【キュウソネコカミ】『DMCC -REAL
ONEMAN TOUR- ~ドコまでもチョコチ
ョコ~』2015年1月24日 at 新木場ST
UDIO COAST

撮影:古溪一道/取材:高良美咲

 熱気に満ち、人であふれ返った会場。口火を切った「サブカル女子」から一瞬にして、そこは彼らの独壇場に。皮肉を勢いよくぶつけたかと思えば、情けない人生を歌った「勇者ロトシック」の《いつかは真面目に親孝行》という言葉が、なんか切ない! そんな絶妙なバランスのキャラをはじめ、絶対的にダンサブルな楽曲に感服させられる。まだ始まって4曲目の時点でフロアーで靴の落し物が見つかったり、オーディエンスの浮かれっぷりも半端ない。その後も、「性ビジネスは不滅」でヤマサキセイヤ(Vo&Gu)が曲中にギターを置いたかと思えば、隣で歌っているヨコタシンノスケ(Key&Vo)に華麗な飛び蹴りしたり、「困った」では“社会のしがらみ”(日常の中での怒りを書いた段ボール箱)を客席へのダイブで潰したり、「KMDT25」ではオーディエンスが肩を組みながら輪を作るなど、熱くも爽快な光景が広がる。また、アニメ『ドラゴンボール改』のEDテーマとなった「GALAXY」の後に披露された、“数年前から勝手にやってる『ドラゴンボール』の曲”こと「お願いシェンロン」ではみんなでカメハメ波を打ったり、元気玉を作ったりと、以前からの自由さも健在だ。アンコールではフジファブリックの「銀河」のカバーで本編の熱を引き継ぐ。普段は全力でキレキレのパフォーマンスを観せてくれるが、ここでは誠実に取り組んでいる彼らの姿勢から、自らのルーツを忘れない純粋さと音楽へのひたむきさが汲み取れた。そして、「Scary song」の凝った演出とヤマサキの変装で観る者を驚かせ、「ビビった」で怒涛のラストを迎えたライヴ。磨かれ続けていく彼らのステージに、今後の期待が高まるばかりだ。

セットリスト

  1. サブカル女子
  2. OS
  3. 勇者ロトシック
  4. ゲーマーズハイ
  5. 空芯菜
  6. 貧困ビジネス
  7. 要するに飽きた
  8. ファントムヴァイブレーション
  9. 性ビジネスは不滅
  10. 困った
  11. KMDT25
  12. なんまんだ
  13. DQNなりたい、40代で死にたい
  14. カワイイだけ
  15. 何も無い休日
  16. ウィーワーインディーズバンド!!
  17. 良いDJ
  18. GALAXY
  19. お願いシェンロン
  20. 新曲
  21. <ENCORE>
  22. 銀河(フジファブリックカバー)
  23. Scary song
  24. ビビった
キュウソネコカミ プロフィール

キュウソネコカミ:2009年12月、大学の軽音楽部内で就職活動に敗れた者たちを中心に兵庫県西宮市で結成。10年よりライヴ活動を開始。エッジが効いたダンサブルでキャッチーなサウンド、身の周りの事柄への愚痴や文句を込めた世界観のない歌詞、エモーショナルで逆ギレ気味なMCとライヴスタイルにステージ下での腰の低さも合わさって、アンダーグラウンドからオーバーグラウンドまで比較的いろいろなジャンルのバンドとの対バンを重ねる。そして、14年6月、ミニアルバム『チェンジ ザ ワールド』でメジャーデビューを果たした。キュウソネコカミ オフィシャルHP

OKMusic編集部

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