【クリープハイプ】『一つじゃつまら
ないから、せめて二つくらいやろう
後編』2015年5月8日 at NHKホール

撮影:神藤 剛/取材:山口智男

 “全国ホールツアー”と銘打ったツアーの後編は、前編だった全国ライヴハウスツアーとはセットリストをガラッと変えてきた。昨年12月にリリースしたアルバム『一つになれないなら、せめて二つだけでいよう』の曲を中心にライヴの人気曲を散りばめたセットリストからはコアなファンにとどまらず、より多くのオーディエンスを意識していることがうかがえた。しかし、曲が進むにつれ、バンドとオーディエンスの間に生まれたのはホールライヴにはちょっと不釣合いな(?)親密な空気。客がこんなにバンドに話しかけ、それに対してバンドも答える…つまり歓声の域を越え、対話が成立しているライヴも珍しい。そんな光景からは彼らがライヴハウスを中心に活動していた頃から飾らない姿を見せるというスタンスを変えずにファンの数を増やしてきたことが想像でき、わりとMCを交えながら(だから客席から声が飛ぶ)、演奏しているステージの4人に親近感が沸いた。もっとも、それは序盤のアップテンポナンバーから一転、尾崎世界観(Vo&Gu)がアコギに持ち替えて披露した「本当」といったフォーキーな曲のみならず、彼らの曲には郷愁というか、黄昏た味わいが感じられることも大きい。そういう人懐っこい曲だから上ずったような甲高い声で歌う尾崎のヴォーカルが生きるのか、クセがあるヴォーカルだからそういう曲が生きるのか…たぶん両方なのだと思う。後半は5月5日にリリースしたばかりの新曲「愛の点滅」を交えながら、アクセントの強い曲をたたみかけ一気に盛り上げた。

セットリスト

  1. HE IS MINE
  2. リグレット
  3. そういえば今日から化け物になった
  4. 2LDK
  5. 本当
  6. 喋る
  7. のっぺらぼう
  8. ヒッカキキズ
  9. エロ
  10. オレンジ
  11. 大丈夫
  12. 憂、燦々
  13. ラブホテル
  14. 火まつり
  15. チロルとポルノ
  16. 寝癖
  17. 愛の点滅
  18. 百八円の恋
  19. 社会の窓と同じ構成
  20. 社会の窓
  21. ねがいり
  22. <ENCORE>
  23. ボーイズENDガールズ
  24. 空色申告
  25. さっきはごめんね、ありがとう
クリープハイプ プロフィール

クリープハイプ:2001年、3ピースバンドとして結成。下北沢を中心にライヴ活動を行なう。幾度かのメンバーチェンジを経て、09年に現メンバーで活動開始。12年4月にアルバム『死ぬまで一生愛されてると思ってたよ』でメジャーデビューを果たす。14年4月には、自身初となる日本武道館公演を2デイズに渡り開催。その後も精力的な活動を続け、CM、映画、アニメなどの数々のタイアップをはじめ、16年6月には尾崎が初の小説『祐介』を発表し大きな反響を呼ぶ。着実に活躍の場を広げている中、同年9月7日に4thアルバム『世界観』をリリース。クリープハイプ オフィシャルHP
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