【木村カエラ】『KAELA presents PU
NKY TOUR 2016-2017 「DIAMOND TOUR
」』2017年3月3日 at 東京国際フォー
ラム ホールA
撮影:太田好治/取材:土内 昇
最新アルバム『PUNKY』のジャケットは衝撃的だった。色合いはポップだし、被写体のカエラは花柄のピンクのシャツを着ていてキュートなのに、キラキラと輝く鋲が顔に付いているのだ。当然、アルバムの内容も“自分らしくあれ”とメッセージし、生のバンドサウンドが尖っていた。そんな作品を携えて、まずはライヴハウスを回り、そこから今回のホールツアーだったわけだが、言うまでもなく尖っていた。會田茂一(Gu/FOE、ATHENS)、佐藤征史(Ba/くるり)、柏倉隆史(Dr/the HIATUS、toe)、ヒイズミマサユ機(Key/H ZETTRIO)という百戦錬磨の面々が放つギミックなしのアンサンブルは痛快で、ハイパーなエレクトロナンバー「sonic manic」もタフなロックチューンに生まれ変わっていたし、その抜群の演奏力&安定感で「ワニと小鳥」「Circle」などのミディアムナンバーのグルーブが最高に心地良かった。その強者メンバーの衣装が骸骨だったり、ステージ後方に鎮座するセットがリボンで模した肋骨というのもキュートでバンクだ。そんな中、カエラがアコギの弾き語りで「リルラ リルハ」を歌い、アコースティックセットで「Sun shower」を聴かせるなどホール公演ならではのメニューも用意。5月にリリースするニューシングル「HOLIDAYS」もいち早く披露され、ワクワク感に満ちた同曲は新曲にもかかわらず大合唱を誘う。ラストは“とても大切な歌を歌います”との言葉から「BOX」。《たくさんの宝石を宝箱に詰めよう》と歌うオーラスのナンバーで、ハート型のミラーボールが輝きながら降りてきて、肋骨のセットの心臓のところで止まる…しかも、その骨格はリボンである。カエラからの大切な贈り物を受け取った気分になったのは僕だけではないはず。
アーティスト
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