【清春 ライヴレポート】
『KIYOHARU TOUR 天使の詩2018
「LYRIC IN SCARLET」』
2018年5月3日
at EX THEATER ROPPONGI
アンコールを含めて3時間に及んだ本公演。聞けば、これはファイナルに限った話ではなく、今回のツアーは各地でこの規模だったというから、現在の清春は相当に充実しているのだろう。本人もMCで“すごく上手くいったツアーだった”と振り返っていたし、この日も乗りに乗っていた。アルバム『夜、カルメンの詩集』はスパニッシュを始め、R&R、スカ、ファンク、ロッカバラードとさまざまな音楽要素を絶妙なバランス感覚で取り込んだ作品であったが、それをライヴステージで再現できることの喜びがあったのだろう。
ほぼスタンディングの会場ではあったものの、ライヴでもギグでもコンサートでもない、どちらかと言えば“独唱会”に近い公演だったように思う。バンドスタイルであり、決してアップチューンがなかったわけではないのだが、オーディエンスが激しく身体を揺らすようなことはほとんどなく、場内は比較的落ち着いた雰囲気。アンコールの冒頭、拍手で迎えられた清春が“拍手になったのはいい”という趣旨のことを話していたが、確かにそれこそ15年前には盛んに飛んでいた記憶がある黄色い歓声もあまり聴こえてこなかった。アルバム『夜、カルメンの詩集』発売時に清春は“年齢相応のロックって何だろう?って考えるようになった”と言っていたのだが、それが生のステージでも実証されていたと言っていいのかもしれない。
本編の白眉はM5「シャレード」であったことは間違いなかろう。演奏は30分近く続いただろうか。ギターもリズムも淡々と繰り返されるループミュージック的な演奏をバックに延々と歌い続ける清春。いや、歌と言うよりも、声帯を駆使しながら、レンジ、ピッチを変えてそのスペックを誇示するような、まさに楽曲のタイトル通りの“言葉に頼らない表現”を見せつけたられて、観客は唖然とし立ちすくむしかなかった。そうしたパフォーマンスアートと呼んだほうがいいような本編に対して、アンコールでは「忘却の空」「少年」といったバンド時代の代表曲を披露。さらには「SANDY」「HAPPY」といったアップチューンで締め括るという、さながら2部構成のようなスタイルは、四半世紀のキャリアを誇るアーティストならではのことだったと言える。
ほぼスタンディングの会場ではあったものの、ライヴでもギグでもコンサートでもない、どちらかと言えば“独唱会”に近い公演だったように思う。バンドスタイルであり、決してアップチューンがなかったわけではないのだが、オーディエンスが激しく身体を揺らすようなことはほとんどなく、場内は比較的落ち着いた雰囲気。アンコールの冒頭、拍手で迎えられた清春が“拍手になったのはいい”という趣旨のことを話していたが、確かにそれこそ15年前には盛んに飛んでいた記憶がある黄色い歓声もあまり聴こえてこなかった。アルバム『夜、カルメンの詩集』発売時に清春は“年齢相応のロックって何だろう?って考えるようになった”と言っていたのだが、それが生のステージでも実証されていたと言っていいのかもしれない。
本編の白眉はM5「シャレード」であったことは間違いなかろう。演奏は30分近く続いただろうか。ギターもリズムも淡々と繰り返されるループミュージック的な演奏をバックに延々と歌い続ける清春。いや、歌と言うよりも、声帯を駆使しながら、レンジ、ピッチを変えてそのスペックを誇示するような、まさに楽曲のタイトル通りの“言葉に頼らない表現”を見せつけたられて、観客は唖然とし立ちすくむしかなかった。そうしたパフォーマンスアートと呼んだほうがいいような本編に対して、アンコールでは「忘却の空」「少年」といったバンド時代の代表曲を披露。さらには「SANDY」「HAPPY」といったアップチューンで締め括るという、さながら2部構成のようなスタイルは、四半世紀のキャリアを誇るアーティストならではのことだったと言える。
撮影:柏田芳敬/取材:帆苅智之
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