「ニューロティカにとってはただの通
過点だー!」 通算2000本目のライブ
でZepp Tokyoに立つ

ニューロティカ「Zepp de NEW ROTE’ KA ~祝2000本達成ライブ~」 2018.10.20 Zepp Tokyo
ニューロティカ通算2000本目のライブが、ボーカルATSUSHIの54歳の誕生日である2018年10月20日に、Zepp Tokyoで行われた。特設サイトに回想録や過去の映像をアップ、各方面からの応援コメントもアップ、「2000回ライブまでにメンバー全員でアイスを2000本食う」という『アイスバカチャレンジ企画』(約1500本どまりで達成ならず)、渋谷TSUTAYA O-WESTにグループ魂氣志團四星球フラワーカンパニーズ人間椅子を招いてのカウントダウン対バンイベント決行など、半年以上前からさまざまなトライアルで成功を目指してきた末に迎えたこのよき日を祝うべく、全国各地からファンが集まった。MCでATSUSHIが「見た? 俺のお葬式みたいじゃない?(笑)」とネタにするほど、ロビーは仲間のミュージシャンや友人やファンから贈られた花で溢れていた。
ニューロティカ・アツシ
ライブは二度のアンコールを含め全38曲、ほぼ3時間。メンバー4人によるゆるく楽しい影アナの後、左右と中央に花道が設けられたステージに、黒スーツに赤ネクタイに赤チーフ姿のKATARU(ベース)・NABO(ドラム)・JAMES(ギター)が、まず登場。続いていつものピエロメイク&ピエロ衣装のATSUSHIがオンステージ、「通算ライブ回数2000回! 34年間歌ってます! ブルーボーイ! カラーボーイ! ドリンキンボーイズ!」というシャウトから、最初期の代表曲「DRINKIN’ BOYS」でスタート。以降、6~7曲たて続けにプレイしてMCをはさむ構成でステージが進んでいく。
3曲目「ア・イ・キ・タ」や5曲目「サル手品」で、石橋凌の影響ではじめた得意のシンバルキックをATSUSHIが披露。その間の4曲目「悲しきラガー」を歌う前には「1,2,3,ダー!」の猪木式コールも。
ニューロティカ・ジェームス
最初のMCでは「20歳の頃に作ったニューロティカ、まさか54歳までやるとは思いませんでした」と、20歳の頃に作った曲「青いお空に」を披露。続く8曲目「PANIC LIFE」では「Oi! Oi!」「Oi! Oi! Oi!」のコール&レスポンスが起こり、11曲目「俺たちロティカアミーゴ」では「アミーゴ!」コールがステージとフロアで交歓される。
14曲目「NABOとKATARUが入った時に作った歌です」と当時のギターのSHIZUWOが作り、POTSHOTのRYOJIのインディーズ・レーベルからリリースされた『絶体絶命のピンチ』に収録された「旅に出よう」。17曲目の「昭和ヒーロー大全集」では曲に即してJAMESがウルトラセブン、KATARUがウルトラマンのマスクをかぶってプレイ、JAMESはアイスラッガーを投げて見事ATSUSHIに命中。12曲目「東京DYNAMITE」終わりではATSUSHI、客席に向けてバッティング。何度か空振りもあったが最後には見事2階席に球を打ち込み、笑いと拍手が広がった。
ニューロティカ・カタル
中盤の19曲目では、ATSUSHIと共にニューロティカを結成したオリジナル・メンバーであり、1995年に脱退した修豚(ギター)が作詞作曲、ボーカルもとっていた「修豚哀歌」を、「宮原さん! 修豚! 修一! 来てますか? 宮原さんが歌ってた歌を、歌わしていただきます!」と、ATSUSHIが歌う──という、感動的な光景も。
20曲目「Punch2 Ruby2 Lumba Purple Ranba Ruby2 Lumba」では、ATSUSHIの指揮でメンバー全員が合唱隊になり、輪唱をくり広げる(修豚、ジャッキー、アリミツ、ペー、インちゃん、アキオ、シズヲ、リョウ、ションと歴代メンバーの名前を次々に挙げていくという歌詞)。22曲目「Fight~Best of Fight~」や25曲目「悲しきピエロ」では、負けじとオーディエンスが大シンガロング。
