L→R Ta_2(Vo)、YORKE.(Painter)

L→R Ta_2(Vo)、YORKE.(Painter)

【OLDCODEX】一個一個の星にもう1度
光を当て、それをエンジンに積んで走
っていく

打ち込みまでグルーブしていないと、俺
は歌えないし、YORKE.も描けない

タイトルの“Anthem”は“賛歌”という意味で、よく“アンセムソング”という言い方をしますが。

YORKE.
そういうのはもっとシンガロングして、スポーツの応援なんかでもみんなで歌うような感じだよね。これはそういうのとは少し違ってて。曲を聴いた瞬間にライヴでやるイメージが沸いたんだけど、その時、俺たちがアクトするだけじゃなくて、オーディエンスから返ってくるものさえも見えたんだよね。だから、きっとライヴで歌ってみんなからリアクションが返って来た時、アンセムとして完成される曲だと思ってる。

じゃあ、今はまだ“Anthem(仮)”みたいな?

YORKE.
“Anthemに向かう曲”という感じかな。あと、歌詞は見て気付いたかもしれないけど、今までのシングルのリリックに出てきた言葉を全部使ってるんですよ。初期の歌詞はR・O・Nくんが書いてるから、何度も読み返してたらまるで心に触れてるような感覚だったよ。初めてのアプローチだったから新鮮だったし。コラージュを使って絵を作る感じに似ていたかな。

歌詞として意味がつながらないといけないし。

YORKE.
これが不思議と、結局どういう組み合わせ方をしてもつながるんだなってことに気付いた。

根底にあるものは変わってなかったということですね。

YORKE.
うん。変わってないんだけど、ひとつ言えるのはR・O・Nくんが抜けたことで、もっと前向きになったということ。出来事としてはネガティブだったけど、Ta_2と俺にとっては気持ちが大きく変わるきっかけになったんだよね。だから、歌詞も「[Blue]」から時系列順に言葉を引っ張ってきているので、自ずと前向きなものになった。

「Anthem」はTa_2さん作曲ですが、いつものようにまずは鼻歌で?

Ta_2
そうです。で、オケのイメージもできていて。俺のアカペラにいつものようにディレクターがコードを付けて、ebaがアレンジして。前のツアーや武道館の時とか、やっぱりバンドメンバーも含めて5人でひとつなんだと強く思うようになっていたから、簡単な言葉で言うとグルーブ感やバンド感というものを意識したアレンジにしてほしいとお願いしました。それは打ち込みでもそうで、歌録りのあとからでもいいから、打ち込みにもグルーブ感を持たせてほしいと話したんです。だから、国内外のEDMとか打ち込み系のサウンドを聴きまくって研究してましたね。

打ち込みでグルーブを出すというのは、何か独特のやり方があるのでしょうね。

Ta_2
同じ音を使っていても、こっちのアーティストにはグルーブ感があって、こっちのアーティストにはないよねって。俺は詳しいことは分からないんだけど、たくさん比較をしてebaに伝えましたね。
YORKE.
俺なら、そのTa_2の感覚を説明できるかも。Ta_2が本質で好きなものって、ロックとは少し違うんだよね。そこにはきっとR&Bから始まったTa_2の音楽感性みたいなのがあるんだと思うんだけど。ロックにそういう要素を入れてるから、毎回すごく新鮮なんだよね。アヴィーチーとかTa_2に教わって好きになったアーティストも多いんだけど、ああいう感覚は俺なんかだと単純に聴くものだと思っているんだけど、Ta_2はそれを自分たちでもやりたいって思う。だから、きっとTa_2の中には血液レベルでそういうものがあって、それがOLDCODEXのオリジナリティーにつながってるんだと思う。

例えば、「[Blue]」は今のOLDCODEXとは結構違いますよね。この6年の間に影響を受けたさまざまな音楽も、このアルバムには込められていると。

Ta_2
うん。確かにそうだよね。さっきの打ち込みの話に戻ると、バンドの音を消して打ち込みだけを聴いたとして、それでもカッコ良いと思えるものじゃなきゃ嫌だっていう。技術的なことはさっぱり分からないから、ebaに何とかしてよってなるんだけど。でも、俺が言いたいことはebaも分かってくれているからね。打ち込みであっても人が作ってるという息吹を感じさせなきゃダメだという感覚でやってくれている。実際にそういう音の積み重ねでなければ、俺は心を込めて歌えないし、YORKE.だって描けないしね。

そして、1曲目の「Milestone」はしっとりめで始まり、途中からシャウトするという。タイトルは道しるべみたいな意味?

YORKE.
“軌跡”っていうかね。歌詞はTa_2から見た俺自身という人間や、R・O・Nくんという人間を見ている感じ。だから、まずは1曲目でTa_2に振り返ってもらうみたいな。ポエトリーリーディングっぽい感じになっているのは、そういう振り返るイメージだったから。
Ta_2
YORKE.から歌詞のことを聞いてはいて、俺自身でいろいろ振り返ったりもしたけどね。でも、結局そういう過去があったからこそ、今こうしていられるんだよなって気持ちも同時にあって。だから、そういう感情の流れに身を任せればいいのかなと思って歌いました。

そういうお話をうかがった上で歌詞を読むと、これはあの時のことかな?とか想像できますね。

YORKE.
ただ、俺らふたりの中では共有しているものがあるけど、歌詞としてはあまりダイレクトすぎないほうがいいと思っていて。俺らが経験したようなことは、きっとみんなにもあるはずだって。余白を持たせているっていうかね。

最後に“Fixed Engine”というタイトルの意味というのは?

YORKE.
固定されたエンジン。これまでの曲をエンジンの部品に見立てたというか。シングルの曲たちはライヴでもやってて、でもそこにずっとあって。俺たちはそれを塗り替えようとやってきたけど、ファンも含めて何か固定されたものにすごく助けられてきた。それによって俺らは走ってこれたし、これからも走っていく。そういう感じかな。“Engine”を”Star”と置き換えてもいいよね。一個一個の恒星にもう1度光を当てて、それをエンジンに積んで走っていくみたいな。
『Fixed Engine』2016年06月08日発売Lantis
    • 【BLUE LABEL(DVD付)】
    • LACA-35560 4104円
    • ※初回限定盤
    • 【GREEN LABEL】
    • LACA-15560 3024円
    • 【RED LABEL(Blu-ray付)】
    • LACA-35561 4104円
    • ※初回限定盤
OLDCODEX プロフィール

オルドコデックス:2009年、発足。VocalとPainterという異色の組合せの特性を生かし、ロックを基盤にしながらラウド、ダンス、パンク、メタル、プログレ、R&Bなどの要素を混ぜ込んだミクスチャーサウンドを主としつつ、ライヴアートを織り交ぜた視覚をも楽しませる作品群をパッケージ物、ライブ、グッズ等、メンバーが関わる全ての場所で打ち出している。2021年12月に、『劇場版 Free!-the Final Stroke-』後編 メインテーマをもって解散となることを発表。22年4月27日発売の『劇場版 Free!-the Final Stroke-』後編オリジナルサウンドトラック「Never Ending Blue」にOLDCODEXが担当する同タイトル メインテーマが収録。『劇場版 Free!-the Final Stroke-』後編オリジナルサウンドトラック 商品情報
OLDCODEX オフィシャルHP

OKMusic編集部

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