオファーが来て、会場が住んでるところの近所で。ええ! あそこ(上野恩賜公園・野外音楽堂)でやるわけ?って思ったけど、とりあえず皆さんに声をかけて。その時に自分が20年間かけてやってきた“読む”という技術があったから、そのスタイルでやりたかった。DUBもかけたいし音楽的な要素としてベースも引いてほしい。そういうふうに自分たちのスタイルでやったら、変な奴が来た!って思われるのかなって思ったら、そうでもなくてみんな嬉しそうに横で見てるから、「ああ、ここなんだ! 俺の本当にいるべき場所は!」と思ったんです。

——なるほど。<UPJ6>への出演をきっかけに熱量が増して、国内の詩人たちとの共同作業に乗り出そうというわけですね!

いとう あっという間に楽屋で盛り上がった。絶対俺たちで演奏したい、それにそこで僕以外にも詩を読んでくれる人がいるべきだし、絶対ラッパーが要るのもわかった。だからこの際、ラッパーも全部合流して大日本語大会というか、大言葉大会をしようと。日本語でもフランス語でもポルトガル語でもなんでもいいから、そういう言葉が音楽と交わる唯一の場所というのを作れたらいいと思って。ラップができない子、フリースタイルが不得意な子、ずっと後ろ向いてしかできない子もいても全然いい。そういう子達がこのDUBポエトリーだったら全部融合できるんじゃないかっていう話をしたら、Watusiさんも盛り上がって、ものすごい勢いでIkomaくんをせっついて、まあ一緒にやろうじゃないかと。DUBFORCEまでのも含めて、いろいろな流れが今、大きな主流になったっていう感じがしているんだよね。

——DUBFORCEとしての活動は続けながら、いとうせいこう is the poetもやっていくということなんでしょうか?

Watusi DUBFORCEは続いているんだけど、大人数だからスケジュールの面も大変で……でも意味のあることもやっているし、大人数で少しずつ色々なことをやれる醍醐味も昔からある。おじさんたちはバンドが好きだし(笑)。だからそれはそれでやりたいんだけど、もっと気楽にライブできないかと思って。この全員がいないとDUBFORCEにはならないけど、誰かがいなくてもできるようなことをやれたらいいよね!という中で、ちょうど<いとうせいこうis the poet>っていう、そういうかたちもあるっていうね。

いとう DUBFORCEのメンバー全員のスケジュールが揃ってイベントに出られるなんていうことは滅多にない。じゃあその時に、Watusiさんと(龍山)一平と俺だけでもやりたい。いとうせいこうだけじゃなくて、DUBFORCEのメンバーが誰かいるっていうことで、「いとうせいこうis the poet」っていう機能になる。

——いとうせいこう is the poetのメンバーは流動的になる?

いとう DUBFORCEという母艦はあってもそれとはまた別に、メンバーは誰でもいい。DUBのストーリー、足し引きがわかっている人間たちでクリエイトしたら、DUBFORCE以外のメンバーが入ってもいいし、その中で「いとうせいこうis the poet」のその日のメンバーになってインプロで今の音を作っていく。それは、ストリート感であったり、ポエトリーの歴史を背負っての上でのことだと思うんだけど、お互いが即興っていうことにすごく意識を持ってる。そういった共通項さえあれば、どんどんやっていこうよ!っていう流れがちょうどでき時始めたところだったの。それがDUBFORCEと「いとうせいこうis the poet」の違いっていうか、歴史かな。

——せいこうさんにとってのDUBポエトリーにおけるメンターとは?
いとう リントン・クウェシ・ジョンソン(以下、LKJ)。僕はラップをやる前にお笑いでピン芸をやってるときから、出囃子が必ずLKJだったんです。LKJの「ジョージ・リンドー」をかけて、自分をワーって高揚させてステージに出ていく。自分にとってLKJは神様みたいな存在だったの。ラップもやらない時期は日本語の演説を漁って聞いたり、古典芸能に入っていって弟子入りして、古典芸能の中で日本語をどうやって発声すれば説得力があるかっていうのをずっとやってたけど、ベースにはLKJが必ずあるわけですよ。で、今そこに、先祖帰りみたいに戻ってこれたんだ。初期衝動だね。今自分がやりたい!と思っていることをやれる喜び。LKJがいたら今こういうことをやるだろうなとか、日本にいたらこういうことを言ってるだろうなとか。

