【ストレイテナー】『STRAIGHTENER
CREATURES PARADE TOUR』2010年6月1
9日 at JCBホール

撮影:橋本塁(SOUND SHOOTER)/取材:ジャガー

控えめな感じかと思いきや、往復するうちに強く主張してくる楽曲たち。聴き手の胸中にじわじわと込み上げてくる熱。音楽ですら消費されやすい状況下で、確固たる存在感を放ったストレイテナーの最新アルバム『CREATURES』。自由度が増し、聴くほどに興奮を覚える本作を携えてのツアーもセミファイナルを迎える。ツアーが間もなく終わってしまう寂しさと各地を回り何を得てきたのかという期待感が交錯する中、おびただしい熱をまとう「MEMORIES」の1曲目から衝撃を受けた。スケールアップした楽曲の世界観が一気に押し寄せ、オーディエンスの心を掴んでいくのだ。全身を使い激しくドラムを打ち叩くナカヤマシンペイ、心地良いリズムを刻むベースの日向秀和、高揚するポイントを的確に押さえたギターの大山 純、感情を放出するギターをプレイしたり、繊細な音色をピアノで奏でるホリエアツシ。4人それぞれの個性に磨きがかかり、それが合わさって生まれるグルーブは素晴らしいとしか言いようがない。“好きに体を動かして乗ってください”のホリエを合図に始まった「OWL」では、観客も解き放たれたようにいっそう自由に曲を楽しむ姿が印象深く、さらに終盤に差し掛かっての「BERSERKER TUNE」「Little Miss Weekend」「TRAIN」の怒濤の3連発に会場は大きく波打ち、本編を締め括った「瞬きをしない猫」まで何とも言えぬ絶景が広がった。
 突き刺すギターを軸とした起伏の激しい楽曲から、一貫して美しい旋律を守り通す楽曲まで、自らの幅を押し広げて束の間の非現実世界をここまで構築してしまうストレイテナーに改めて感服した。

セットリスト

  1. MEMORIES
  2. A SONG RUNS THROUGH WORLD
  3. KILLER TUNE[Natural Born Killer Tune Mix]
  4. クラッシュ
  5. 蝶の夢6.DISCOGRAPHY
  6. Man-like Creature
  7. CLONE
  8. Toneless Twilight
  9. Magic Blue Van
  10. 泳ぐ鳥
  11. SING
  12. イノセント
  13. SIX DAY WONDER
  14. Dark Blue Day
  15. OWL
  16. DONKEY BOOGIE DODO
  17. クラムボンインザエアー
  18. BERSERKER TUNE
  19. Little Miss Weekend
  20. TRAIN
  21. 瞬きをしない猫
  22. Diamond Phillips
  23. Sunny Suicide
  24. Melodic Storm
ストレイテナー プロフィール

ストレイテナー:1998年にホリエとナカヤマによって結成。渋谷、下北沢、新宿、八王子などでライヴ活動を行ないつつ、02年には自主レーベル『ghost records』設立し、マキシシングル「SILVER RECORD」をリリース。また、結成時よりホリエアツシ(Vo&Gu&Pf)とナカヤマシンペイ(Dr)のふたりによる最小限のセッションが注目を集めていたが、日向秀和(Ba)が03年よりライヴに加入(翌年に正式メンバーとなる)、08年には大山純がギターとして加入し、正式に4人体制となる。17年10月にメジャーデビュー15周年を迎え、翌年で結成20周年に突入することを記念したトリビュートアルバム『PAUSE 〜STRAIGHTENER Tribute Album〜』がリリースされた。ストレイテナー オフィシャルHP

OKMusic編集部

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