「臼井孝のヒット曲探検隊
~アーティスト別 ベストヒット」
ダンスの位置づけを向上させた
EXILEのヒットを探る
ファッションなどカルチャー全般にも
大きな影響を与えたEXILE
そんな彼らがデビューしたのは2001年。それまで、J Soul Brothersとして既にダンス&ボーカルというスタイルを確立しつつも、さほど注目されない状況だったが、SHUN(後に清木場俊介としてソロデビュー)とATSUSHIの2人を新ボーカルに迎え、EXILEとして「Your eyes only ~曖昧なぼくの輪郭~」でデビューを果たし、フジテレビ月9ドラマの挿入歌だったこともあり、いきなりオリコン最高4位、累計25万枚以上のヒットに。
余談だが、90年代から00年代前半のエイベックスは、このEXILEの他にも、浜崎あゆみ、hitomi、Every Little Thingなど、アーティストの再生が本当に上手い。00年代後半以降は、GIRL NEXT DOOR、高杉さと美、ICONIQと、やや力技が過ぎたが、それでもダンス&ボーカルの人気アーティストは現在でもその多くがエイベックス所属で、その先見の明に驚かされる。EXILEのデビューも、その先駆けだろう。
話をEXILEに戻すと、EXILEの次の転機は03年末にリリースした「Choo Choo TRAIN」だろう。リーダーのHIROが所属したZOOのミリオンヒットのカバーで、この年は4曲大型タイアップのシングル「Breezin' ~Together~」を含め、7枚のシングルを発売し、同年末の3rdアルバム『EXILE ENTERTAINMENT』は、110万枚を超える大ヒットとなった。
メンバーの脱退や加入を繰り返す中で
EXILからEXILE TRIBEへ
その後、新たにボーカルTAKAHIROとパフォーマーのAKIRAが加入し06年末に再始動、特にTAKAHIROの弟的キャラや坊主頭の優男というATSUSHIとの好対照が見た目にも歌唱面にも表れたためか、ヒットを連発。08年には3枚のベスト盤を発売し、合計400万セット近い売り上げとなり、とどめに日本レコード大賞を受賞した(この辺りまでが“第二章”)。
さらに、2009年3月からは前年に二代目J Soul Brothersとして再始動させた7人をまるごとEXILEに組み入れて14人組という大所帯に。この頃から自身の冠番組や、個々のメンバーの俳優業・司会業といったタレント化を展開し、エンターテインメント界全体に進出、そうした状況を見届けるかのように、13年末にHIROがパフォーマーを“勇退”(ここまでが“第三章”)。
2014年には、さらに5人のメンバーが加入。うち、1人が三代目J Soul Brothersから、うち2人がGENERATIONSからの加入で、元いたグループとの兼任。ちなみに、2009年に二代目J Soul BrothersからEXILEに加入したパフォーマーのNAOTOとNAOKIも翌年にEXILEを兼任しながら三代目J Soul Brothersを結成。多分、この辺のややこしさが、年輩の方にとってEXILE以外の派生グループが高セールスの割に認知度はイマイチ高くない理由かもしれない。
2018年にATSUSHIが帰国し
EXILEの活動が活発に!
しかし2018年、ATSUSHIが帰国し、活動を再開。同年2月に「PARTY ALL NIGHT~STAR OF WISH~」、3月に「Melody」、そして4月に「My Star」と6か月連続での配信シングルのリリースが決定し、既に発売されている3作はいずれも各配信チャートで週間TOP10入りを果たしており、今後の巻き返しが注目される。
特に2000年代後半以降、東日本大震災などのチャリティー関連や国際交流イベントには、欠かせない存在となったEXILE およびその全集団であるEXILE TRIBE(東京オリンピックでも更なる飛躍を狙っているのは確実だろう)。彼らが単なるお祭り集団ではなく、実際にヒット曲も連発してきたことをここであらためて振り返ってみたい。
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