いとう もう1つは、ヒップホップがあった。僕は、文学の側にもいるじゃない? そうすると、読む、朗読するという場合、他人のテキストを朗読すべきなのか、自作をやるべきなのか論争っていうのはあるわけ。文学の中では、僕は自分が書いた文学を読むのがえらいよねっていう考えになってるんだけど、もうそうしたら、古典芸能で文楽などの芸能は、近松門左衛門のテキストを読んだりしてる(笑)。でもすごいわけ! あと僕は、(DUBポエトリーの中で)ものすごく引用を多くしてるんですよね。自分のも読むけど間に人のも読む。それはサンプリングなんです。<UPJ6>は、俺なりの思いでポエトリーや朗読は進化すべきだって考えてることが平気でやれる場所だったんだよ。
■僕たちのやっていることは
■インターナショナルな流れ

——今日はその<UPJ6>の主催者の一人である、Ikomaくんにきてもらっているわけなんですが……。

Ikoma 僕はもともとハードコアのバンドのボーカルをやっていたんです。でも10年くらい前から自分の活動していた界隈っていうのが結構狭くて、広がりもそんなになくて全然動けなかったというところがあって……そういうところにずっといても仕方ないんじゃないかなって思ったときに、ヒップホップ周りの人たちとなにかやろうと。音楽のジャンルが違っても人間的に一緒の方向に向かえる人たちと一緒に手を組んだ方が面白じゃんっていうようなことで、2011年、“胎動”というオールジャンルのイベントを立ち上げました。割と早い段階でラッパーの友達にポエトリーっていうのがあるよって教えてもらって、遊びに行ったらどハマりしちゃったんですよね。

そこにいた演者や観客たちが、はぐれものの集まりで(笑)、外からくる人にはすごく温かいというか……。ポエトリーのシーンには身体表現の人もいれば、朗読だけの人もいるし、演劇の人もいる、芸術家の人もいるしで、全然違うジャンルから来た人同士が渾然一体としている。それがすごく濃くて面白くて。決してそんなにお客さんは入っていない(笑)。いろんなジャンルとかイベントに関わっていますが、他とは違った魅力があって、その魅力をもっと外の人たちにアピールできたらなって思ったんです。

——国内ポエトリーのシーンには、どんなチームやユニット、団体があったりするのですか?

Ikoma 日本のポエトリーシーンの先駆者でさいとういんこさんという方で、2000年に<UPJ>、2003年に<シンジュク・スポークン・ワーズ・スラム(以下、SSWS)>、2大イベントを立ち上げたバイタリティのある人なんです。いんこさんは、自分自身でも詩を読むし、オーガナイズもする人。<UPJ>は2000年と2001年に、大規模なオープンマイクイベントとして始まったんです。第3回目からは違う主催者が後を継いで1500人ほどの人が集まるようになった。そんな盛り上がりのあった2005年を経て、2009年の第4回目の開催に、僕はたまたまお客として遊びに行って。それでそこから<UPJ>としての動きがほとんどなくて、シーンにも動きがないということを感じていたときに、2015年に<ポエトリー・スラム・ジャパン(以下、PSJ)>というポエトリー・リーディングの日本の大会みたいなものができた。それは、ポエトリーの世界大会に日本人の詩人たちを送り出すための代表を決める大会なんですけど、それを始めたのが村田活彦さん。それを見て、ポエトリーのシーンにも頑張る人が出てきたんだなと思うようになりました。僕も何かできたらいいなと思った時に、<UPJ>に参加していた若い世代の1人で、Anti-Trenchというユニットの向坂くじらというアーティストーー彼女がすごく勢いがあった。ポエトリーのシーンに若い子が入ってくるって珍しいことだったので、彼女と話をしていたらすごく熱かったんです。彼女たちはエレキギターと朗読のユニットなんですけど、お客さんが失神したこともあったんですよ。

——<ポエトリー・スラム・ジャパン>の“スラム”ってどういう意味ですか?

