ミドラ 2019年春夏コレクション - “
忘れな草”香る日常/非日常のドレス

ミドラ(MIDDLA)の2019年春夏コレクションが、2018年10月17日(水)、東京・渋谷ヒカリエにて発表された。
今シーズンのテーマは「STILL IN BLOOM」。小さく可憐な「忘れな草」の花をコレクションのシンボルとし、非日常的なドレススタイルと日常的なストリートスタイル、2部構成のショーを展開した。
サックスソロ、そしてカルテットのクラシック演奏で幕を開けたショー。まず登場したのは、真っ白なドレスに身を包んだモデルたちだ。細やかな花々の装飾が身頃を埋め、ギャザーやフリル、プリーツを重ねたドレスは歩を進める度にゆるやかに揺れ動く。透明感のあるチュールや、光沢のあるサテン生地などが、ピュアで幻想的なムードを演出する。
ドレスは白の他、シックなブラックやネイビー、ブルーも登場。いずれも上品さや純粋さを思わせる仕上がりとなっており、ほのかに“忘れな草”の香りも漂わせている。ギャザーを寄せ、幾重にも生地を重ねたマーメイドドレスは、ブルーのグラデーションを描き、清く華やかな存在感を見せる。
カルテットの演奏が終わると、暗転とともに始まったのはエッジの効いたロックの生演奏。非日常から切り替わり、日常的な世界観が繰り広げられた。デザイナー・安藤大春は、シーズンテーマを決める際に尾崎豊の楽曲「Forget-me-not」や、ニルヴァーナの「In Bloom」からインスパイアされたという。
ロックが象徴するように、後半はナイトカモに小さな花をあしらったプリントテキスタイルや、マニッシュなセットアップなど、フェミニンな表現と、無骨な要素やアクティブさをミックスしたピースが散見された。例えば、エレガントなロングワンピースの足元にリーボック(Reebok)のスニーカーをセレクトしたり、トレンチコートドレスのベルトをリボンカットしたり。ワークジャケット風のカーキのショートジャケットには、ペプラムをあしらうことで柔らかさと活発な印象を両立させた。
服の造形は、ギャザーやフリル、分量感のあるパターンメイキングによる、ゆったりとしたシルエットが目立った。斜めに大胆な切り替えを配したスカートや、透け感のある生地で仕立てたプリーツの巻きスカート、生地をたっぷりととったワイドパンツなど、空気を含むようなフォルムが、穏やかな空気感を放っていた。

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