【Chicago Poodle】このアルバムはい
ろんな人に聴いてほしい
1stアルバムから約1年振りに届いた新作は、そのタイトルが意味するようにサウンドも歌詞もドラマチックな一枚!
取材:石田博嗣
今作は1曲1曲が個性的でドラマチックなアルバムに仕上がりましたね。
花沢
ありがとうございます。前作の『僕旅』のツアーが終わってから30曲ぐらい作って、その中から“この曲をやってみたい”というのをメンバー間で話し合って、それでレコーディングを進めていったという感じなんで、特にテーマ的なものはなかったんですけどね。
辻本
でも、今回はいろんなタイプのメロディーの曲を入れられたから、それがいろんなタイプのアレンジを呼んで、いろんなタイプの歌詞を呼んだのかなって。それは完成した曲を並べてみて思いましたね。
前作ではラテンとかいろいろ挑戦されていましたが、それがバンドの振り幅のひとつになっているように感じました。
花沢
そうですね。僕らはインディーズの頃にも結構音源を出しているので、ありとあらゆることをやってきたから、今回もその延長線上っていうか…打ち込みとかもやってますけど、それも以前にやったことがあるんで、僕ら的には自然だったんですよ。
山口
「No Regret」の打ち込みも…例えば、『僕旅』に収録されている「泡沫」は最初はこういうダンスビートを当てはめたんですよ。でも、何かひと味足りなかったからラテンの香りを入れたんですね。「No Regret」は無機質なビートが楽曲にマッチしたから、その方向性で進めたという感じです。
そういうさまざまなアプローチをしつつも、サウンドが花沢
くんの声に合ってるなっていうことも思いました。
山口
そう思ってもらえるとうれしいですね。やっぱり歌と歌詞に一番マッチするサウンドを探ってるんで。
歌詞もドラマがあって人間味が出ていると思ったのですが。
辻本
歌詞を書く上で、聴いてくれる人がイメージしやすいものっていうのは意識してますね。例えば、匂いや色であったりをほのめかしたりして、歌詞をちょっと読んだだけでも風景がパッと浮かぶようなものにしているし。さらに、そういうものに自分の心境の深い部分を絡めると伝わりやすいかなって。例えば、「Fly ~風が吹き抜けていく~」は応援歌なんですけど、“頑張れよ!”って言うだけじゃなくて、“分かってるよ。俺にも弱いところがあるよ”っていうことを含ませたほうが説得力があるんじゃないかなって。そういうところは意識してますね。もちろん、花沢が持ってきたメロディー…彼がデタラメ英語で歌ってる時の言葉の響きの良さとかも考えて、メロディーの良さを活かす歌詞っていうものをいつも試行錯誤してますけど。
いろいろな意味で、濃いアルバムになりましたね。
花沢
タイトルの“GTBT”は“Good time & Bad time”ということなので、良い時も悪い時もChicago Poodleの音楽がみなさんの近くにあればいいなっていう思いがあるんですけど…それこそ人生は良い時も悪い時もあるんで、老若男女関係なく、それぞれのシチュエーションで1曲は刺さる曲が入れられたかなって。だから、このアルバムはいろんな人に聴いてほしい…それを一番思いますね。
山口
いい意味で前作よりも自分らのマニアックな部分を出せたかなって。インディーズ時代にやっていたようなタイプの曲も入ってるし…デビューアルバムだった前作は名刺代わりっていうことで、意識して分かりやすい感じに仕上げたんですね。今回はそれに加えて音楽通の人に“おっ!”と思ってもらえるような要素も入れられたと思います。
シカゴプードル:精力的にライヴ活動を続ける中、コンスタントに作品を発表し続け、09年3月にシングル「ODYSSEY」でメジャーデビューを果たした。80年代洋楽ポップスが持つ懐かしくも切ないメロディーラインや花沢の伸びやかな歌声、山口&辻本のリズム隊が織り成すアーバンなアンサンブルから“ピアノ名曲工房バンド”と評されている。Chicago Poodle オフィシャルHP