L→R SATOち(Dr)、YUKKE(Ba)、ミヤ(Gu)、逹瑯(Vo)

L→R SATOち(Dr)、YUKKE(Ba)、ミヤ(Gu)、逹瑯(Vo)

結成20周年のアニバーサリーイヤーを迎えたMUCCが、ベストアルバム『BEST OF MUCC II』&『カップリング・ベスト II』をリリースする。変化を恐れず、進化を繰り返してきた彼らの10年の歴史を集約した今作。MUCCの過去~現在~未来について訊いた。
取材:フジジュン

現在、アルバム『脈拍』を掲げての20周年記念ツアー真っ最中のMUCCですが、まずはツアーの感想を聞かせてください。

ミヤ
今回のツアーでは毎回、過去アルバムをひとつ取り上げて、『脈拍』の新曲と昔の曲でセットを組んでるんですけど、決して過去作品の再現ツアーにはなっていなくて、昔の曲と現在の新しい曲を同時にやれてるってのがいいなと思っています。
逹瑯
そう。昔の曲をやるツアーって昔の曲が盛り上がりがちなんですけど、最新の曲がちゃんと魅せ場を作ってて。結局、新曲が一番盛り上がっているのがすごくいい。

そして、2007年からの10年を集約したベストアルバム『BEST OF MUCC II』と『カップリング・ベスト II』を同時リリースされるわけですが、過去音源を振り返っていろいろと思うこともありました?

逹瑯
ありましたね。過去楽曲にはその時々の思い出があるし、聴く人も“あの頃こうだった”と思い出すことがあるだろうし。ベスト盤を聴きながら自分の思い出を振り返っていくようなこともできていいんじゃないかな。
ミヤ
俺はまずベスト盤を前回(2007年6月リリースの『BEST OF MUCC』)から10年も出してなかったことに驚いて。並べてみると“こんな昔の曲か”と思う曲がありましたね。あえて書いてないんですけど、シングル盤とは違ったテイクが入っていたりもします。同じ曲でもいろんなテイクが残ってるから、それを選ぶのと全曲マスタリングするのが大変でした。

収録曲はどういう基準で選んだのですか?

ミヤ
前回はレアトラックを入れたり、MUCCの歴史的に重要な曲を選んだんですが、今回はシングルやアルバムのリード曲を時系列順に入れました。聴いてると目まぐるしく感じるかもしれないけど、それでいいのかなと。シングルベストじゃないから、その時代のMUCCの雰囲気が分かると思うし、ツアーともリンクしていてちょうど良かったです。

結成10周年以降の10年はMUCCにとってどんな期間でした?

ミヤ
新しいことに挑戦し続けた10年でした。新しいことや今までやったことがないことにチャレンジしようと思って作った『志恩』が転換期になっています。それまでバンドサウンドのアナログ感にこだわってたけど、打ち込みを入れたり、外の刺激を入れて、逆にMUCCがどういうバンドなのかを確認しようと思いながらやってて。『BEST OF MUCC II』の1曲目「ファズ」はリリースした当時は“なんじゃこりゃ!?”的な反応だったけど、10周年の茨城県立県民文化センターで初めて演ったら、全然受け入れてもらえたんです。あれから10年経って、この5月にまた同じ会場でライヴができるのも感慨深いですね。
逹瑯
最初の10年はがむしゃらだったけど、その後の10年は少し余裕が出てきた気がします。いろんなことを吸収する期間だったと思うから、ここから成熟の期間になるだろうと思っていて、これからの10年もすごく楽しみなんです。

『BEST OF MUCC II』を聴いたら、10年かけて構築したMUCCを破壊して、また新しいかたちで再構築した10年なのでは?と思いました。

ミヤ
東京に出ていろんなことを覚えつつ、好奇心旺盛だから前のめりに何でもやっちゃうみたいなのが13年目くらいまでで。どんどんエスカレートもしていったけど、それ以降はそれだけじゃないやり方もだんだん覚えていった感じでしたね。
逹瑯
たぶん、人間でいう思春期だったんですよ(笑)。

