【TRIPLANE】
取材:藤津 毅
聴いてくれた人の心に幸せの花が咲くよ
うなイメージ
2008年はどのような年でしたか?
ずっとアコースティックライヴで全国を回ってて、そこからバンドが得たものがすごく大きかったです。昨年はインストアライヴを100本ぐらいやりました。ライヴによって、なぜ音楽をやっているのかとか、4人で音を出している意味とか…本質的なところを見直す機会がありました。また今年、もっと飛躍の年にしようということで、その土台作りができましたね。
ライヴ三昧だったにもかかわらず、ニューアルバムのリリースですがテーマは?
ライヴで十人十色の全国各地の人と出会うことができて。インストアライヴでたまたま僕たちの音楽を聴いて、ビビッときてくれて涙を流す人もいました。同じ場所にもう一度行った時に“あの日以来、TRIPLANEの音楽を支えに日々、生活してます”というようなことを言われたりして。そういう人に光を照らすような音楽をやりたいという気持ちが沸きました。ライヴ会場の握手会で直接言葉を交わすことができるけど、それをCDでお客さんに伝えることができないかなっていうのが一番のテーマでした。このCDを聴いて、泣きたいんだったら泣いてもいいし、すごく落ち込んでる時にハッピーな気持ちにちょっとだけなれる。このCDを聴いてる時だけ、暗い現実を忘れられるとか、聴いてくれた人の心に幸せの花が咲くようなイメージで作りました。あと、裏テーマというほどじゃないですけど、今作では四季も表現したいなと。全国各地で四季を感じながらライヴを回ったので、アルバムを通して春夏秋冬を表わすことができたらいいなぁと思いました。
1曲目「誰に咲く花」はTRIPLANEらしい楽曲に仕上がってますね。
今作はアルバムタイトルから先に付けたんですけど、まず全体のテーマ、サウンド、アレンジはどういう感じにするかをみんなで話し合ったんです。で、今までの流れである“しっかりと歌が伝わるように、それ以外はシンプルに”ということを徹底しようと。TRIPLANEが世の中に浸透するまでは、この路線でいこうと思いました。そういったアルバムの全体的なイメージができてから、1曲目は歌声で始まる曲にしたいと思って作りました。僕たちの音楽を支えにしている人たちに対して、もっと支えになりたいと思って作った曲です。
ラスト、11曲目「君に咲く歌」の歌詞の世界とつながってるような気がしました。
『誰に咲く花』のアンサーソングとして作りました。『誰に咲く花』では答えを言い切らずにぼやかしてるんですけど、『君に咲く歌』では対象を絞って歌い切ってます。
「君に咲く歌」のイントロは、壮大なストリングスのサウンドが鳴り響いていてゴージャスですね。
初めて管楽器も入れて、フルオーケストラです。レコーディングでは一緒に歌ったんですけど、すごく迫力があって感動しました。僕はクラシックが好きなんで、お気に入りです。今後、こういう曲を増やしていきたいですね。
今までにない仕上がりになったと思う曲は?
基本、新しいことはやってなくて。だけど、『around my life』はTRIPLANEとしては新しいかな。ずっとループドラムが入っている打ち込みの曲で、今作のテーマとは関係なく作ったんですけど、みんなの反応が良くて入れることになったんです。今作でフックの効いたトゲのある曲も入れたいと思っていたし。
歌詞は車内での様子が描かれていますね。ライヴで全国を回っている時に書いたとか?
まさにそう。実はブルーな気持ちになっていた時に書いた曲で。一生懸命やってるんだけど、自分のやってることが無意味なことのように思えて、虚しくなった時があって。でも、どんな生活をしてる人でも一生懸命にやったことが評価されるのか、意味があるのかって思う人って、きっと世の中にはたんさんいるんだろうなぁって。個人的な気持ちをぶつけた歌詞なんですけど、共感してくれる人はいるじゃないかな。
今作も美しいメロディーラインの楽曲が揃いましたね。リスナーにはどのように楽しんでもらいたいですか?
通しで聴いてほしい。そして、曲順通りに聴いてもらいたいですね。前の曲があるから、この曲があるというふうにつながってるんで、飛ばさないで聴いてください! あと、アルバム全体で四季も感じとってもらえたらうれしいです。今年は初めてワンマンで全国を回ります。アルバムのストーリーがライヴでも反映できるようにしたいと思ってます。