【TIA】
取材:高木智史
前作から約5年振りとなる2ndアルバム『message-メッセージ-』がリリースされた。その5年という年月はTIAにとって、どのような時間だったのだろうか。
“自分にとって歌とは?”“歌うことってなんなんだろう?”ともう一度、イチから考えた時間でしたね。デビューをしたのが10代だったんですけど、きっとその時の自分だったら今みたいに感情を歌に乗せて歌えなかったし、こういうメッセージも書けなかったと思う。だから今回のアルバムは、これまでの生き方、今の等身大のTIAが込められた曲ばかりだと思います。そして、私が歌うことの意味も見つけられた作品になったと思います。
今作はTIAの身近にいる人へ綴った楽曲が中心となっている。その中でも「message~会いたい~」に込められた思いが、彼女の“歌うことの意味”を明確に表している。
どんな時も自分を支えてくれるのは家族だったり、地元の友達だったり、ファンの方だったり…側にいる人が支えてくれる。だから、まず感謝の気持ちを伝えたかったんです。そして一番応援してくれて、一番のファンでもあった、おばあちゃんにも…5月に亡くなったんですけど、そのおばあちゃんに歌を届けたくて、この曲は作りました。一見、恋愛の歌にも聴こえるんですけど、そこは聴いた人それぞれで受け取ってもらえたらいいと思っています。この曲を作ったことでたくさんメッセージをもらえたし、世の中に“誰かに会いたい”と思っている人はいっぱいいるんだなということも感じました。みんなと一緒に気持ちを共感していけたらいいし、悲しみだったら癒すことができたらいいなと思ってます。
また、自身が作曲も手掛けた同曲からは“悲しいけど、温かい”という相反する感情を抱くことができる。彼女の歌にはただ“泣ける”だけではないこだわりがある。
確かに歌詞は悲しいんだけど、メロディーには少し明るくて前向きな気持ちがあると思います。それは、おばあちゃんに届けるのにあまりにも悲しすぎる終わり方はしたくないというか。悲しいけど、前向きでちゃんといるよっていう気持ちを伝えたかったんです。だから、メロディーの中に少し光が見えるようにしています。最終的な思いとして“ありがとう”という気持ちがありますから。
パーソナルな視点で描かれながらも、多くの人の共感も得る楽曲が詰まった今作品。これから耳にするリスナーも多いだろう。
長く愛してもらいたい。聴いてくれた人にとって大切な宝物になったらうれしいです。
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