【城 南海 ライヴレポート】
『ウタアシビ2018夏』
2018年7月8日
at 恵比寿ザ・ガーデンホール
6月20日に最新シングル「西郷どん紀行~奄美大島・沖永良部島編~」をリリースしたシンガー・城 南海による夏のコンサート『ウタアシビ2018夏』。今回のツアーではサポートメンバーが全員新しくなり、曲のアレンジが細かなところで変化していて、これまでの曲の新たな一面を引き出していた。城がライヴでたびたび演奏してきた奄美大島のシマ唄「イトゥ」や「ワイド節」のバンドバージョンも、ドラムの勢いが加わり、迫力満点。そして、最新シングル「西郷どん」にまつわるパートでは、豪華なコラボレーションを展開した。
まず城の三味線の弾き語りによる「愛、奏でて」。西郷隆盛の島妻であり、西郷と離れて暮らさなくてはならなかった愛加那の、愛しい人に対する切ない想いを歌い上げる。続いてスペシャルゲストとして、大河ドラマ『西郷どん』で音楽を担当している富貴晴美が登場。富貴のピアノ伴奏による「西郷どん紀行~奄美大島・沖永良部島編~」を聴かせた。城の歌声は深い母性にあふれている。しかし、低音部分は思わず人がひれ伏してしまうような威厳を持っていて、西郷隆盛の父性も合わせて表現していると感じた。このシングル曲によって城の声色の幅はさらに広がり、彼女が表現できるキャラクターもより多彩になったと思う。
暗転するステージ。富貴が再びピアノを弾き始めると、城とはまた違った女性の透き通った歌声が流れる。最初は同期が流れているのかと思っていると、なんとステージ右から「西郷どん紀行~薩摩編~」の歌を担当しているサラ・オレインが現れた。劇中歌「我が故郷」を富貴のピアノ、そして城とサラのハーモニーという贅沢なパフォーマンスで披露。ふたりの声は天上から降ってくるようで、オーディエンスの心を震わせる。
途中のMCで、城は自ら詞を書いた「愛加那」の歌詞で《愛しゃん 愛しゃん 愛しゃん人よ》と3回繰り返すところは富貴のアドバイスであったことを話す。すると富貴は城のライヴで観客と城が一緒に歌っている様子を見て、“歌詞を3回繰り返して、そこだけでも(ライヴで)みんなで歌ってもらえたらと考えたんです”という裏話も語ってくれた。
クライマックスはドラマのオープニングを飾る「西郷どん―メインテーマ―」。激動の西郷の人生を音で描き切った作品だが、通常のオーケストラバージョンではなく、作曲者の富貴がピアノの独奏で披露して、人生の喜怒哀楽を表したこの曲に込めた彼女の意思が深く伝わってきた。そして、最後のヴォカリーズで響き合う城とサラの歌声。城は感慨深く“夢のような時間だったね”と語っていたが、この場に居合わせたオーディエンスは誰もがその美しい音の共演に幸福な気持ちになったことだろう。そして、このあとに城のデビュー曲であり、奄美大島の大島紬をモチーフにした「アイツムギ」が演奏されたことで、城がこれまで積み上げてきたものが、「西郷どん」につながったのだということを証明してくれたような気がした。
ライヴの最後には今後の予定として、年末の12月23日に昭和女子大学 人見記念講堂でコンサートを開催することを告知。来年はデビュー10周年を迎える彼女の未来には、どんな景色が待っているのだろうか。この充実したステージを見ると、ますます期待したくなった。
まず城の三味線の弾き語りによる「愛、奏でて」。西郷隆盛の島妻であり、西郷と離れて暮らさなくてはならなかった愛加那の、愛しい人に対する切ない想いを歌い上げる。続いてスペシャルゲストとして、大河ドラマ『西郷どん』で音楽を担当している富貴晴美が登場。富貴のピアノ伴奏による「西郷どん紀行~奄美大島・沖永良部島編~」を聴かせた。城の歌声は深い母性にあふれている。しかし、低音部分は思わず人がひれ伏してしまうような威厳を持っていて、西郷隆盛の父性も合わせて表現していると感じた。このシングル曲によって城の声色の幅はさらに広がり、彼女が表現できるキャラクターもより多彩になったと思う。
暗転するステージ。富貴が再びピアノを弾き始めると、城とはまた違った女性の透き通った歌声が流れる。最初は同期が流れているのかと思っていると、なんとステージ右から「西郷どん紀行~薩摩編~」の歌を担当しているサラ・オレインが現れた。劇中歌「我が故郷」を富貴のピアノ、そして城とサラのハーモニーという贅沢なパフォーマンスで披露。ふたりの声は天上から降ってくるようで、オーディエンスの心を震わせる。
途中のMCで、城は自ら詞を書いた「愛加那」の歌詞で《愛しゃん 愛しゃん 愛しゃん人よ》と3回繰り返すところは富貴のアドバイスであったことを話す。すると富貴は城のライヴで観客と城が一緒に歌っている様子を見て、“歌詞を3回繰り返して、そこだけでも(ライヴで)みんなで歌ってもらえたらと考えたんです”という裏話も語ってくれた。
クライマックスはドラマのオープニングを飾る「西郷どん―メインテーマ―」。激動の西郷の人生を音で描き切った作品だが、通常のオーケストラバージョンではなく、作曲者の富貴がピアノの独奏で披露して、人生の喜怒哀楽を表したこの曲に込めた彼女の意思が深く伝わってきた。そして、最後のヴォカリーズで響き合う城とサラの歌声。城は感慨深く“夢のような時間だったね”と語っていたが、この場に居合わせたオーディエンスは誰もがその美しい音の共演に幸福な気持ちになったことだろう。そして、このあとに城のデビュー曲であり、奄美大島の大島紬をモチーフにした「アイツムギ」が演奏されたことで、城がこれまで積み上げてきたものが、「西郷どん」につながったのだということを証明してくれたような気がした。
ライヴの最後には今後の予定として、年末の12月23日に昭和女子大学 人見記念講堂でコンサートを開催することを告知。来年はデビュー10周年を迎える彼女の未来には、どんな景色が待っているのだろうか。この充実したステージを見ると、ますます期待したくなった。
撮影:石田寛/取材:桂泉晴名
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