撮影:佐々木 睦/取材:高木智史

暗転後、谷川正憲(Vo&Gu)が颯爽と現れ、“イッツ ショウ タイム!”とばかりに大きく両腕を広げて、UNCHAIN史上最大キャパとなる赤坂BLITZでのワンマンが始まった。1曲目「Good Morning」が心地良く会場に響きながらも“カモン!”と谷川は声を上げ、続く「Precious」の前では“ブリッツー!!”と放つ。…思えば、スタート時のパフォーマンスから彼に対して“何かがこれまでと違う”と思っていた。以前はもっとクールだったというか、ライヴの盛り上がりも観客にどこか委ねていたような、そんな気がしていたのだ。だが、今日の彼は“クラップ ユア ハンズ!”と何度もアジり、MCでも長く熱弁を振るう。演奏中も音のキメのところではサインを送るようにメンバーに向き、ライヴ全体のオーガナイザーとしての姿勢を発揮していた。それゆえ「Music」や「Fly In The Blue Moonlight」ではたおやか、「Farewell Blossom」や「Show Me Your Height」では激しさ、といった楽曲の個性がよりはっきりとし、それらの緩急が生むグルーブがとても心地良かった。また、「Across The Sky」のような日本語詞の楽曲では、英詞の楽曲とは明らかにオーディエンスの反応が異なり、皆ステージに向かって腕を振りかざす。それは歌としてもファンと音楽を共有し、一体となった証明なのだろう。序盤のMCで谷川は“今日はUNCHAINの全てを楽しんで帰ってくれ!”と語っていたが、それは今のUNCHAINの全てを出し切ったライヴができるからこその発言であり、それだけの自信がみなぎったライヴだった。
UNCHAIN プロフィール

1996年に結成された京都出身のロック・バンド。2005年6月、1stミニ・アルバム『the space of the sense』でインディーズ・デビュー。2007年1月には、3rdミニ・アルバム『departure』でメジャー進出を果たす。ロック、ポップスはもちろん、ジャズやR&B、ソウル、ファンクなどさまざまなサウンドを飲み込み、独自のグルーヴで奏でる美メロ・ナンバーの数々。そして、愛や孤独を歌った切ない詞世界が話題を呼ぶ。2008年3月にリリースした1stフル・アルバム『rapture』は、全編英詞でグルーヴ・ロックの一つの完成形とも言うべき傑作となり、各方面から絶賛される。同年秋からは11月に「Across The Sky」、12月に「stillness in the wind」、2009年1月に「Brighter Days」とバンド史上初の日本語詞によるシングル3部作をリリース。2010年7月、3rdアルバム『Hello, Young Souls!!』を発表。2011年4月には、UNCHAINの2大ルーツであるロックとソウルをコンパイルしたコンセプト・ベスト・アルバム『Rock Flavour』と『Soul Flavour』を同時リリース。2013年2月にカヴァー・アルバム『Love & Groove Delivery』を発表すると、2014年2月に第二弾『Love & Groove Delivery Vol.2』、そしてデビュー10周年を迎えた2015年にも2月に第三弾『Love & Groove Delivery Vol.3』をリリースした。また、2015年6月には014年グラミー賞を受賞したサウンドエンジニア Sadaharu Yagiを迎え、L.Aでレコーディングした初のリメイク・ベスト・アルバム『10fold』を発表。2016年3月には8枚目のフル・アルバム『with time』をリリース。UNCHAIN Official Website
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OKMusic編集部

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