【Superfly】こういうロックな曲を出
すのはチャレンジだと思う
早くもSuperfly からのニュー・シングルがここに届けられた。強い意志と個性で現代をサヴァイヴしろ!というタフなメッセージが歌詞に込められたこの曲は、ライヴでも盛り上がること必至のロックナンバー。秋のホールツアーの前に、腰で聴くべし!
取材:内本順一
新曲「How Do I Survive?」。この前のライヴ(『Superfly Rock'N' Roll Show 2008』最終日@赤坂BLITZ)でも“メチャクチャカッコいい曲ができました”って紹介してから歌ってたけど、本当にカッコ良くて。
うん。「愛をこめて花束を」がバラードで、「Hi-Five」がアッパーなロックで、さあ次はどう出る? と思ってたら、こうきたかぁと。
「いやぁ、こういう曲を出させてもらえてラッキーやなって。やっぱり、こういうロックな曲ってチャレンジだと思うんですよ。でも、私はロックでも支持されるアーティストになれたらいいなぁって思ってて。時間はかかると思うんですけど、そこはじっくりやっていこうと思っていて、こういう曲を出すことをスタッフのみんなにも理解してもらえてうれしいんです」。
世の中的には、まだロックのアーティストだって思われていない気がしているの?
「うーん、そんなこともないんですけど、でもやっぱりどちらかと言ったら歌ものというか、バラードとかに反応する人の方が一般的には多いと思うので。『愛をこめて花束を』とかね。あ、でも、ライヴに来てくれるお客さんはロックを待っててくれている人が多い気がしました。うん。だから、こういうロックな曲も出し続けていきたいなと思ってるんですよ」。
この曲は4月から流れているモード学園のCMソングだけど、どのようにしてできていったもの?
「まず、去年の秋くらいに多保くん(多保孝一/Superfly結成時のメンバーで、現在はコンポーザーとして活躍)から“最近こんなの作ったよ”って何曲か聴かせてもらって、その中にこれもあって。めちゃくちゃカッコいいなと思ってたんですよ。これは絶対、みんなが気に入るなと思ってて。で、その数週間後だったかにモード学園さんから“これこれこういうコンセプトでCMを一緒に作っていきたい”という話をいただいたんで、“あ、それやったらあの曲がピッタリはまるやろな”って思って、曲決めの段階でみんなで一緒に聴いたら、“これがカッコいいね!”と」。
多保くんから聴かせてもらった時の状態は、今回の仕上がりのものに近かったの?
「骨組み部分は変わってないです。リフはその時のままで。あと、ブリッジ部分は私がメロディーを加えたりして。それとオルガンはプラスしましたね」。
リフはもう、この曲の生命線だもんね。
「はい。もうメロディーって言っていいくらい。またカッコいいものを作ってくれたなーと」。
志帆ちゃん自身、リフに対するこだわりをすごく強く持っていそうだけど…。
「うん。それがやっぱりSuperflyの個性のひとつかなと思ってて。それにリフものって、歌っていてすごく気持ちいいんですよ。楽器と一緒に歌ってる感覚があって」。
サウンド面で特にこだわったところは?
「まず、やっぱりツインギターの音が混ざった時の、あのアンサンブルですね。そこは私が納得いくまで探してもらって。かなりこだわりましたね。“もうちょっと枯れてる感じで!”“あとちょっと!”とか。でも2本のギターのうち、草刈さん(ギタリストの草刈浩司)はライヴでも一緒にやってくれているので、私の好きな感じをよく分かってくれるようになってて、理想に近い音にしてくれた。前より理解が深まった分、そんなに時間もかからなかったし、どんどんプレイもシブくなっていってて」。
いや、ホント、キャッチーなリフの裏で、ブルージーでシブいギターが鳴ってるよね。
「ね?! あと、サビだけは私がジャジャンって弾いているんですよ。初めて、私、レコーディングでエレキ弾いたんですけど、難しかったですね~。家で弾くのはアコギばっかりで、エレキはあんまり弾いてなかったので。まあ、これからボチボチやっていこうかなと」。
ほかにサウンドでこだわったところは?
「オルガンですね。最初はオルガンが入ってなくて、それはそれでカッコ良かったんですけど、なんかこう、フックになる楽器が欲しいって思って。それで蔦谷さん(蔦谷好位置/プロデュースとアレンジを担当)に、The Doorsの『ハートに火をつけて』みたいなオルガンが欲しいって言って、弾いてもらったんです。それがすごくいいフックになって。アルバム制作以降、どの曲にもそういうフックが必ず欲しいなって思うようになったんですよね」。
なるほど。で、歌詞の話もしたいんだけど、今回はストーリーを書くのではなく、今思っていることをポンポンとメロディーに乗っけて言っちゃおうって感じがいいよね。
「そうですね。言葉遊びで。今回はメロディーが洋楽的なので、耳に聴こえてきた時の響きが気持ちのいいもの、ソラミミ的に聴こえるものとかを重視して言葉を選んでますね」。
意味性よりも響きを重視したやり方?
「そう。だから、音としてのインパクトを感じてもらえたらいいなぁと」。
とは言いつつも、歌詞のそこかしこに志帆ちゃんの本音やメッセージが入っているという。“燃えるこの性分 いつもアウェー・ゲーム逆境もプラスに 味方する”っていう始まりとかね。こういう人だよねー?(笑)
昔からそうだったの?
「負けず嫌いなところは昔からですね。まあ今回はモード学園のコンセプトを大事にしたいと思ったので、そういうモードで、強い女のコって感じを演じて歌っているところもありますね。なかなか個性を認めようとしない世の中への皮肉も含んでるから、そういう表情を作って歌ってみたり。面白かったですね。書いてて楽しかったし、歌ってみてまた楽しかったし」。
こういう曲がどんどん広がるといいよね、“チャラい世に”。
「アハハハ。恐ろしいこと書いてますね? 私(笑)」。
スーパーフライ:越智志帆によるソロプロジェクト。2007年にシングル「ハロー・ハロー」でデビュー。08年に1stアルバム『Superfly』をリリースすると、2週連続1位を記録! 以降、オリジナルアルバム及びベストアルバム計6作品でオリコンアルバムランキング1位を獲得。09年にはニューヨーク郊外で行なわれた『ウッドストック』の40周年ライヴに日本人として唯一出演し、ジャニス・ジョップリンがかつて在籍したBig Brother & The Holding Companyと共演を果たす。シンガーソングライターとしてのオリジナリティーあふれる音楽性、圧倒的なヴォーカルとライヴパフォーマンスには定評があり、デビュー17年目を迎えてもなお進化を止めずに表現の幅を拡げ続けている。Superfly オフィシャルHP