ニューロティカ・ナボ
ニューロティカ
MCの度に「2000回」を「3000回」と何度も言い間違えるATSUSHIに、JAMES、「自分で3000回って言ったからにはやるしかないね!」とつっこむ。ATSUSHIが「おまえら、3000回も来るのかよ?」とフロアに問いかけると、「イェーイ!」と答えが返って来る。
再度歴代メンバーの名前をコール、そしてアカペラ部分の音程を大きく外した後に「いくつになってもパンク・ロックは難しいなあ」というATSUSHIの言葉からの30曲目「ロックンロールクレイジーラン」では、ATSUSHIとKATARUがステージを走り回り、ソロでJAMESがダック・ウォークを見せる。
31曲目「絶体絶命のピンチに尻尾を高く上げろ!」ではおなじみ「もっともっともともっともっと、もともともっと、よっしゃー!」のコール&ハンドクラップがZeppを包む。34曲目「永遠ピエロ」でメンバーがそれぞれボールを客席に投げ込み、本編が終了。
ニューロティカ・アツシ
客電が点きBGMがかかり、「本日の公演は以上を持ちまして終了させていただきます」というアナウンス。驚いたオーディエンス、それを無視してそのままアンコールを求めるハンドクラップを続行。と、ブラックロティカ(「悪いニューロティカ」という設定。最近のライブではわりとおなじみ)となったメンバー4人が現れ、悪態をついたりゴムヘビに噛みついたりしながら「ケツ」をプレイする。
ダブル・アンコールでATSUSHI、「もっとたくさんの人にこんな楽しいことを知ってもらえるように、もっと上に行くために、11月から吉本興業とタッグを組みます」と、驚きの発表。曰く、「やっと芸能界も俺たちに気づいたな(笑)」。
ニューロティカ・アツシ
36曲目「太陽族」を、柵前に下りたりしつつ歌い終えたところで、KATARUが「あっちゃんおめでとー!」と叫んでセットリストにない「Fuckin’ Birthday」を演奏し始める。驚くATSUSHI。と、下手ソデからパンダがバースデーケーキの載ったワゴンを押して登場、場内拍手に包まれるが、パンダ、そのまま素通りで上手ソデに消える。拍手が爆笑に変わった。
そして38曲目、本当のラスト曲、「チョイスで会おうぜ」。「♪パオパオ~」のシンガロングがZeppに響き、記念すべき2000回目のライブは終了した。ATSUSHIは最後に、「2000回、ニューロティカにとってはただの通過点だー!」と叫んだ。
ニューロティカ
ライブの最初から最後まで、集まってくれたファン、協力してくれた仲間のミュージシャンたちや友人たちに対するお礼の言葉を何度も口にしていたATSUSHIだが、ここまででも触れたように、卒業していったメンバーたちにも、何度も感謝の気持ちを伝えていた。
というところにも、彼が長きにわたって多くの人に愛され続ける理由が滲んでいるように感じた。
この10月20日Zepp Tokyoのステージに懸けるため、ニューロティカの以降のライブ予定は一切発表されていない。しかし、春には新しいアルバムをリリースすることも、アンコールでアナウンスされた。

取材・文=兵庫慎司 撮影=中島たくみ / のうだちなみ

なお、ニューロティカは、この日のライブを振り返るトークイベント『BARニューロティカ~2000回ありがトークショー~』を、11月16日(金)に東京・代々木Zher the ZOOにて開催する。当日の余韻にひたりたい方は勿論、当日来れなかった方や、ダメ出ししたい方も歓迎とのことなので、ぜひ足を運んでみては。

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