9月8日@渋谷CLUB QUATTRO

9月8日@渋谷CLUB QUATTRO

fox capture plan、
レコ発ツアーを前に
渋谷CLUB QUATTROにて
キックオフ公演を開催

現代版ジャズロック・ピアノトリオfox capture planが、9月5日に、約1年ぶりに7枚目のアルバム『CAPTURISM』をリリースした。今作は、長澤まさみ主演の月9ドラマ『コンフィデンスマンJP』のメイン・テーマ曲のセルフ・カヴァー等も収録された、原点回帰ともいえる力作である。

彼らは、10月からの最新アルバムを引っ提げたツアーを前に、最新曲と旧曲を織り交ぜた『CAPTURISM TOUR –KICK OFF LIVE』を9月7日に京都・磔磔、翌日8日に東京・渋谷CLUB QUATTROにて行った。

2018年9月8日。渋谷CLUB QUATTROでのライヴは、開演時間ちょうどに、オーディエンスの大きな歓声に包まれる中で始まった。ステージから客席に向かって照らされていた青い2つのライトが岸本・カワイ・井上の3人を逆光で浮かび上がらせ、高揚感を煽っていく———。

撮影:Kayo Sekiguchi/取材:武市尚子
現代版ジャズロック・ピアノトリオfox capture planが、9月5日に、約1年ぶりに7枚目のアルバム『CAPTURISM』をリリースした。今作は、長澤まさみ主演の月9ドラマ『コンフィデンスマンJP』のメイン・テーマ曲のセルフ・カヴァー等も収録された、原点回帰ともいえる力作である。

彼らは、10月からの最新アルバムを引っ提げたツアーを前に、最新曲と旧曲を織り交ぜた『CAPTURISM TOUR –KICK OFF LIVE』を9月7日に京都・磔磔、翌日8日に東京・渋谷CLUB QUATTROにて行った。2018年9月8日。渋谷CLUB QUATTROでのライヴは、開演時間ちょうどに、オーディエンスの大きな歓声に包まれる中で始まった。ステージから客席に向かって照らされていた青い2つのライトが岸本・カワイ・井上の3人を逆光で浮かび上がらせ、高揚感を煽っていく———。と、次の瞬間、1曲目に置かれていた「Greatest Blue」が放たれた。モダン・ジャズ的なアプローチが印象的な心地良いサウンド感にオーディエンスは体を揺らした。彼らがこの楽曲に込めた、モダン・ジャズへのリスペクトとオマージュを讃える歓声が客席から沸き上がると、岸本が立ち上がってピアノを弾き、そのままラストの音へと繋ぐと、オーディエンスはさらに歓声のボリュームを上げた。

fox capture planによって畳み掛けられていくサウンドは、息をするのも忘れてしまうほどに惹き付けられる魔力を持つ。陶酔にもまがうこの感覚は、岸本の奏でる転がり続けるピアノ音と、fox capture planの個性ともいえる高速変拍子や多くのリズムパターンを巧みに操る井上のドラミングと、その間を縫う様に動き回るカワイのベースフレーズという3つの音が絶妙なバランスとコントラストで絡み合うことで生まれる確かな手応えである。

「Greatest Blue」から続けて届けられたのは「We Are Confidence Man」と「Kick Up」というニューアルバムからの2曲。ベースのディープなフレーズとリズムが艶っぽく絡む上でピアノが後半に向けて徐々に熱を上げていく。ステージから放たれるストイックなサウンドは、オーディエンスをますます高揚させた。ニューアルバムからの選曲とは思えないほど、既に浸透している空気感はとても素晴しく、そこに、改めて彼らが生み出す音楽の説得力を感じさせられた。

4曲目の「RISING」からは、過去曲がランダムな流れで届けられていったのだが、聴き込んだ楽曲たちが次々と投下されていくその流れにオーディエンスは、自然発生的に息の合ったクラップを返して盛り上げた。「Liberation」では、曲中に何度も井上が立ち上がってドラムを叩く姿が見られたほどの高い熱量でオーディエンスを魅了し、境目を設けることなく拍車のかかったサウンドが「Butterfly Effect」へと移り変わると、客席からは轟音のような声援が沸いた。「Butterfly Effect」では、両手をネックの上でピアノを弾く様に動かす両手タッピングを魅せるカワイのベースプレイにオーディエンスは大きな歓声を上げ、曲中に置かれた一瞬の静寂に佇んだ後、水滴が転がり落ちるかのような美しい音の粒を描いた岸本の奏でるピアノによって再び大きく体を揺らして彼らの音に応えていたのだった。その圧巻のリレーションに、“fox capture planというプライド”を感じ取った。

4曲目から11曲目までノンストップで8曲を届けた彼らは、その後のMCで、“9曲目の「Butterfly Effect」あたりで、俺たち寿命と引き換えに音楽やってんなって思った………”と本音をこぼし、オーディエンスを笑わせていた。“刺激が欲しいからやっている”と語った3人に、客席からは大きな拍手と歓声が贈られていたのも、とても印象的だった。そして彼らは、「Overdrive」「Because of You」とアルバムからの楽曲をラストゾーンに置いて届け、岸本のピアノソロから、リード曲である「Capturism」へと繋げた。

前回のツアーでも既に披露されていた「Overdrive」のイントロでは客席が沸き上がり、Ne-Yoのカヴァー曲である「Because of You」は、アルバムで聴く以上にfox capture planならではの個性が色濃く出た、唯一無二のオリジナリティを感じさせられるそのサウンドに、オーディエンスは体を委ねた。この日の見せ場でもあったと言っても過言では無いと感じたのは、「Capturism」。fox capture planが個性とする高速変拍子の「Capturism」での景色は圧巻だった。

fox capture planはこの先、10月5日札幌 cube gardenから、レコ発ツアー『CAPTURISM TOUR』と題した全国ツアーをスタートさせる。名古屋・仙台・山形・岡山・福岡・大阪とまわり、11月4日に東京都 EX THEATER ROPPONGIでファイナルを迎えることになるこのツアーは、アルバム『CAPTURISM』をほぼ全曲網羅する、“今のfox capture plan”がダイレクトに伝わるライヴになるというから、これは期待するしかないだろう。

撮影:Kayo Sekiguchi/取材:武市尚子

『CAPTURISM TOUR』
10月05日(金) 北海道・札幌 cube garden
10月07日(日) 愛知・名古屋 LION THEATER
10月12日(金) 宮城・仙台 CLUB JUNK BOX
10月13日(土) 山形・Sandinista
10月19日(金) 岡山・CRAZY MAMA 2nd Room
10月27日(土) 福岡・Early Believers
10月28日(日) 大阪・梅田 Shangri-La
11月04日(日) 東京・EX THEATER ROPPONGI
■fox capture plan ライブ情報ページ
https://www.foxcaptureplan.com/live
9月8日@渋谷CLUB QUATTRO

『CAPTURISM TOUR』

10月05日(金) 北海道・札幌 cube garden
10月07日(日) 愛知・名古屋 LION THEATER
10月12日(金) 宮城・仙台 CLUB JUNK BOX
10月13日(土) 山形・Sandinista
10月19日(金) 岡山・CRAZY MAMA 2nd Room
10月27日(土) 福岡・Early Believers
10月28日(日) 大阪・梅田 Shangri-La
11月04日(日) 東京・EX THEATER ROPPONGI
■fox capture plan ライブ情報ページ
https://www.foxcaptureplan.com/live

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着