ACIDMAN 大木伸夫×下北沢GARAGE 大橋真由美 - the Homeground 第15回 -

ACIDMAN 大木伸夫×下北沢GARAGE 大橋真由美 - the Homeground 第15回 -

ACIDMAN 大木伸夫×下北沢GARAGE 大
橋真由美
- the Homeground 第15回 -

ライヴ活動を行なうアーティストの拠点となるライヴハウス。思い入れ深く、メンタル的にもつながる場所だけに、アーティストとライヴハウス、それぞれの目線から出会いや第一印象などを語ってもらった。もしかしたら、ここで初めて出る話もあるかも!?

L→R 佐藤雅俊(Ba)、大木伸夫(Vo&Gu)、浦山一悟(Dr)

L→R 佐藤雅俊(Ba)、大木伸夫(Vo&Gu)、浦山一悟(Dr)

ACIDMAN プロフィール

埼玉県私立西武文理高校時代に出会い結成された3ピース・ロック・バンドACIDMAN。当時は4人組で結成され、受験休業を経て、大学進学後、下北沢を中心に97年ライヴ活動を開始。 99年のヴォーカル脱退、現在のメンバーである大木伸夫(vo&g)、佐藤雅俊(b)、浦山一悟(dr)の3ピース編成となる。

02年、「造花が笑う」「アレグロ」「赤橙」のシングル3枚連続リリースでメジャー・デビュー。同年10月には1stアルバム『創』を発表、スマッシュ・ヒットを飛ばす。パワーポップ/ガレージ/パンクのテイストを独自に昇華させたハイブリッドなロックンロールから、哀愁漂うメロディックなスロウ・ナンバーまで、いずれの楽曲にも美しい旋律が貫かれ、エモーショナルなヴォーカルも聴く者の魂を震わせる。
03年8月に発表した2ndアルバム『Loop』ではより深遠な音世界を構築し、04年9月には“あらゆる色の生命をイコールで繋ぐ”という、かつて無い壮大なテーマとその独創性が表現された3rdアルバム『equal』を発表。輪廻転生をコンセプトに作られた約14分にも及ぶ大作「彩‐SAI‐(前編)/廻る、巡る、その核へ」は、映像クリエイターである西郡勲がビデオ・クリップを手掛け、第8回文化庁メディア芸術祭では優秀賞を獲得した。
05年12月にリリースした4thアルバム『and world』を引っさげ、全国ライヴ・ツアー『and world』を敢行。06年7月、このツアー・ファイナルの模様を収録した自身初となるライヴDVDをリリース。音楽と映像のコラボレーションという新しい形でのライヴを行い、多くのロック・ファンを虜にした。そして07年2月に5thアルバム『green chord』を完成させ、5月にはACIDMAN史上初となる日本武道館にてオール・スタンディング形式のライヴを開催。ストイック過ぎるほどストイックで真摯なバンド姿勢ゆえ、一時は解散の危機にぶつかった彼らだが、08年4月に6thアルバム『LIFE』を、09年7月に7thアルバム『A beautiful greed』を発表するなど、現在は年1度のペースでアルバム・リリースを重ねている。

「音の力。詩の力。」「深淵・迷走・創造・騒々」——展開著しく、時に裏切り、時に平たん。静と動。スリーピースの可能性へ常に邁進している彼らは、成功を手中にしてもなお、ストイックなまでに己のバンド・サウンドの純度に磨きをかけ続けている。ACIDMAN Official Website
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公式サイト(レーベル)
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下北沢GARAGE はACIDMANの始まりで全て

下北沢GARAGEの大橋さんとの出会いは?

18歳の頃だったので、20年くらい前です。当時、バンドを組んでライヴをするなら下北沢だろうと、下北沢GARAGEをはじめ全部のライヴハウスにデモテープを作って送ったたら、下北沢GARAGEさんが一番親身になってくれました。初めて出演したライヴの精算の時に、大橋さんが音楽についての話をしてくれたんですよね。そういうのを他のライヴハウスではあまり経験できなかったんです。“何でこの人、ライヴハウスの店員さんなのにこんなにACIDMANの音楽のことまで言ってくれるんだろう?”って。

今の大橋さんに対しての印象で、変わった部分はありますか?

声がどんどん枯れてくるなって(笑)。最近は会えていないんですけど、若いバンドが“大橋さんの言うことはすごく影響力がある”って言っていると聞いたことがあって、それくらいの存在の人になっているんだなって思いました。大橋さんには幸せになってほしいと思っていて…いつも幸せそうなんですけど、仕事に尽くしているようなところがあるので、自分のために生きてほしい部分もありますけどね。

下北沢GARAGEに初めて出た時の想いは?

