L→R 河井純一a.k.a NAUGHTY BO-Z(Produce&Composer)、片桐舞子(Vo)

L→R 河井純一a.k.a NAUGHTY BO-Z(Produce&Composer)、片桐舞子(Vo)

【MAY'S】みんなのことを応援したい
っていう気持ちが強かった

メジャーデビュー3年目に突入しても、ファンへの感謝の気持ちを忘れていないMAY'S。そんな彼らから届いた約9カ月ぶりのニューシングルは両A面! 作品についてはもちろん、ファンに対する彼らの気持ちにも触れた。
取材:石田博嗣

「遠くへ ~Spread Your Wings~」はタイトルからも分かるようにメッセージソングなのですが、最初からそういう曲を書こうと?

舞子
メジャーデビュー3年目に入ったところなんですけど、2年目というのがワンマンツアーができたり、フィーチャリングベストを出したりできて大きな節目だったんですね。その中でも念願だったワンマンツアーで、私たちってほんとにファンのみんなに生かされていてるなって感じたんです。ずっと夢見ていたアーティストというものになれたわけですけど、アーティストになった今でも“もっとこんなことをしたい”とか“もっと大きなステージに立ちたい”ってどんどん夢が大きくなっていっている。そんな夢を与えてくれるファンの子たちを応援したいっていう気持ちが強かったんです。ライヴではパワーをあげることはできているんですけど、ライヴじゃない時に“みんなが苦しい時にどうすれば側にいられるんだろう?”って考えると、やっぱり楽曲で“私たちが応援しているよ”って感じてほしいっていうか…ほんと、この曲はファンのみんなに向けてメッセージをしたいってずっとふたりで話しててできた曲ですね。

“どんなメッセージにしようか?”とか“どんなトラックにしようか?”とかも話し合って?

舞子
そうですね。頑張っている人に“頑張って!”っていう言葉を投げ掛けるよりも、“もっともっと広い世界がこっちにはあるから、今は辛くても前を向いていこうよ”って側に行って、手を取って、一緒に立ち上がるっていうのが、私たちらしいと思ったんですね。あんまり現実的なことを書きすぎても、それに当てはまる人は響くかもしれないけど、当てはまらない人には応援メッセージじゃなくなってしまうと思ったので、“みんなのことを見ているから、一緒に頑張っていこうよ”っていう気持ちが伝わればいいかなって。だから、わりとシリアスっていうか…最近のMAY'Sになかったものになったよね。
河井
うん。僕ら的にも原点回帰っていうか、ちょっと昔な感じ…昔はシリアスっていうか、真面目だったので(笑)、そういうフレーバーが入っている感じですね。

トラックからは翼を広げて空を飛んでいる絵が想像できました。

河井
一音ずつ足してトラックアレンジをしていくわけですけど、僕ってどんどん自分の中でイメージが膨らんでいって、結果いつもド派手にしちゃうんですよ。でも、今回はブレーキをかけずにあえて壮大にしようと。映画を観終わったような気持ちになるものにしようと思ってアレンジしてましたね。あと、これも昔っぽい作りかたなんですけど、ふたり以外のエッセンスをあまり入れたくなかったんです。それは全曲通して。だから、生楽器があまり入ってなくて、ストリングスも打ち込みでやりました。

そういうところで音数が少なく、シンプルなんですね。では、ダブルA面のもう1曲「Unfair Love」ついては?

舞子
この曲は『ラブ ネバー ダイ ディーバ』っていう香水のイメージソングになっているんですね。せっかくの機会なので、香りインスパイアされた曲を作ってみたいと思って。香りって五感と直結しているから、記憶を鮮明に思い出すことができるんですよ。例えば、街中ですれ違った人が昔に付き合った彼と同じ香水を付けているとドキッとしたり(笑)。だから、香りからインスパイアされて、自分の実体験を書き綴っていきました。

実体験なんですか! この主人公、めっちゃ切ないっすよ。好きになった人に彼女がいたけど、好きな気持ちは変わらないという…

舞子
そうなんですよ。こういう立場の曲は作ったことがなかったので、今までに出していなかった部分を出したいと思って、心の扉を開いた感じですね。自分はポジティブなほうなんで、恋愛の曲もハッピーなものが多いんですけど、こういうテーマで書くのなら嘘偽りなく書こうと。ここに救いはなかったので(笑)。でも、それを歌詞にすることができたっていうのは、自分がちょっと大人になれたのかなって(笑)。
河井
最近、強いよね。怖い…。

そんな切ない曲のトラックにパーカッションやホイッスル、ブブセラっぽい音が入っているのが意外でした。

河井
歌詞は切ないんですけど、トラックだけを聴くとダンサブルでアッパーという(笑)。時期的に夏っぽくしたってのもあるし、歌詞がシリアスでスリリングなので、トラックも落ち着かない感じにしようと思って。でも、インディーズ時代ってこういう感じばかりだったから、新しい扉を開けたというよりも、久しぶりの扉を開けたという感じですね。

懐かし服を着てみたら、新しい着こなしができたっていう感じですね。こうやって作品が出るごとに取材をさせてもらってるわけですけど、ここ最近はライヴを意識した曲とか、ファンに向けてた曲が多くないですか?

舞子
まさにその通りですね。
河井
影響されるよね。僕らはライヴ上がりっていうか、お客さん0人からスタートして、5人ぐらいってのが1年間続いてっていう感じだったから、目の前に何百人ものお客さんがいること…それこそお客さんが毎回ライヴに来てくれるってことに、いい意味でまだ慣れてないんですよ。僕らにとっては、それってすごいことなんです。そこに対する感謝の気持ちが強いし…
舞子
お客さんがライヴに来てくれることを当たり前に思ってないんですよね。だから、来てくれたからには最高に楽しませたいし、全員が幸せになって帰ってもらいたいと思ってるんですよ。リリースしていくものに関しても、実際に目の前で私が歌っているように感じてもらいたい。ライヴ中心の活動は変わってないので、ファンのみんなと向き合っている気持ちがどんどん高まっている感じですね。

その気持ちを持ったまま、メジャー3年目に入っていくと。

舞子
そうですね。メジャーデビューして2年間はまっすぐに走ってきたので、いろいろ寄り道したり、立ち止まって周りの声を聞いたりしながら、MAY'Sだからこそできる音楽だったり、パフォーマンスを探していきたいっていうのが、3年目の目標です。
河井
3年目だからって特別に意識することはないんですけど、ライヴの演出にしても、作品にしても前と同じことをやるのだけは嫌なんですよ。失敗してもいいから攻めたことに誇りを持ちたいので、どんどんいろんなことをやっていきたいと思ってます。
「遠くへ ~ Spread Your Wings ~/Unfair love」2010年08月25日発売Venus-B/KING RECORDS
    • 初回盤(DVD付)
    • KICM-91320 1300円
    • 通常盤
    • KICM-1320 1050円
MAY'S プロフィール

メイズ:ヴォーカルの片桐舞子とトラックメイカーの河井純一によるユニット。2005年、インディーズでミニアルバム『Drawing』をリリース。キャッチーな楽曲が支持を受け、08年にメジャーデビュー。数々のアーティストとのコラボをはじめ、それぞれのソロ活動など幅広く活動を行なっている。MAY'S オフィシャルHP
MAY'S オフィシャルFacebook
MAY'S オフィシャルTwitter
MAY'S オフィシャブログ

OKMusic編集部

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