Ikoma <スラム>は海外発祥なんですけど、詩人同士が1本のマイクを使ってするライブ・バトルみたいなもの。日本でその大会をやっているのが前出の<PSJ>という大会で、3分ずつお互いの詩を読みあってどちらがよかったかを決めるルール。

いとう つまり、詩のボクシングのストリート版だよね。

一平 勝ち負けはどうやって決めるの?

Ikoma <PSJ>の場合は、5人のお客さんに審査ボードを渡して、10点満点で点数をつける。その5人がつけた一番上の点数と下の点数を省いて、真ん中の3人がつけた点数の合計で決めるんです。

一平 それは、ヒップホップのMCバトルみたいに相手をディスったり、ディスりあったりするわけではないの?

Ikoma ディスありきではないです。詩の内容が良かった、朗読の時の声が良かったという場合もありますし、パフォーマンスが評価されることもあります。ただその基準は全部お客さんが決めます。それが今の海外と国内のポエトリー・スラムの流れですね。海外のスラムの話については、<PSJ>主催の村田さんが最も詳しい。

いとう いとうせいこうis the poet始動の記者会見のときには、ぜひ村田さんにもいろいろ喋ってもらいたい。

Ikoma 海外のスラムの映像や写真などの貴重な資料文献も豊富にアーカイブされてると思いますので、ぜひそのときには、という感じですね。例えば海外だと、川の両端にお客さんが座って川に足をつけて涼みながら、川の真ん中で詩人が朗読するなんていう光景もあります。

いとう それは見たい……面白い! 絶対に(記者会見を)やろう!

Ikoma <PSJ>で優勝すると、日本代表としてW杯に招聘されるんです。<UPJ>の代表でもある三木悠莉ちゃんは、2017年と2018年に<PSJ>で見事優勝して、パリW杯にも出場しました。

Watusi その世界大会、俺たちも来年、行った方がいいんじゃないか(笑)!?

いとう 本当ですよね、そうかも!!

Watusi いち早く、スラムのシーンは世界につながってるってことなんだね。いつからなの、そういう繋がりが広がっていったのは?

Ikoma 海外のスラムのシーンを見てめちゃくちゃ感動して帰国した村田さんが、2015年にシーンを再び活性化したことが大きくて、そういう繋がりで盛り上がってきたという感じですね。

いとう 一方<PSJ>は詩のボクシング、こっちはこっちでヒップホップと融合してストリートっぽくなったというかね。

Ikoma 2000年代にはいると、国内のヒップホップが文学に寄ってきたっていうところもあります。たくさんのラッパーたちがスラムの大会に出たことか、ヒップホップ・シーンの人たちが、ポエトリーやスラムのカルチャーに注目をしていた時期もあったんだろうなと。でもそうやってた人たちが、この10年間くらいアクションを止めていたところで、やっぱりスラムやポエトリーとヒップホップは別々の道を行くというか……あまり交わることがなくなってきたというか、そういう10年だったと思います。

いとう そしてさらに今は、フリースタイル(ブーム)からも外れたラッパーたちが、もう一度ポエトリーに戻ってきたというか……もっと自由にやりたいんだ!っていう感じでこうなっちゃった。音にのせなくてもいいっていう世界があるから。それで詩人たちは、音楽にのせないでやる(朗読する)人とのせてやる人の割合はどれくらいなの? やっぱりほとんどが音楽にのせない?

Ikoma 6〜7割くらいの人はオケは使わないですね。もちろんヒップホップと同じでオケを流したり、演奏と一緒にセッションしたりとか、もちろんそういう人もいます。

いとう やっぱりそうなるんだよな。ということは、俺がぶつかって悩んだことは自然なことだったんだ。もともとヒップホップでもラスト・ポエッツたちがニューヨークにいて、全員で合唱するっていうのから始まった。何枚かアルバムがあるけど、それがあってやっぱりラップになっていったはずなんだよ。ラスト・ポエッツを今聴くと、うわーってなると思う。まさに初期衝動みたいなものがもう1回洗い直されて、やっぱりそういうことをしよう!自由にやろう!って思う。なんか嬉しいな!

——いとうせいこう is the poetとしてのリリースは予定されていますか?

