L→R 佐藤大明(Ba)、松木智恵子(Vo&Gu)、鈴木雅人(Dr)、岡田慎二郎(Gu)

L→R 佐藤大明(Ba)、松木智恵子(Vo&Gu)、鈴木雅人(Dr)、岡田慎二郎(Gu)

【ピロカルピン】幻聴と幻想からあふ
れ出た音楽という名の現象

童話や絵本が音になったような、キラキラとしたファンタジックなイメージを想起させてくれるギターロックバンド、ピロカルピンが2ndアルバムを完成させた。
取材:榑林史章

3月にHMVにて「若気の光」、TOWER RECORDSでは「虹の彼方」の別々のシングルを2枚同時発売しましたが、反響は大きかったようですね。

松木
そうですね。より多くの人にピロカルピンを知ってもらう良いきっかけになったと思います。
岡田
ジャケットにもこだわりを持っているので、そこも含めたパッケージとして楽しんでもらえたらうれしいです。配信の時代だと言われるけど、モノを手にする喜びはやっぱりあると思うので。

そんなピロカルピンは、どのように結成したのですか?

松木
社会に出て打ちのめされて、でも音楽に救われて、生きていく活力としてバンドをやろうと思ったのがきっかけでした。今は多くの人に聴いてもらえるようになって、先日も就活中の方から“「虹の彼方」を聴いて勇気が沸きました!”ってメッセージをいただいたり、少しでも誰かの役に立てるのがうれしくて、バンドをやるモチベーションになっています。

“ピロカルピン”という名前の由来は?

松木
緑内障の治療に使われる目薬の成分です。医療系の専門学校で働いていた時に、たまたまメモ用紙の裏に書いてあったんです。使いかたによっては薬にも毒にもなるという点で、自分たちの音楽性とも合っているし、思いのほか評判も良くて。

音楽的影響はどういったところにあるのですか?

松木
90年代の洋楽に影響を受けた日本語のギターロック。サウンド面では洋・邦問わずたくさんいますが、内面的に影響を受けたのはスピッツさんですね。
岡田
僕はハードロックやメタルを経てUKロックやニューウェイブが好きで、松木さんと出会ってからは邦楽もたくさん聴くようになりました。

アルバムタイトル“幻聴と幻想の現象”は、すごく印象に残りました。

松木
私たちのイメージや何げなく弾いたコードやメロディーは、どこか幻聴に近い感覚なんです。そこから生まれた現象がピロカルピンの音楽じゃないかと。1曲目の「幻聴と幻想の現象」は、ジャケットにも描かれているようなオーロラをイメージしています。

歌詞ではシェイクスピアや『イカロスの翼』の隠喩が出てきますが、もともと絵本や物語の世界が好きなのですか?

松木
そうですね。本や童話の世界観はすごく好きなので、音楽でも世界観を表現できたらと思っています。聴いた人が何かをイメージするためのきっかけになってくれたらと思って隠喩を使いますね。
岡田
松木さんは、独特な感性を持っているんです。僕にはすぐ理解できないことも多いけど、それが新たな発見になって楽しい。演奏面では松木さんの声に負けないよう、逆に食っちゃうくらい思い切って弾いていますよ。

5月28日からは全国10カ所を回る『幻聴ツアー2010』も始まりますね。

松木
意識を高く持ち、楽しんでもらえるものにしたいですね。
岡田
自分たちの成長につながるものになると思っていますし、自分たちもお客さんと一緒に楽しみたいです。

この独自の世界観を、ぜひ今後も貫いてください。

松木
はい。自分たちのオリジナリティーを追求し続けて、もっと多くの人に聴いてもらえるようになりたいですね。
ピロカルピン プロフィール

ピロカルピン:2012年5月にアルバム『蜃気楼』でメジャーデビューを果たす。日常を浄化する美しく力強い言葉と、普遍的な曲の中にキラリと光る音の輝きが、リスナーの耳を捉えて放さない。昨年は渋谷CLUB QUATTRO、赤坂BLITZでのワンマンライヴを成功させ、今年も全国ツアーが決定している。 オフィシャルHP
Twitter
Facebook

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

新着