埼玉出身なので、下北沢という音楽やバンドのシーンがある場所にいよいよ出て行くんだという熱い気持ちがありました。

活動をしていく中で、印象に残っている出来事はどのようなことですか?

その時はまだ4人だったんですけど、当時のヴォーカルが音楽で飯を食っていくという気持ちがあまりなくて。建築士になりたいと言って辞めたので、自分が歌うようになったんです。3人になってから確か3回目くらいのライヴがGARAGEで、インディーズレーベルのNomadic Recordsの方がその時のライヴを観て、“CDを出さないか?”って声をかけてくれたんですよ。今みたいにCDを自分たちで制作するとかがなくて、レーベルから声がかからないとなかなか出せない時代だったんです。歴史が変わった瞬間でした。実は、その方に大橋さんと当時の店長だった出口さんが“ACIDMANっていういいバンドがいるから観に来ない?”と声をかけてくれたのがきっかけだったんです。

下北沢GARAGEから人とのつながりも広がったということですね。

ACIDMANは学生時代に組んだバンドなんですけど、そのバンドがかたちになってきて、世に広げるという部分でかなりでかかったかな。未だに一緒にやっているライヴ制作の人間も、20~30人しかお客さんが入らないインディーズの時からライヴを観に来てくれていて…その時に出口さんに紹介してもらったのがきっかけです。

2月8日にリリースした最新シングル「愛を両手に」の初回限定盤のDVDには2002年5月25日に下北沢GARAGEで行なった、ACIDMANにとって初めてのワンマンライヴの映像が収録されますが。

定点カメラの引きの画で音もあまり良くないけど、資料用に残してあったんです。出すつもりはなかったんですが、今回のシングルで特典を付けるってなった時に、ディレクターと話していて“そういや、昔の映像もあるんだけどね~”と言ったら“それいいじゃん!”となって。作品にはしちゃいけないと思いつつも、結成20周年という今のタイミングでしかできないなと思ったんです。観返してみると、バンドを組み立ての高校生みたい…でも、恥ずかしいところや駄目な部分を永遠に誰にも見せないっていうのは、それはそれで寂しいと思って。

改めて観返してみて、感じたことはどういったことでしたか?

一生懸命だったというのが観て分かりましたね。でも、伝えようとしている楽曲の芯というのはほとんど今と変わらないので、その辺に関しては世界観は出来上がっていたと思います。ただ、その所作が酷い(笑)。

今や下北沢GARAGEはACIDMANをはじめ、数多くのバンドを輩出した老舗ライヴハウスとなったわけですが。

大橋さん、出口さんをはじめ、スタッフぐるみで仲が良かったんですけど、やっぱり人間らしいなって。下北沢にはライヴハウスがいっぱいあるから、たまたま俺たちはGARAGEが肌に合っただけかもしれないけど…一生懸命やっていれば、どの場所にも後押しをしてくれる人たちはいるんだと思いますし。

そんな下北沢GARAGEのライヴハウスとしてのおすすめポイントは?

GARAGEは1階が飲食店で、2階の楽屋からお客さんの入りが見えるんですよ。Zeppだとか日本武道館でも何千人の人が並んでくれているのを見たことはあるけれど、GARAGEで200人が行列を作っているさまを見たのは、未だに一番嬉しかった光景なんです。初めてのワンマンで、今までは対バンで誰がどのファンだか分からなかったんですけど、そこに並んでいる全員がACIDMANを観に来てくれたっていうのが人生で初めての経験で。あの場所から見えるお客さんの流れっていうのは、あのライヴハウスの魅力かもしれないですね。ちなみに、GARAGEって天井を抜いているんですけど、その天井を抜かせたのは俺です(笑)。出口さんと飲みながら話していて、“天井って梁があってカッコ良いから抜いちゃわない?”って言って抜かせちゃった。

今だから言える出来事があれば教えてください。

15年くらい前なんですけど、イームズのシェルチェアーにそっくりな真っ白い椅子が三軒茶屋で1脚1,000円で売っていたんです。それを2脚買って、1脚はGARAGEにあげたんです。もしまだあるとしたら…それは偽物ですよ(笑)。

最後に、ACIDMANにとって下北沢GARAGEとは?

ACIDMANの始まりで、全てです。ここがなかったら何も生まれていなかったと思うので、この場所を作って、そして自分たちを受け入れてくれて、今があるので本当に感謝しています。

OKMusic編集部

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