ライブ音源は、基本、全部配信したいと思っています。その日しかできないことをやるっていうのが、セッションバンドっていうかたちになっているので、わざわざ決定版を作る必要がない。むしろその時のお客の反応を含めたものがどんどん配信されて、気になってる人が買ってくれるとか。あるいはそれをカバーする人たちが現れたりするといいんじゃないかと。一時期のフリージャズっていうか、これはジャズですよ。その日に精魂込めてやった演奏が、もう小銭でもいいから売っちゃう(笑)。そう考えるとやっぱりSpotifyとかが出てきてくれてるわけで。ここまでの話でもわかるように、実は僕たちのやっていることは、インターナショナルな流れなので配信して世界に出ていけることにもなる。

Watusi だからそういうポエトリー・リーディングやDUBポエトリーのレーベルなんかもやらなきゃいけないよね。

いとう ちょっと俺たちの音源も出してくれない? レーベルとか作ってさ(笑)。

Ikoma 今、その現代詩とかの詩人たちと一緒に、実はポエトリーの朗読をメインにしたレーベルをやろうとはしていて。

Watusi 何か一緒になってだせればいいよ。

Ikoma いちジャンルとしてタワーレコードとかにポエトリーのコーナとかできたらいい。すごい何かが生まれそうですよね。理想ですけど。

Watusi 出していこう! ライブがレーベルみたいなものだから。新人アーティストとして! まとめてください(笑)。

——執筆・選曲・翻訳家の荏開津広さんが、関西でポエトリー・リーディング関連の活動をされているという話もありますが、東西というところでいうと、ヒップホップの精神的にお互い意識するところもあるんでしょうか?

いとう そういうことじゃなくて、一緒にやった方がいい。荏開津くんは一緒にやろうって言えばやってくれるはずだよ。僕がポエトリーを深めるために読んでいるような文献を、荏開津くんも読んでるみたいだし。他にも九州とかいろいろな地域にもたくさん詩人たちがいると思うし。分けたくない。抗争みたいになると小さくなっちゃうから(笑)。大きくしなきゃいけないんだからこれ(DUBポエトリーのシーン)をまず。

Watusi それは置いといて、東西戦とかやったらそれはそれで面白いけど(笑)!

いとう みんなで一緒にやりたいよ! そういう全国の勇者ども集まれ、だよ。

取材・文:Naz Chiris

取材・文:Naz Chiris
<NAZWA!-Saturday night warm up hours!->

2018年12月1日(土)
開演18:00/終演23:00
■会場:
Shibuya CLUB BALL
〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町4-9 くれたけビル4F
TEL: 03-3476-653
■前売・当日:
1000円(1ドリンク)※当日券のみ
■出演:
DJ:
NAZWA!(Watusi+Naz Chris)
田中知之(FPM)
Live:
いとうせいこう is the poet
(いとうせいこう (Words)/Watusi (Bass)/龍山一平 (Key)
坂田明×いとうせいこう is the poet @ 千駄木 Bar Isshee>

2018年12月23日(日)
開場 19:30 / 開演 20:00
千駄木 Bar Isshee
東京都文京区千駄木 3-36-11 千駄木センチュリー21地下1階

■出演:
坂田明、いとうせいこう、龍山一平、Watusi
■料金 :
【要予約】投げ銭制(別途チャージ500円+ドリンクオーダー)
■予約方法:
予約受付メールアドレス : barisshee@keh.biglobe.ne.jp※タイトルを「12/23予約」とし、上記アドレスに氏名(フルネーム)と人数(最大2名)をお知らせください。整理番号を返信いたします。予約は12月21日24時で締め切ります。それ以前に定員に達した場合はその時点で予約終了となります。

<いとうせいこう is the poet with 胎
動LABEL「Live Dub Jam Vol.1」 Gold
Sounds 2nd Anniversary>

2019年2月8日(金)
開場18:00/開演19:00
■会場:
Asakusa Gold Sounds
〒111-0043 東京都台東区駒形1丁目3-8 ベッコアメ浅草ビルB1F
TEL 03-5827-1234
■前売・当日:
3200円/3700円※共にドリンク代別途500円
(チケット発売日:2018年12月15日)
■出演:
いとうせいこう is the poet
いとうせいこう (Words)/屋敷豪太 (Dr.)/Watusi (Bass) 會田茂一 (Gt)
/龍山一平 (Key)/コバヤシケン(Sax)

Live Dub Jam:ヤングフォース
DJ:Naz Chris

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