【水谷果穂 インタビュー】
ゴールはまだ遠い。
夢のステージへ登り始めたばかり!
女優としてTBS系日曜劇場『ブラックペアン』などに出演する他、お天気キャスターなども務める水谷果穂がリリースする約1年振りのシングル「君のステージへ」。アニメ『若おかみは小学生!』の主題歌であり、さわやかでフレッシュな歌声を聴かせる同曲に注目が集まっている。
「君のステージへ」が主題歌となっているアニメ『若おかみは小学生!』ですが、もともと児童文学シリーズとして2003年に発行された有名な作品だそうですね。
私も小学校3~4年生の頃に読んでいました。とても読みやすくてどんどんお話に引き込まれていくような作品で、普段はあまり読書をしない同級生でも読んでいた印象があったし、すごく好きな作品でした。その作品がアニメ化され、しかも私が主題歌を歌わせていただくと知った時はとても嬉しかったです。読んでいてやさしい気持ちになる作品だけど、わくわくする部分もあるお話なので、どんな主題歌になるか、私自身も曲ができるのをすごく楽しみにしていました。
小学生ぐらいが観ていることが多いように思う作品ですが。
でも、私の友達もたくさん観ていますよ。私が主題歌を歌っていると知らずに観たらしいんですけど、“果穂ちゃんが主題歌を歌っていてびっくりした!”と連絡をくれた友達もいました。20歳前後でも、そうやって懐かしく観ている方も多いようです。
そんな「君のステージへ」ですが、歌われてみてどうでしたか?
アップテンポの曲なので歯切れ良く、主題歌なのでサビはさわやかさと聴きやすさを意識しました。それに、自分の気持ちとリンクした歌詞だったし、曲調もすごく好きな雰囲気の曲だったので、とても歌いやすかったです。
具体的にはどういうところに共感を?
最初のところで《悔しくてひとりで 泣いた日もあったね》と自分の経験を振り返るようなフレーズがあって、そこは自分もそうだったなと思ったし、サビの《曲がり道も坂道も ゴールへ続く道》というフレーズは、自分自身がいつもそう思って活動しているところがあるので。
“曲がり道”“坂道”と感じるのはどういう時ですか?
お芝居で難しい役をいただいた時もそうですし、最近では日本テレビ『Going Sports & News』でお天気キャスターをやらせていただいたりとか、今までやったことのなかった新しい幅のお仕事にチャレンジさせていただいて、思うようにいかないと感じるたびに、“曲がり道”“坂道”だなって。
前シングルの「青い涙」の歌声よりも強さや真っ直ぐさが感じられました。
前回は自分のことを振り返って歌ったのですが、この曲では自分が応援したいと思う人に向けて、気持ちが伝わるように声を前に出すことも意識していたので、それが力強さにつながったんじゃないかと思います。
この曲でどんな人を応援したいですか?
身近なところでは高校時代の同級生で専門学校や短大に通っていた子が、この春から社会人になっていて。学生から社会人になるのはまったく新しい環境に身を置くことになるから大変だと思うので、そういう友達を応援したいです。この曲を聴いて、何か失敗したことがあっても、たくさんの方が前向きな気持ちになってもらえたら嬉しいですね。
何かのインタビューで“前向きになりたい時は音楽を聴いて気持ちを切り替える”と答えているのを読みましたが、どんな音楽を聴くのですか?
特に決まっている曲があるわけではないのですが、自分が歌っている曲のような、ふわっとゆったりとした曲調が好きですし、よく聴くのはZARDさんとか松たか子さんで、やさしくてヌケ感があるきれいな歌声の方が好きです。また、私は歌詞を読みながら聴くので、言葉のひとつひとつが印象的な歌が好きなのかもしれません。
「君のステージへ」を聴くと、声の透明感や言葉の置き方など、ZARDさんや松さんとも通じるものを感じますよ。
そういうアーティストになりたいと思うし、自分でも意識しないうちに影響を受けているのかもしれません。
MVも撮影したとのことですが、その観どころは?
お兄さん役で横山だいすけさんが出演してくださっていて、私がミュージカルのオーディションを受けるという設定のドラマ仕立てになっているんです。友達と談笑しているシーンでは、リアルな友達が出演してくれています。サビには振り付けがあって、最後に友達や出演者のみんなで踊ったんですよ。
ダンスは得意なんですか?
私の年代がちょうど体育の授業でダンスが導入された時で、AKB48さんの「ヘビーローテーション」や少女時代さんの「Gee」とかを練習したのですが…友達からは“ちょっと動きが変だ”とからかわれていました(笑)。
そう聞くと、MVを観るのが楽しみになりますね(笑)。
いや、MVの振り付けは手を動かすのが主で、私でもすぐに覚えられたくらい簡単なので大丈夫だと思います(笑)。例えば《君のステージへ》と歌うところでは手で四角くステージのかたちを作るところがあったりとか、すぐに覚えられると思うのでたくさん踊っていただけたら嬉しいです。
でも、リリースイベントでは踊るんですよね?
そこまでは想定していませんでした(笑)。でも、前回の「青い涙」のリリースイベントの時はカップリング曲の「恋のレシピ」を歌う時に、振り付けというほどではなかったのですが、ファンのみなさんに手を左右に振ってもらいました。みんなで一緒にやる部分がちょっとでもあると一体感が生まれるし、ファンの方はきっと期待してくださっていると思うので…少し考えようかと思います!。
では、最後に水谷さんが想い描くステージは?
今年、大阪城ホールで開催されたイベントで歌わせていただいて、とても気持ち良かったんです。やはり大きなステージで、自分だけのライヴができたらいいですね。曲がり道や坂道の話じゃないけど、今はそのステージに向けて、まだ登っている途中だと思っています。まだまだ登り始めたばかりで、ゴールはだいぶ遠そうですけど(笑)。
取材:榑林史章