取材:高木智史
始まりであって、戻ってくる場所
約1年振りのリリースでミニアルバムとしては3年振りですが、コンセプトはありましたか?
今回は1曲目の『Honey』と3曲目の『幸せになる君へ』を軸にしようと思っていたので、全部ラブソングにしようかなと思ってました。曲を作っていく中で1曲目の『Honey』が出会いの曲であれば、出会ってどうなったっていうのが2曲目の『gauze』で、最終的に幸せになったというのが3曲目の『幸せになる君へ』。4曲目の『明日、君に会える』では結婚をしてもまた明日、大切な人に会えるという気持ちもあるだろうなと思って作りました。
「幸せになる君へ」は歌詞がすごくリアリティがあって、実際の生活の中であった恋愛をエピソードにしたのかなと思ったのですが。
2月くらいに友達が結婚しまして、その人のために曲を作ってバンドでやろうと思ったのが大きいですね。それをライヴでした時に、その人に歌ったんですが、やっててうれしかったですね。本人は照れてましたけど(笑)。それと、そこにいたお客さんもすごくいい顔をしてくれていたので、誰かひとりのために作ってもいろんな人にもつながるんだなと思えました。その人へという想いはもちろん、自分だったらどうしていくんだろうかっていう気持ちも入っているので、聴いた人も自分だったらと考えてくれたらうれしいですね。
この曲はアンダーグラフの真戸原直人さん(Vo&Gu)が参加していますよね。
飲みに行った時に急に“レコーディングに参加させてや”って言われまして(笑)。その時ちょうどプロデューサーの大野くんも真戸原くんもその結婚する友達のことを知っていたから、この歌にみんなの気持ちが入ればいいなと思って、お願いしました。で、最後に歌詞には載ってないんですけど英語で“永遠の愛を誓います”みたいなキーワードをみんなで考えて入れました。歌詞にも載ってないし、ライヴでもできないけど、CDだけのプレゼントというふうになったので僕は満足していますね。
今作は歌を前面に出して、メロディーは口ずさめるようなものにして、という一本筋が通っている印象がありました。
今はこういうモードなんですかね。弾き語りとかアコースティックでライヴをするようになったからですかね。最後の曲の『僕らの足跡』もアコースティックでライヴをするために作ったんですよ。この曲はラブソングではなくて、始めはこの歌詞は少しネガティブで暗いかなと思ってたんですけど、聴く人によっては暗くないという人もいるし…主人公がポジティブであれば、言葉自体がネガティブでもプラスに働くんじゃないですかね。曲順も最後にこの曲があって1曲目に『Honey』があるというのが、僕の中ではループした時にしっくりきたんですよ。悩んだり、出会いにときめいたりを繰り返すことが恋愛かなと。
“空港都市”という意味にはplane自身がここからいろんな方向に飛び立っていこうという意志があるのかなと思ったのですが。
そうですね。始まりであって、戻ってくる場所でもあって、そういうものになればいいですね。
今後はさらにどのようにしていこうと考えていますか?
4人のメンバーの価値観とかアイディアがどんどん出てきたりとか、それこそAirport Cityに住んでいる4人がそれぞれ“どうやって生きていくの?”とか、“どうやって音を鳴らすの?”とかということを考えていくことが僕らのやっていくことなのかなと。僕自身は歌を歌っていきたいなと思っています。