背中から冷や汗…「子どもの失言」ス
マートな対処法と予防策

子どもは素直で可愛いものですが時に残酷です。相手にとって酷な言葉を言ってしまうことがあります。そんな時の対応と予防策についてお話しします。

「このお家、この間テレビでやっていたゴミ屋敷みたいだね~」
「○○ちゃんのママが作ったご飯美味しくない!」
「おばちゃんの顔はどうしてシワシワなの?」
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など、子どもが思ったことを素直に口に出してしまい、場の雰囲気が凍り付き、焦った経験はありませんか。
『「テキトー母さん」流子育てのコツ』の著者の立石美津子が、“子どもの失言に対して親の賢い対応”についてお話しします。
小学生くらいになると、場の空気を読んだり、相手によって“言っていいこと悪いこと”をわきまえて、上手に言葉を選ぶことができるようになりますが、まだ幼いうちはそれが難しいことがあります。
でも、子どもの失言によりその後、ママ友との関係がギクシャクしてしまうと困りますよね。こんなとき、どう対応したらよいのでしょうか?
“零れたミルクは元に戻らない=覆水盆に返らず“我が子が“的を射た鋭い指摘”をしてしまったとき、「そんな失礼なこと言っちゃダメ!」と強く叱り、大泣きしたら?
相手から「本当のことなんだから、そんなのいいのよ」なんて言われてしまい、却ってどう反応したらよいのかわからなくなり、身の置き所がなくなってしまいます。
子どもの失言あれこれ子どもは自分の心に素直で無邪気、そして凄く正直ですよね。微笑ましい面もありますが、こんなことを口走ってしまったら?
例えば
ママ友の家にお呼ばれして夕食を出されたとき「このご飯、美味しくない、まずい!」「ママ~。このお家、この間テレビに出てきたゴミ屋敷みたいだね」「ママ、このお家、凄く狭いね」「おばさんの顔にはどうしてシミがいっぱいついているの」太っている人を指さして「この人、太っているね」剥げている人を指さして「どうして、あのおじさんは髪の毛がないの?」普段、「嘘をついてはいけないよ」「素直な子でいなさい」「正直でいなさい」としつけていると、こんな言葉を子どもが口にしたとき「本当のことは言ってはいけません」と叱ってしまうのは、何だか矛盾しているように感じます。
子どもが失言をしたときの賢い対応相手の親御さんに対しては
4歳未満の子どもはまだ社会性が育っていませんので、いくら教えても難しい面があります。
ただ、実際相手には不愉快な思いをさせています。親が黙っていると「子どもも子どもだが、親も親だ!」と思われ、それを放っておく親の態度について相手は気分を害してしまいます。
ただ、ここでわが子に対して「なんて失礼なことを言うの。『ごめんなさい』って言いなさい!」と激怒したり、長々説教を始めたりたら、相手は余計、どんな態度をとったらいいのか困惑してしまいます。
こんなときは軽く「ごめんなさいね。うちの子が失礼なこと言ってしまって」と一言、サラリと謝りましょう。相手も大人ですから3歳児相手に目くじら立てることはないと思いますよ。
失言をしないよう、子どもには何て言えばいい?
子どもに対しては
良好な人間関係を築くため、「子どもなんだから仕方がない」と放っておくわけにはいきません。そして、失言が子どもの口から出たとき、相手がいる前ではなかなか叱れません。
ですから、出かける前に次のように話をしておきましょう。
「相手のお家にお邪魔したとき『狭いね・汚いね』と思っても、声に出してはいけないよ。心の中で呟いていようね」「ご馳走になったとき『まずいね』とか『美味しくないね』と言ってはダメだよ」4歳までは相手の立場が分からない年齢です。「相手が嫌な気持ちになることを言ってはダメだよ」では通じませんので、具体的に“どんなことを言ってはNGなのか”を伝えましょう。
筆者の知人の子の話ですが、親が子どもに何度も注意していたら、「ママ、太っている人の前で『太ってる!』って言っちゃあいけないんだよね」とその人のいる前で言ってしまいました。
「本人がいるところでは、ママに注意されたことを口にしてはいけない」まで言わないと分からない子どもだったのですね。
親の影響を受けるケース子どもを褒めたり、しつけたりするとき、友達を引き合いに出して次のように言っていると…
×「○○君はお行儀が悪いね。真似をしてはだめよ」×「○○君はしっかりお勉強をしていなかったから不合格になったのね。その点、あなたは日頃から頑張っていたから合格出来て良かったわね」×「○○ちゃんはお友達に意地悪ばかりしているみたいね。真似をしてはだめよ」子どもは「『○○君の真似をしてはダメ』とママが言ってた!」とその言葉をそのまま口に出してしまうかもしれません。
更に我が子を誉めるにしても、誰かと比較して誉める言葉をかけていると、“人と比べて自分はどうか”だけで良し悪しを評価し、また、自分より出来ない人を見下す鼻持ちならない大人に育ってしまう危険もあります。
「思いやりの心を持ちなさい」「優しい子に育ってほしい」と言いながら、親のしつけ方は真逆のことをしているのですね。他の子と比べてどうこう言うのは止めた方が賢明ですね。
小学生になっても、自分の思ったことを口にしてしまうのは4歳くらいになってくると“心の理論”と言って、相手の気持ちに立てるようになります。成長と共に、いちいち教えなくても言っていい相手、悪い相手、言っていい場所、悪い場所などがわかるようになってきます。
ところが、小学生になっているにも関わらず、相手が気分を悪くすることがわからず、思ったことをそのまま言ってしまう場合は、もしかしたらコミュニケーション障害、社会性の障害がある発達障害の代表である“自閉症スペクトラム”かもしれません。
空気を読むことができないので失言も多くなりがちです。相手の気持ちを理解する“心の理論”の獲得が遅れているのです。
でも、これは本人が性格が悪いとか努力不足なのではなく、生まれつきの脳の機能障害なので親がしつけてもなかなかうまくはいかないこともあります。
この場合は療育機関に通いSST(ソシャルスキルトレーニング)などを受けることにより学習していくことができます。
子どもは素直で可愛いものですが時に残酷です。相手にとって酷な言葉を言ってしまうことがあります。年齢に応じて、人との付き合い方を少しずつ教えていくようにしましょうね。

ウレぴあ総研

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