わはは、なるほど! 作品で言うと『カルマ』で振り切って、『シャングリラ』以降、現在のかたちに近付いていきますよね。

ミヤ
個人的には『志恩』と『カルマ』の間に『球体』があるのがすごく良くて。『球体』はバンドサウンド寄りだけど、今までなかったアプローチも増えたし。それを踏まえて、『志恩』でやり切れなかったことをやったのが『カルマ』なんです。

好奇心と反抗心にあふれた思春期ど真ん中ですね(笑)。

逹瑯
そう。子供の頃から知ってる人には“あの子、中学に行って変わったね”って言われる年頃です(笑)。で、高校生になって少し落ち着いて、成人を迎えるみたいな。本当、人間の成長と同じような感じでバンドも成長してきた感じですね。

非常に分かりやすいです!(笑) より挑戦的で振り切った曲の多い『カップリング・ベスト II』もすごく面白かったです。

逹瑯
『カップリング・ベスト II』を聴いてると、後半くらいでシングル曲を聴きたくなるんですよ(笑)。カップリングは個性が強すぎるから、ガツンとキャッチーな曲も聴きたくなるっていう。
ミヤ
今のツアーで過去のアルバムを取り上げているけど、カップリング曲に特化した日があってもいいなって今思った。
逹瑯
ほとんどやったことない曲もあるから、その日はメンバー全員がテンパるよ(笑)。

わはは。今回、5,000枚限定販売の『BEST OF MUCC II & カップリング・ベスト II』はリミックスCD『REMIX OF MUCC』も付いて、4枚組全51曲という盛りだくさんな内容になっていますね。

ミヤ
曲もだけど、ジャケットやパッケージも年輪を感じるものってところにこだわって、今まで使ってきた楽器の写真を使ったり、当時アートワークをやってた人にお願いしたり。限定盤はかなり面白いんで、ぜひ限定盤を買ってほしいです。

20周年を迎えて、逹瑯さんが“熟成”と語っていた、ここからの10年はどんな期間にしたいですか?

逹瑯
今年20周年のバンドも多いんですけど、上を見ると25周年だ30周年だって人たちがいて…ウチらが先輩たちを見てるような感覚で、後輩にとって追い付きたいけどいつまでも追い付けない存在になりたいですね。例えば、ウチらにとってはBUCK-TICK先輩がそうなんですけど。山のふもとまで来て、“山デカっ!”と思われるようなバンドになりたいな。
ミヤ
今後やりたいのは、俺の考えるMUCCと人が思うMUCCと混ぜ合わせたいなって。だから、俺の色とは違う人が思う色にも挑戦したいし、そこで化学反応が起きて、他にはないものが生まれたら最高ですね。自分たちも知らない、MUCCの別の面を見せたいと思ってます。
『カップリング・ベスト Ⅱ』
    • 『カップリング・ベスト Ⅱ』
    • AICL 3313
    • 2017.03.29
    • 2700円
    • 『BEST OF MUCC Ⅱ』
    • AICL 3311~2
    • 2017.03.29
    • 3780円
    • 『BEST OF MUCC Ⅱ & カップリング・ベスト Ⅱ』
    • AICL 3314~7
    • 2017.03.29
    • 7474円
MUCC プロフィール

ムック:1997 年結成。日本人の心のメロディーを大事にしつつ、ロック、メタル、パンク、ダンス、ラップ、ミクスチャー…ありとあらゆるジャンルの音楽を飲み込み、常に新たなサウンドを追求し続け、“MUCC”というひとつの生命体のように、誰にも似つかない音を鳴らし続けている。国内外問わず結成以来、精力的に数多くの箇所、本数のライヴを行なっており、海外でもヨーロッパ・アメリカ・中国・ロシア・南米の計13 か国で公演を約150 本を実施。国内においても日本武道館、幕張メッセ、国立代々木競技場第一体育館などで単独ライヴを開催。また、国内外の大規模フェスにも出演し、大きな反響を得てきた。08 年には北米(34カ所)、ヨーロッパ(18カ所)を回る大型フェスツアー、『ROCKSTAR Taste of Chaos』TOUR にAvenged Sevenfold、ATREYU、Bullet for My Valentine、Story of the Year、As I Lay Dying などとともに参加。日本公演では堂々のヘッドライナーを務めた。世界を股にかけるタフなライヴバンドとして定評もあり、そのパフォーマンスへの評価は高い。MUCC オフィシャルHP

OKMusic編集部

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