【10-FEET ライヴレポート】
『10-FEET "Fin" TOUR 2017-2018』
2018年2月22日 at Zepp Tokyo
ニューアルバム『Fin』の1曲目「1size FITS ALL」で始まったこの日。初めて聴いた時からライヴの風景が想像できて、ガツンと体温が上がったこの曲だが、吠声を上げてもみくちゃになるフロアーの風景は想像を超えていた。新曲に過去楽曲を絡めて緩急付けながら、異常なほどの盛り上がりを生んだ序盤戦。“想像をはるかに越えてきたな。どうなるんやろ、今日?”とTAKUMA(Vo&Gu)がニヤリと笑う。
ツアーで鍛え上げた新曲たちは主戦力として、ライヴ定番曲に劣らない演奏力とクオリティーを見せていたが、驚いたのは過去楽曲と並んだ時の新鮮さや説得力。TAKUMAの伸びやかな歌声で始まった「Fin」は生で聴いた時の印象の違いに驚いたが、その後の「風」と続けて聴いた時、歌や言葉がより深いところで響いてきて、やはりCDも良いけど、ライヴにこそ本当の良さがあるのだなと改めて思わされた。笑いを多分に混じえたMCを挟み、「FUTURE」で始まった後半戦はキラーチューンを惜しげなく披露しながら、「夢の泥舟」「太陽4号」「アンテナラスト」といった現在の10-FEETを象徴する曲をたっぷり気持ちを込めて演奏。「VIBES BY VIBES」からのラストはアンコールで予定されていた曲まで一気に駆け抜け、TAKUMAが有り余る気持ちを言葉で届けて終演を迎えた。一緒に歌って叫んで笑って泣いて、また明日から頑張ろうと前向きになれる10-FEETのライヴ。喜びと悲しみ、激しさと寂しさといった相反する感情も全て詰め込んだ、あまりに人間臭い彼らのワンマンに、ライヴのあるべき姿を観た。
撮影:HayachiN/取材:フジジュン