【MEG】RPGの世界で表現したゾンビと
戦士の物語
ゾンビと戦士という強烈なキャラクターを配したRPGをモチーフとし、デジタルと生の音が融合した楽曲「KISS OR BITE」「SAVE」をリリースしたMEG。新たな作家陣とのコラボも注目だ。
取材:桂泉晴名
今回の公開されたアーティスト写真が、いきなりゾンビになったMEGさんだったので驚きました。
そうですよね(笑)。大きなテーマはRPGなんですが、ゾンビをテーマに置くといろんな広がりが見えるなと思って。最近、ゾンビ系のファッションアイテムも気になっているんです。ほとんど外国製なんですけれど、ゴシック系とも違うポップな色のアイテムが多くて。ファッションの企画も連動しつつ、今回のシングルのキーワードになっています。
そして、もうひとりのMEGさんは戦士に扮していますが。
楽曲のベースとなるストーリーは、ゾンビとゾンビを倒す戦士の話がそれぞれあるんです。例えば、ゾンビは“人を食う”という動物的な感覚だけでなく、その中での葛藤するドラマがあったり。でも、それを全部文字にすると、くどくなりそうだったから、ストーリーが自然に理解できて、その上で曲を聴くとより楽しめるというかたちにしたくて、ゲームで展開したりしていて。音だけじゃなくてパッケージもコレクション仕様になっていたり、カードゲームが付いてきたり、さまざまなものと連動して、かなり遊べる面白い作りになっています。
「KISS OR BITE」は注目のクリエイターTeddyLoidさんが作曲を担当されていて、ゾンビのダークさを感じさせつつ、踊りたくなるような音が頭に残ります。
今回は企画が固まっていたので、それに沿った曲を書ける人にお願いしようと思いました。Teddyさんはゲームもダンスミュージックも好きで、J-POPをよく理解している。さらに、それらをブレンドするのがとても上手な方という印象です。「KISS OR BITE」は8ビートでJ-POP、かつ生の音のミックス具合がとてもバランス良く仕上がっていて、ギターはNARASAKIさん(COALTAR OF THE DEEPERS、特撮)なのですが、やはり生音が入ると“生きている”って感じがとても強くなるな、と思いました。
初めて一緒に制作されてみて、いかがでしたか?
私は自分のブレスや語尾の終わり方までリズムだと思って歌を録っているんですが、Teddyさんはそこをちゃんと理解してくれていて、エフェクトのかけ方とか、私の好きな感じに仕上がってたので、“さすが!”と思いました(笑)。
一方「SAVE」はゲーム音楽らしい軽快さがあります。
作曲を担当された横山克さんとはレコーディングの時に初めてお会いしたんですけれど、劇中曲を多くされてる方だったので、好きなドラマの話とかですごく話が合って。「SAVE」は私が歌詞を書いたんですけど、最初のほうはゲーム用語が多く、後半にいくにつれてその要素が薄れていくんですね。なので、“アレンジも前半はゲームっぽくしつつ、後半はストリングスを入れて人間らしさが出るような流れにしよう”といったアイデアがその場で出て、一緒に作る楽しさがありました。あと、ゾンビ盤(MEG ZOMBIES)と戦士盤(MEG)で、それぞれリンクしている曲を入れたかったので、カップリング曲は□□□の三浦康嗣さんにお任せしました。そうしたらふたつの曲がミックスされたかたちで仕上がってきて。予想外だったけれど自由さがあって、お願いして良かったです。
MEGさんらしいユニークな作品になりましたね。
今回は企画に面白さを感じてくれた人が、どんどん参加してくれて、楽しみながら作品ができていきました。現場のワクワク感が聴いた人にも伝わればいいな、と思っています。
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