L→R Bunta(Dr)、Kuboty(Gu)、Shun(Vo&Ba)、Jose(Vo&Gu)

L→R Bunta(Dr)、Kuboty(Gu)、Shun(Vo&Ba)、Jose(Vo&Gu)

【TOTALFAT】普遍的でオルタネイティ
ブなバンドになりたい

約1年振りの新作が遂に完成! 現代メロコアシーンの代表選手と言って良い彼ららしい勢いをダイレクトに詰め込みつつ、音楽性にさらなる幅広さを加えた最高傑作をメンバー全員が熱く語る!
取材:道明利友

全15曲、すごいボリューム感のあるアルバムになりましたね! しかも、メロコア系チューンはもちろんありつつ、楽曲の幅もものすごく広がって。

Shun
そうですね。バリエーションっていう感覚は、すごい重視した感が今回はあったので。
Bunta
今までは、例えばいわゆるパンクチューン、2ビートのメロコアチューンっていうのがアルバムの半分ぐらいあったけど、そのパンクチューンとかメロコアチューンを俺らはルーツにしてずっとやってきたわけだから、そういう曲をより映えさせるためには、じゃあどうしたらいいのかって考えた時に、“ここぞ!”っていうところにそういう曲を持ってくることで逆に際立たせるみたいなことをしたいなっていうのが、このアルバムではあったんですよね。
Kuboty
自分たちはパンク、メロディックパンクから派生してきたバンドですから、そこはありつつも、やっぱりよりオーバーグラウンドなところに俺は行きたいと思ってるし。言ってみれば、普遍的でオルタネイティブな感じのロックバンドになりたいっていう意識が広がってるっていうのは、たぶんみんな見据えてるよね。
Jose・Shun・Bunta
うん!
Kuboty
もう本当に、レッチリみたいなバンドになりたいっていう(笑)。“スタジアムロックバンド”に。そういう意識も含めて、このアルバムは全部が俺たちのルーツにあるもので、どの曲も取って付けたもんではないですね。

みなさんのルーツを反映した、新たな広がりっていうことだと「Damage」は、この曲調とテンポ感が一瞬マリリン・マンソンかと思いました(笑)。

Shun
(笑)。それは、僕がグラムロックが好きな時期があって…。マリリン・マンソンも『ロック・イズ・デッド』とか『メカニカル・アニマルズ』の頃にすごい聴いてたんですけど、まさかこんな曲を作るとは…みたいな(笑)。
Bunta
そう。テンポ感だったり、リズムの感じって、例えば今時でいうとアダム・ランバートとか、バンドで言うとフォール・アウト・ボーイとか、レディ・ガガとか、ちょっとR&Bのノリが入った感じみたいな。そのビートで俺たちTOTALFATとして何かできないかなってなった時に、彼(Shun)のルーツが出てきちゃって(笑)。
Kuboty
だから、メロディーとか歌い回しはグラムな感じだと思うし、音色面で言ったら、例えば俺の…。
Jose
メタルか(笑)。
Kuboty
そう。2000年代のモダン・ヘヴィネス感を足しました(笑)。だから、俺の中ではマリリン・マンソンに加えて、パンテラ的エッセンスが入ってるんですよね。

その組み合わせ、普通に考えると絶対あり得ないですよね(笑)。でも、それが今のTOTALFATなら有り。

Jose
そうですね。それは、きっと…10年間やってきたメロコアっていう一本の芯が、太くなったっていうか。しっかりした軸ができたっていう自信が生まれたからこそ、自分らの引き出しの中から何かメロコアじゃないルーツを持ってきても、多分この4人でやれば成立するんじゃないかなって。メロコア基準で、そっから枝分かれしてる一本の木みたいになれるんじゃないかなっていう楽しみ方が、自分たちなりに発見できたアルバムじゃないかと思います。

あと、「Highway 3」みたいなメロコア的なスピード感がありつつも、メロディーはなんかホロッとくるというか。激しいけどグッとくるみたいな感覚も、今回のアルバムの曲を聴いて改めて感じたことだったんです。

Kuboty
そうっすね。“昭和の魂”を込めてます、その曲は特に(笑)。やっぱ俺はメロディーが綺麗な歌が好きで、それは昭和の歌謡曲だろうが、平成の洋楽だろうが変わんないから。その曲は自分の好きな“激しいリフ+グッとくるようなメロディー”を良い感じにできたと思ってて。アレンジの参考には、ちょっと昭和的な、松田聖子とかが自分の中では入ってたり(笑)。

(笑)。マリリン・マンソンからパンテラから松田聖子まで飲み込んだアルバムって、すごいな…。こういうバリエーションに富んだアルバムができたことで、これからのライヴもいろいろなノリで楽しめそうな期待がすごくするのですが、最近のライヴの手応えはどうですか?

Shun
例えば、去年、チャットモンチーとライヴハウスで共演させてもらう機会がありまして、その時はメロコアベースのイベントではあったんですけど、TOTALFATのTシャツ着てる子たちがチャットモンチーの曲でダイブで飛びまくるんですよ! ヴォーカルのえっちゃん(橋本絵莉子)が、“今日はホンマ、こんなごっつい空気感でライヴやらせてもらって貴重な体験ですぅ~”って(笑)。そういうふうに、活動がいろんな場所に広がることは本当にうれしくて。TOTALFATって、これだけいろんなことをやってるバンドだけあって、お客さんも“音楽”自体をすごい好きな人が集まってると思うんですよね。だから、いろんなバンドが出る対バンのライヴでもみんな聴いてくれたり、盛り上がったりしてくれて。そういう人たちが今は俺たちのライヴを観に来てくれるわけだから、期待値もすごい感じるし。それに応えたいっていう気持ちとか、背負いたいっていう気持ちとかは、ここ数年ですごい変化があった気がしますね。
『DAMN HERO』2011年05月25日発売Ki/oon Records
    • 初回生産限定盤(DVD付)
    • KSCL-1800〜1 3100円
    • KSCL-1802 2800円
TOTALFAT プロフィール

トータルファット:2000年結成。04年にKubotyが正式メンバーとして加入し、現在のメンバー構成となる。精力的なライヴ活動の他、グッド・シャーロットやオフスプリングの来日公演オープニングアクトなどでも話題となり、10年にメジャーからアルバム『OVER DRIVE』をリリース。今年、RX-RECORDSへ移籍。海外のメロディックハードコアを背景にした音楽性が、幅広い層の支持を集めている。TOTALFAT Official Website

OKMusic編集部

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