【塩ノ谷 早耶香】楽しさも切なさも
経験しながら大人になる
静から躍動する夏のティーンエイジへ。新たなフェーズに入った彼女の、多彩かつコンセプチュアルな楽曲たち。切なさを内包したハイトーンヴォイスの眩しさも、さらに魅力的に!
取材:竹内美保
これまでのイメージを超えていく楽曲になりましたね。
そうですね。かなり明るめでちょっとかわいらしさもある曲なので、新たな私の一面を見ていただけると思います。歌詞のテーマが“十代最後の夏の恋愛”で、みなさんの胸がキュンキュンするような内容にできたらいいなと思っていたので、言葉は私の希望も採り入れていただきました。ですから、等身大の自分もみなさんに感じていただける作品になったんじゃないかなって思っています。
甘酸っぱくて、どこか揺れるもどかしさもあって。
恋をした時に感じるドキドキ感、切なさ、不安…信じたい気持ちとどこか疑ってしまう気持ち、その心を行き来しながら大人に成長していくんですよね、誰もが。
そこは人生にも通じるところがありますね。
はい。楽しいことも切ないことも経験しながら大人になっていくという意味では、深いというか、広い意味で感じとっていただける曲だと思います。レコーディングでも、子供らしさと大人っぽさの両方が伝わるようにというところは意識して歌いました。ミュージックビデオでも、子供から大人に成長していく過程を表現していて、未来に向けてワクワクしている子供の自分から、過去を意識しながら今をしっかりと見つめて決心している成長した自分の姿を描いています。特にこの曲の世界観がギュッと凝縮されている、砂をサラサラと落としていくシーンは、私自身とても好きなシーンですね。
歌の表情では最後の“ずっと”の繊細さも印象的でした。切なる願いが込められているような。
私自身もレコーディングの時、“ずっと一緒にいたい”という願いが強く込められればいいな、と思いながら歌っていました。この“ずっと”は幸せな気持ちにも切ない気持ちにも、どちらの意味にも捉えられる。なので、聴いてくださる方々のその時の自分の心境によって聴こえ方が変わってくる曲なのかなとも感じています。
「Sign」は言葉のハネ方が今までにはないスタイルで。
ハネはかなり意識して歌いました。すごくノリのいいダンサブルな曲なので、言葉でもリズムを刻むというところでは今までとは違う気持ちで挑めましたね。「Ocean Blue」以上にこれまでの私のイメージを変えていける曲だと思いますし、“カッコ良い!”と感じていただける曲になったと思います。
そして、「True Love」はサウンドにも前進感がある、ポジティブできれいな世界観が感じられます。
かなりポジティブですね。サウンドは“前に向かって進みたい”という部分が表現されていますし、歌詞もメロディーも未来への希望に満ちあふれてキラキラしていますよね。誰がなんと言おうと、この恋は本物だっていう…相手と信じ合えている、自分の道を信じている姿が見える曲だと思います。
詞の一節にもありますが、歌声も“曇りのない”トーンで。
この曲は“ミストヴォイス”という自分の特徴的な部分を表現しやすい曲なので、本当に声を大切にして歌いました。その声を通してこの詞、曲を感じてもらえたらとても嬉しいですね。
今回のシングルは“3曲でひとつの作品”にも感じます。
はい。3曲全てを聴いていただくことで届くメッセージもあると思います。そして、曲によって表情は変えていますが、軸は崩していないので、全ての曲に“塩ノ谷 早耶香、という声”が存在していることを感じていただければと思います。
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