【LOVE】さまざまな人の機動力になり
気持ちが浄化される曲
打ち込みサウンドで構築された、清涼感のあるポップチューン「テレパス」。そこに込められた想いについてLOVEに語ってもらった。
取材:石田博嗣
月~金の昼間のラジオや金曜朝のUstream番組など、どんどんコミュニケーションの幅が広がっていってますね。
そうですね。ラジオやUstream番組を新たに始めて、いろいろな方や新鮮な情報に触れることが多くなっているので、外に出た感じがすごくあります。昼間の時間に働いている人からメールが来たりすると、まるで映画のようにいろんな人たちの生活が見える気がするので面白いですよ。『テレパス』ができたのもそういう毎日の生活のおかげなんです。いろんな人と会ったり、ネットやラジオを通してのコミュニケーションが増える分、分かち合えないことも増えてくるんですね。逆に、会った時にピンと来るというか、前置きを話さなくても通じ合える人に出会った時の安心感って半端ないんですよ。そういう私の感じているようなストレスって、昼間の時間帯に働いている人にはすごくあると思うんです。だからって嫌だって投げ出すんじゃなくて、そこそこにこなせてしまう年齢になっている。でも、やっぱりモヤ~とした感じが心に残るんですよね。仕事から疲れて帰って来て、窓の外の月を見るとすごくホッとする…だから、“あっ、この人とは話が通じ合えるわ”っていう人の存在というのは月に近いのかなと。『テレパス』はそういうポジションの曲になればいいなって。昼間に働いているOLさんとか…もちろん男性もそうなんですけど、他人の前で自分を作れるような大人になった人たちが、心の中に溜まっているモヤ~としているものを無視していると麻痺してしまう。今日一日の中で感じた違和感って忘れるのは簡単なことだけど、やっぱり“忘れる”っていうよりは浄化できたほうがいいと思うんですよ。『テレパス』はそういう昼間に働いている人の機動力になる曲であってほしいし、夜に聴いて気持ちが浄化される曲であってもほしいんです。
歌の印象も今までと違ったのですが。
今回はプロデューサーがヴォーカルディレクションをやってくれたんですけど、それが結構厳しくて(笑)。私は高い声と低い声でキャラクターが違うんですね。高くてツーンって歌うと少年みたいな声になって、低い声で朗々と歌うと渋い声が出るんですけど、“LOVEのキャラクターはこれだ!”っていう芯のあるヴォーカルを録ろうっていうことで2日かけて録ったんですよ。ヴォーカルだけに専念できたのは久しぶりでしたね。
「テレパス」だけじゃなく、これはカップリングの曲も含めて思ったことなのですが、日々闘っている人、心が疲れている人に向けて歌っている曲が最近多くなってないですか?
あっ、そうかも。もともと私がなぜ音楽をやっているかって言うと、ライヴハウスに来れない人たち…引きこもりがちの人たちにもLOVEのライヴに行きたいと思ってもらいたいからなんです。そういう部屋でひとりで閉じこもっている人を引っぱり出すには、その部屋に届くラジオとかテレビとかのメディアに出ることも方法のひとつだろうし。そうやって周囲の人も含め、一緒に変わっていけたらなと思うんです。ここ何年かで出会った人たちの中にも同じような志を持って闘っている人が結構いて、そういう人たちを私は“センユウ”と呼んでるんですけどね。だから、あっちこっちから同時に良いエネルギーが筍みたいにニョキニョキと伸びてきたら、部屋でひとりでいる人にも何かの余波が届くと思うし、逆側にいる私利私欲的な人も変わらざるを得なくなると思うんです。なんかね、そんなふうに周りからザワザワとさせたいんですよ。
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