2018年3月17日 at さいたまスーパーアリーナ

2018年3月17日 at さいたまスーパーアリーナ

【エレファントカシマシ
ライヴレポート】
『30th ANNIVERSARY TOUR
“THE FIGHTING MAN” FINAL』
2018年3月17日
at さいたまスーパーアリーナ

2018年3月17日 at さいたまスーパーアリーナ
2018年3月17日 at さいたまスーパーアリーナ
2018年3月17日 at さいたまスーパーアリーナ
2018年3月17日 at さいたまスーパーアリーナ
 エレファントカシマシのデビュー30周年を記念したさいたまスーパーアリーナ公演が、大盛況のうちに幕を閉じた。

 エレカシ30年分のオフショットやアーティスト写真、ジャケット写真、“Re; Start from here, today. with all of you, everybody.”のメッセージなどが次々にサイドビジョンへ投映される中、宮本浩次(Vo&Gu)、石森敏行(Gu)、高緑成治(Ba)、冨永義之(Dr)のメンバー4人が登場。さらに、サポートのヒラマミキオ(Gu)、村山☆潤(Key)、山本拓夫ホーンズ、金原千恵子ストリングスを加えた総勢18名で、瞬く間にプロローグ「3210」へ。そして、渾身の「RAINBOW」へと続き、いきなりハンドマイクで絶唱、花道へ駆け出す宮本。ビジョンとステージは七色以上の輝きに染まって、辺りは歓喜に揺れまくる。「奴隷天国」では、天井からカラフルなバルーンが投下! これがささくれ立った楽曲の世界観となぜか合っていて、ホーン&ストリングス隊の唸りも凄まじい。

 バンドにとって大切な「悲しみの果て」、“15歳の時に作った”という活動初期のナンバー「星の砂」は4人だけで披露。また、宮本から“ハラハラドキドキで毎日過ごしてます。というのも、6月6日にアルバムが出ることが決定してまして。みんなにいい歌届けたいぜ~! ドドドドーン!!!”なんていう突然の発表もあり、ファンは大いに喜んだ。

 「夢のかけら」「風に吹かれて」「昔の侍」などはストリングスを活かし、気品あふれるコンサートの様相すら呈していて、宮本の歌にじっくり酔えるとともに、エレカシの間口の広さを実感。客席からの“ありがとう!”の声に、こっちまで涙腺が緩む。“ツアー中に降ってきた”という「ベイベー明日は俺の夢」は、上がったばかりの手作り映像(車窓風景ベースのドキュメント)とともにセンチメンタルに届けた。

 桜花繚乱の空間が生まれた「桜の花、舞い上がる道を」、何度も生まれ変わってきたバンドの姿をしみじみと伝えた「今を歌え」、《行き先は自由》と大きく手を広げた宮本をメンバーが全力で後押しした「風と共に」、聴くたびに異なる感激がある「ガストロンジャ―」、宮本と石森が花道へ飛び出した「俺たちの明日」など、一部ですでにさすがの内容だけれど、エレカシのライヴはまだまだ続く。

 二部はホーンセクションが勇ましいハイテンションの「男餓鬼道空っ風」でスタートし、「この世は最高!」では音の隙間に滑り込む高緑のベースに会場が大いに沸く。男気満点の展開に乗せてギラつく「RESTART」へ続けば、ステージからは火柱が上がり、エレカシの燃える生き様に心が打ち震える。代表曲「今宵の月のように」→最新曲「Easy Go」への流れもたまらない。命燃やすような「RAINBOW」をも更新する、51歳には明らかにハードなアップナンバー「Easy Go」だが、含蓄のある“Easy”“レッツゴー”の叫びは“さらにドーンと行くぜ!”を体現していて、胸がいっぱいになった。

 間奏でメンバー紹介を含むセッションタイムありの「あなたのやさしさをオレは何に例えよう」、18人がノリノリでエネルギッシュに迫り来る「so many people」と、いよいよクライマックスを迎える三部。宮本は“パワーもらってるぜ!”と言わんばかりに胸を叩きながら歌う。そして、待ってましたの「ファイティングマン」! ステージ後方から“THE ELEPHANT KASHIMASHI 30th ANNIVERSARY”のバックドロップがせり上がり、あらためてリスタートを誓うように4人で爆音をブチかまして、力強く本編が締められた。

 “いい顔してるぜ、エビバデー! ドーンと行こうぜー!!”と何度も繰り返し伝える宮本を筆頭に、ライヴバンドとしての凄みを発揮しながらたくさんの生命賛歌を届けてくれたエレカシ。アンコールは“今の季節にぴったりだと思う”という「四月の風」。最後の最後で宮本が男泣きして、30周年のアニバーサリーは有終の美を飾った。

撮影:大森克己/取材:田山雄士


セットリスト

  1. 【一部】 
  2. 1.3210
  3. 2.RAINBOW
  4. 3.奴隷天国
  5. 4.今はここが真ん中さ!
  6. 5.悲しみの果て
  7. 6.星の砂
  8. 7.i am hungry
  9. 8.夢のかけら
  10. 9.風に吹かれて
  11. 10.ベイベー明日は俺の夢
  12. 11.昔の侍
  13. 12.さらば青春
  14. 13.笑顔の未来へ
  15. 14.桜の花、舞い上がる道を
  16. 15.ズレてる方がいい
  17. 16.今を歌え
  18. 17.風と共に
  19. 18.ガストロンジャ―
  20. 19.俺たちの明日
  21. 【二部】
  22. 20.男餓鬼道空っ風
  23. 21.この世は最高!
  24. 22.RESTART
  25. 23.夢を追う旅人
  26. 24.今宵の月のように
  27. 25.Easy Go
  28. 【三部】
  29. 26.あなたのやさしさをオレは何に例えよう
  30. 27.so many people
  31. 28.友達がいるのさ
  32. 29.涙
  33. 30.ファイティングマン
  34. <ENCORE>
  35. 四月の風
エレファントカシマシ プロフィール

エレファントカシマシ:1981年結成。88年3月、EPIC SONYよりアルバム『THE ELEPHANT KASHIMASHI』、シングル「デーデ」でデビュー。17年、デビュー30周年アニバーサリーイヤーに突入。デビュー記念日の3月21日にはキャリア史上初となるオールタイムベストアルバム『30th Anniversary 「All Time Best Album THE FIGHTING MAN」』をリリースし、3月20日の大阪城ホールを皮切りに、12月まで続くバンド史上初となる47都道府県ツアーの開催を予定している。エレファントカシマシ オフィシャルHP

OKMusic編集部

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