YouTubeより © T-ARTS / syn Sophia / キングオブプリズム製作委員会

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【キンプリ】なぜここまで人気?女性
たちのハートをがっちり掴んだ「応援
上映会」初体験レポート

オタク女子の界隈で衝撃的なまでに話題作となり、劇場に何度も通うほどの中毒者をも排出している劇場版アニメ『KING OF PRISM』通称“キンプリ”。今回は、腐女子かつオタクである筆者が実際に“キンプリ”応援上映会を体験して、その人気の理由を探った。

ある時期を境に、Twitterで私がフォローしている人たちや、TLにリツイートされてくるツイートに“キンプリ”という文字をよく見かけるようになった。なんとなくアニメ作品の略称だとはわかっていても、聞いたことのない作品名だった私は「ふーん流行ってるのか」くらいに思っていた。
「プリズムスタァ応援上映」レポート&デモ映像を見る
しかし、何か周囲の様子がおかしいことに3日ほどして気付く。どんどん『キンプリ』について言及する相対数が増えるどころか、なんだかみんな異様なまでに沼り始めている……。「アレクww」「はちみつキッス!!!!!」などと謎の呪文を唱え、応援上映なるものにキングブレードを持って駆けつける女子たちが大量発生しているのだ。
事ここに至って、いったいどういう作品なのか気になってきた私は、TLに流れてきたあるレポ漫画を読んだ。
一切言っている意味がわからなかった。正直、他の感想ツイートも全く意味がわからない呪文のような内容だったが、とにかく女子たちが“プリムズスタァ”たちの魅力を前にしてバタバタ倒れていっているのは理解できる。これは、もはや自分の目で確かめてくるしかない。
好奇心が基準値を超えた私は、さっそく『キンプリ』の応援上映なるものに紛れてみることにした。ちなみに言うと、プリティーリズムも前作も未見の超初心者である。
私が参戦したのは、全国各地で行われている“プリズムスタァ応援上映”なるもの。ちなみに、応援上映とは、劇中に登場する男の子たちにキャーキャー言ったり、声を上げて応援したり、ペンライトを振ったり出来る上映会のことで、要するに映画館でライブ会場のように作品が楽しめるものだ。
まず、別作品の予告が流れているときからすでに「がんばれー!」などのかけ声が上がったり、提供会社の社名がスクリーンに現れるたび「タカラトミー♡」などと歌舞伎のように呼ばわっている人が複数人いるのにはおったまげた……。
私が着席したときには、すでにみんなキンブレをスタンバイ済みだった。ちなみに余談ではあるが、キンブレは手元のスイッチでいくつかのカラーを切り替えられるようになっており、アイドルの応援現場などではかなり活躍するペンライトの一種だと思っている。もちろん、劇中のプリズムスタァたちにも固有の応援カラーがあるので、会場でチェックしてみるのも楽しい。
いざ未体験の世界へ!
私のような初心者のために、私が理解した限りでざっくりと『キンプリ』の劇中世界を説明させていただくと、作中では観る人に幸せを届ける“プリズムショウ”を行うショーアクター・通称“プリズムスタァ”を目指す男子たちが登場人物だ。
主人公の一条シンは人気グループ“Over the Rainbow”(通称オバレ)のプリズムショーを観て虜になり、プリズムスタァを育成する学校“エーデルローズ”に入学した。
エーデルローズには対立する“シュワルツローズ”という育成学校があり、ライバル校に生徒を獲られて現在生徒数10名という状況だが、エーデルローズはオバレを中心にがんばっている……。ざっくりこんなところか。
しかし、この劇場版、とにかく劇中シチュエーションの説明が少ない(笑)。情報は全てストーリー進行から読み取りやがれとばかりにガンガン話を進めていく。内容についてはネタバレするわけにはいかないので言及できないが、観終わった後すぐに頭に浮かんだのは「次回作も絶対に観なきゃなぁ……」だった。「絶対に」。
次々に登場する、さまざまな属性満載のエーデルローズの生徒たち……オバレの3人はもちろんのこと、かわいい系男子の西園寺レオくんや、ツンデレきわまる涼野ユウくん、歌舞伎の女形スターである太刀花ユキノジョウくん……いずれの属性萌えでもお気に入りを見つけられるよう、いくつもの萌えポイントを全力で突きに来る。
応援上映では、週替わりで各メンバーのメッセージが見られたりもする。ここで気になる子をチェックして、推しメン探しするものアリだ。
ちなみに私は、今作の主人公として登場する一条シンくんを激推ししたい。一条シンはとにかく共感力が高く、作中でキャラクターたちが行う“プリズムショウ”の素晴らしさを身を以て教えてくれる。
ときに全裸になり、ときに薔薇の花を飛ばされ、ハートの雨を浴び、赤い糸に縛られ……何を言っているかわからないと思うが、もうしばしお付き合いいただきたい。一条シンのすごいところは、鑑賞しているこちらの理解を超越して「すごい……これがプリズムショウかっ!」とキラキラした瞳で全てを飲み込んでしまうところ。
劇場の観客たちは、ときにゲラゲラ笑い声を上げ、ときに「がんばれー!!」「大丈夫だよー!!」など、力の限り応援を送り、そうこうしているうちにいつの間にか一条シンとともにプリズムスタァたちのファンになっている。極めて共感力の高い主人公につられて作中にのめり込む仕組みなのだと思う。
当日は川崎チネチッタまで自転車で向かったのだが、帰りに自転車で通った多摩サイクリングロードが輝いて見えたのは、プリズムの輝く美しさを知ったからだと思った(※狂ってないです)。
そして筆者は「アレクぅ」を解かる
個人的には、劇中で一番すごかった必殺技は神浜コウジくんの“はちみつキッス”である。まさかあんなところからハニーが湧き出るとは思わなかった……。ぜひ劇場で確認してもらいたい。
あとは、劇中のダンスシーンも見所のひとつ。おそらくモーションキャプチャとCGを使って作られたであろう激しいダンスシーンでは、“ストリートのカリスマ”と言われる仁科カヅキとチャレンジャーである大和アレクサンダーのダンスバトルが一番の見所だと言って良い。
このシーンを鑑賞して、はじめてTLで多数見かけた「アレクぅwwww」という呪文の意味がよくわかった。アレクはすごい。劇場で確認して欲しいことその2である。
見終わった後、未だによく整理できない頭で導き出した結論は、「キンプリはプロレスのみたいなものである」だった。いろんなキャラクターの男の子たちが、プリズムショウというリングの上で、相手の全力を受けきって自らも全力を出す。それが彼らの、プリズムスタァの美学。正々堂々のプリズム勝負。
それを応援する私たちは、彼らのアツさに感動し、全力で応援し、ときに涙して、会場全体で熱さを共有するのだ。それがキンプリの楽しみ方であると、私は思う。
また、この作品が単発の劇場アニメであることも特筆しておきたい。もともとは『プリティーリズム』という女児向けアーケードゲームのアニメ作品からスピンオフしたこの劇場版アニメが、単発でありながらここまで支持を集める理由……。それを知りたければ、ぜひ劇場に直接足を運んで確かめてみられることをオススメする。
きっとあなたも、プリズムショウの虜になる。

ウレぴあ総研

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