取材:土屋恵介

私なりの個性で恋愛アルバムを作りたか
った

今回、恋愛括りのアルバムを作ろうと思ったきっかけは?

アルバム『RED NAKED』には、恋愛テーマの曲が入ってなかったんですよ。なぜなら、世間に恋愛ソングがいっぱいある中で、ヒップホップで表現していく自分が、恋愛じゃないテーマでどこまでみんなに伝えられるかって作ったからなんです。それを出してみて、みなさんが私を刺激的に捉えてもらったので、今度は私の個性で恋愛をテーマにしたアルバムを作ったらこうなるよ、っていうのを逆に示したいと思ったんです。

初めてトラックを手がけた「LOVE ME PLEASE!」は、80s感のあるキラキラミッドチューンでかなりセクシーな女の子を描いていて、「Mr.Platonic」はエレクトロなサウンドの上で恋愛寸前の状態を歌っていたり、KREVAさんとの「1 on 1」ではキックとスクラッチのオールドスクールなサウンドでケンカまでしてますが(笑)。

恋愛テーマだけど、エロの部分も恋愛の一部だなと思って『LOVE ME PLEASE!』でそれを出そうと。しかも1曲目でいきなり(笑)。実はアルバム全体が流れになってるんです。『LOVE ME PLEASE!』で男の子を口説いて、青山テルマちゃんとの『Love @ 1st Sight』で恋をして、『Mr. Platonic』で近づいて、CHEMISTRYの川畑 要さんとの『Instinct』でもっと近づく。『selfish boy』で悩んで、『1 on 1』でケンカが始まるんです(笑)。KEN THE 390くんとの『Miss You』で気持ちが離れて、本編最後の『sayonara』で“サヨナラ”しちゃう(笑)

なるほど!(笑) それにCOMA-CHIさんってラップでも歌でも、曲によって声色がいろいろ変わりますよね。

曲の雰囲気によって変化をつけますね。『LOVE ME PLEASE!』は誘う感じで歌ったり、逆にKREVAさんとの『1 on 1』は口喧嘩なので強くラップしたり。前作は、全部自分でディレクションしたけど、外部の人にもお願いしたいなと思って『Mr. Platonic』で初めてBACHLOGICさんにプロデュースしてもらったんです。エレクトロの激しい音の上でソフトに歌うってアドバイスされたのは新鮮でしたね。『Instinct』で川畑さんと初めて男女デュエットできたのも面白かったです。

「sayonara」は別れがテーマですが、サウンドはファンキーで力強いですね。

ブラックミュージック特有の粘りの効いたサウンドの上で、ポップスが好きな人でも共感できるメロディーを付けたくて。歌詞は“苦しいことを経験して人は成長できるから、別れを悲しむよりポジティブに捉えていこう”って伝えたかったんです。

あと、「perfect angel」のリミックスは、感動的な原曲が爽快なダンストラックに生まれ変わってますが。

このリミックスはマジでお気に入りで、毎日聴いてます。ダンスミュージック好きなんで、聴かせる曲が踊れる感じになってうれしいですね。なおかつ、冬のイメージからサマータイムなリミックスになって夏も聴けるぞって(笑)

最後に、恋愛をテーマにしたアルバムを作った感想は?

まだまだ恋愛でも歌えることがあると思ったし、今後は普通のアルバムにも恋愛の曲も入れていきたいと思いましたね。アルバムを聴いてくれる女の子には、自分と重ね合わせてドキドキしたり、涙流したり、共感してほしいですね。男の子には、女の子はこんなこと考えてるんだって思ったり、共感できる歌詞もあると思うんで。あとは、ヒップホップとして、音楽として、頭振って楽しんでください!
COMA-CHI プロフィール

東京出身の女性実力派ラッパーと評され、DJ 33QUEENという名でDJとしても活躍中のCOMA-CHI。03年3月より音楽活動を開始。都内を拠点としたライヴ、野外サイファー(路上などで輪になってフリースタイルでラップしあうもの)、MCバトルへの出場などで徐々にそのスキルと知名度を上げ、賞賛の声を集めて行く。

05年に開催された『BBOY PARK MC BATTLE』では、女性としては初となる準優勝という快挙を成し遂げ、06年2月には、<Da.Me.Records>から1stソロ・アルバム『DAY BEFORE BLUE』をリリース。繊細なリリックと確かなライミング、90代のヒップホップを基調にした独特の音世界が注目を集め、4月末に渋谷club asiaにて行われたソロ・ライヴには200人以上が集まるなど、ライヴ・パフォーマンスにも定評がある。

これまでRIP SLYME、加藤ミリヤ、DJ YAS、DABO、TWIGY、GAGLE、PUSHIM、LITTLEなど、メジャー/アンダーグラウンドを問わず、客演でもその圧倒的な存在感とスキルを見せつけている。07年以降、<Jazzy Sport Productions>の一員として本格的に活動をスタート。同年、惜しまれつつ休刊となったヒップホップ専門誌『BLAST』の最終号において、“日本語ラップ未来の10組”の一人と絶賛され、表紙を飾った。

08年7月、渋谷で開催された『THE SHOW』にて<Knife Edge/ポニーキャニオン>との契約を発表、09年2月にはメジャー・デビュー・アルバム『RED NAKED』をリリース。同年6月には、KREVAや川畑要(CHEMISTRY)、青山テルマとの共演楽曲、DJ HASEBEによるリミックスなどが収録された恋愛コンセプト・アルバム『LOVE ME PLEASE!』を発売。COMA-CHIオフィシャルサイト
公式サイト(アーティスト)

OKMusic編集部

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