ヘヴィ・ミュージックの祭典CRYSTAL
LAKE主催「TRUE NORTH FESTIVAL201
8」をレポート

TRUE NORTH FESTIVAL2018 2018.09.16(SUN)新木場STUDIO COAST
「『TRUE NORTH FESTIVAL』、最高じゃねえか!今年も俺らとお前らにしかできないヘヴィ・ミュージック・フェスを開催することができた!」とCRYSTAL LAKEのライヴ序盤にRyo(Vo)は雄叫びを上げていた。国内外のバンドを集めて、日本でヘヴィ・ミュージックの祭典をブチ上げる。初開催となった昨年に続き、CRYSTAL LAKE主催の本イベントが今年2回目を迎えた。前回も素晴しかっただけに、今年も激しく期待していた。
「ALPHA STAGE」、「OMEGA STAGE」、「FREEWILL STAGE」(屋外テント)の3ステージ制を敷き、全17バンドが鎬を削る。まずは八王子発のSECONDLOWが先頭を切り、勢い溢れるライヴを見せつけると、次はこの日復活を遂げたVERSUS THE NIGHTが登場。ex.FACTのAdam(G)がかつて在籍したバンドであり、観客も興奮状態で大騒ぎする光景に胸が熱くなるばかり。
VERSUS THE NIGHT Photo by PE-SK
それから「一人残らずぶっ殺す!」とAG(Vo)が叫ぶと、NOISEMAKERがそれに続く。R&B調の歌い回しがかっこいい「Change My Life」、JESSE抜きで「Wings feat.JESSE(RIZE/The BONEZ)」も披露し、終始フロアを焚き付けた。
NOISEMAKER Photo by Takashi Konuma
断末魔のごときシャウトと叙情的メロディを融合させたBREAK YOUR FIST、爆発力漲るメタルコアを叩き付けたJester May Failと続くと、次はa crowd of rebellionだ。最新作『III』(イル)制作中、丸山獏(G)が眩暈を起こして倒れたときに作ったと宮田大作(Vo)が前置きした後、「Anemia」をプレイ。リズミックな踊れる曲調も効果的で、小林亮輔(Vo/G)のハイトーン・ボイスを主軸に怒濤のスクリーモで観客を制圧していた。
a crowd of rebellion Photo by Takashi Konuma
nervous light of sundayが出た後は福岡発のPaleduskが初参戦。昨年、coldrainのライヴ時にKaito(Vo)は飛び入り参加していたが、今年は自身のバンドでこのステージに立つ。新曲「SAVE ME/SAVE YOU」もライヴで格段に映え、本フェスに賭ける意気込みを露にしたアグレッシヴな演奏は迫力十分。「こんな日が来るなんて・・・来年はあっち(ALPHA STAGE)は目指す!」とKaitoは胸中を明かし、闘志漲る演奏に引き込まれた。
Paledusk Photo by Nozomi Nakajo
IN FOR THE KILLがグルーヴィーなメタルを存分に撒き散らすと、女性クリーン・ヴォーカル擁するオーストラリア発のMAKE THEM SUFFERはシンフォニックなデスコア・サウンドで魅了。スウェーデン発のAWAKE THE DREAMERも豪気なメタルコアを炸裂させていた。
IN FOR THE KILL Photo by PE-SK
MAKE THEM SUFFER Photo by Takashi Konuma
AWAKE THE DREAMER Photo by PE-SK
そして、ミクスチャー・ロックの先駆者、山嵐がここで登場。9thアルバム『PRIDE』収録の「CROWS」を久々にプレイして驚かせつつ、ラストの「BOXER'S ROAD」では観客も大暴れで騒いでいた。FOR A REASONが激アツのメロディック・ハードコアをブッ放つと、プログレッシヴなメタルコアを展開するERRAがステージに姿を見せ、正確無比な度肝を抜く演奏力を披露。その後はスウェーデン発のプログレ調のメタルコアを鳴らすAvianaが続き、「バウンス!」とフロアを煽りながらも、重戦車のごとく畳み掛ける音色にも釘付けになった。
山嵐 Photo by Nozomi Nakajo
FOR A REASON Photo by PE-SK
ERRA Photo by Takashi Konuma
Aviana Photo by Nozomi Nakajo
ラストは残すところ2組だ。日本のメタルコア代表、HER NAME IN BLOODはRyo(Vo/CRYSTAL LAKE)が「THIS IS RETRIBUTION」で友情参加して場を沸かせると、遂にトリのCRYSTAL LAKEが19時16分に姿を見せた。13時開演の長丁場にも関わらず、「ALPHA STAGE」には大勢の人たちが詰めかけている。
HER NAME IN BLOOD /with Ryo(CRYSTAL LAKE) Photo by PE-SK
まずは最新シングル表題曲「The Circle」で幕を開け、オリエンタルなメロディを仕込んだヘヴィかつスケール感のある曲調を突きつける。次の「Matrix」に入ると、Ikepy(Vo/HER NAME IN BLOOD)が飛び入りして「暴れろー!」と煽り、さらにRyoはフロアに突入してサーフしながら歌う攻めっぷり。「Mercury」を終えた後、「ステージダイブ、サークルモッシュ、好きにしろ!」と焚き付け、「Six Feet Under」では絵に描いたようなカオティックな景色を作り上げていた。さらにマシンガンのごときビートが炸裂した「Machina」ではウォール・オブ・デスも起きたりと、会場には凄まじい熱気が渦巻く。
CRYSTAL LAKE Photo by Takashi Konuma
「今年1年分のヘヴィ感じたでしょ? まだ2回目だけど、3、4回目と目指して、日本からヘヴィ・ミュージックを発信していこう!」とRyoが力強く宣言。また、11月28日に待望のニュー・アルバム『HELIX』をリリースすることも告知。本編ラストは「Apollo」〜「Prometheus」と圧巻のヘヴィネスを叩き付けて大団円を結んだ。アンコールに応えると、「どんだけやれんのか見せてみろ!」とRyoが言うと、「Twisted Fate」、ウォーウォー!の大合唱に沸いた「The Fire Inside」で鮮やかなフィニッシュを決めた。
CRYSTAL LAKE Photo by Takashi Konuma
今回のラインナップを見ても分かる通り、国内外のヘヴィ・メタル/メタルコア、プログレ、ジェント、ミクスチャー、ハードコアなど、CRYSTAL LAKEの豊潤な音楽性にも通じるバンドがチョイスされていたので、ファンならば十二分に楽しめただろう。古今東西のヘヴィ・ミュージックをフックアップし、この手の音が好きなことを増やすことは、間違いなくシーン全体の活性化にも繋がる。ヘヴィ・ミュージックの未来のためにも絶対に続けてほしい画期的なフェスであり、あり得ないほど贅沢な内容だと個人的には感じている。来年、再来年とずっと継続してもらいたい。
Photo by Takashi Konuma
取材・文=荒金良介

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