【ポニーテールリボンズ】音楽って本
当は
もっと自由なものでいい
その大胆な行動は免疫がないと戸惑うかもしれない。ただ、彼らは至って真面目に音楽をしている。この前置きを絶対に忘れず、ライヴや音源で“笑撃”を堪能してください!
取材:ジャガー
これまでに見たことのないグループなので、まずはどういう経緯で結成されたのか教えてください。
コフスキー
ふたりとも別々でバンドを組んでいて、ロック一直線…どちらかと言えば、今自分たちがやっている打ち込みの音楽を否定するような人間でした。
ユイチン
“やっぱり音楽と言えば、生音でしょ!”と。
コフスキー
だけど、周りで音楽やってるのってバンドしかいなかったので、それじゃ個性がないなと思う部分もあったんです。で、ライヴとかで知り合ったユイチンさんとなら枠を取っ払って何か面白い音楽をできるんじゃないかと思い、活動が始まって。
ユイチン
後にマイケル=T=MAXも参加して、今のかたちになりました。実際、打ち込みの音楽を作ってみると、奥深くて、生音とは違った刺激もあり、知らぬ間にのめり込んでましたね。
打ち込みベースですが、曲によっては生音を押し出し、斬新なサウンド展開ですね。それにしても、枠を取っ払い過ぎ…いや、枠なんて最初からないほどに自由な作風が気になりました(笑)。今回のアルバムだと、「シャラポワ」では“シャラポワー”の美しいハーモニーひと言で終わったり。
ユイチン
曲はそれぞれが作ってきたものを持ち合って、詰めていくんですけど、ふざけた内容のものでも、音の響きがすごく良かったり、聴いてて楽しくなれればOKなんですよ(笑)。僕はこんな見た目ですが、バラード的な曲を作るのが得意で、コフスキーはノリ重視。作ってくるものが違うから、飽きることはないですね。
今作は、ひと癖もふた癖もあるライヴの楽しさが凝縮されていますが、アルバムコンセプトとしてその点は意図的に?
コフスキー
聴いてる人がハッピーになれるような、こんなバカ騒ぎやってる奴もいるんだよってことを知ってもらいたくて。
不真面目さに隠れる、ちょっと切ない歌詞が後を引きます。
ユイチン
こういう歌だからこそ、引き締めるポイントを設けたいっていうのはありますね。何気なしに聴こえてくる言葉が一番胸を打つし。
コフスキー
例えば、「ざるそば」は《昨日食べたうどんが 実はざるそばだった そんな日はない》って歌ってますけど、《大人たちは見た目ばかりを気にし 本当の事なんて 見てくれやしない》って歌詞も途中であったり。何だよ急に!ってドキってしますよね(笑)。
制汗スプレーをキーワードに作られた「デオドラントラブ」も、すごくさわやかでキャッチーでした。
ユイチン
デモの段階では、ここまでさわやかな感じもなかったんですが、どうせやるならもっと弾けた曲にしたいねってことで出来上がりました。ライヴでも盛り上がりますね。
演者が脇を見せ、そこへ観客が制汗スプレーをかけるという光景を初めて拝見したました(笑)。
ユイチン
曲も見た目もパフォーマンスも、“ロックバンドと言えばこう”“シンガーソングライターならこう”ってある程度フォーマット化されてるじゃないですか。でも、音楽って本当はもっと自由なものでいい。あと、ポニーテールリボンズが沖縄代表なんて嫌だっていうアーティストがいれば、そのアーティストが考える音楽で勝負してほしい。要は、これまでも有名なバンドを輩出してきた沖縄の音楽シーンがもっと盛り上がってほしいんです。
コフスキー
もちろん、自分たちが楽しむっていうのが前提条件なんですけどね。