取材:高橋美穂
変なこと考えてないからこのバランスで
成り立ってる
前作から半年という早いリリースペースですけど、曲ができるのは早いのですか?
ハジメ
まぁ5年空くことはないですけど(笑)、簡単に曲ができるわけでもないですね。
曲はどんな感じで作っていくのですか?
ハジメ
セッションみたいな。みんなで小ネタを持ち寄って広げていく感じですね。
ミドリっぽさとして貫いているところってありますか?
ハジメ
やりたくないことはしないってことですね。強いて言うならそれだと思う。
岩見さんは最近加入されましたけど、外からミドリってどういう存在に見えてました?
岩見
入る前に音源を聴いた時は、“強烈”みたいな(笑)。でも、ミドリっぽさっていうのは、そんなに意識してなかったですね。
じゃあ、バンドに自然に溶け込んでいけました?
ハジメ
そういうふうに見えましたけどね。すごいなぁと思って。僕も後から入ったんですけど、そんなすぐに溶け込めなかったので。難しいサウンドだと思うんですけどね。
何で溶け込めなかったんですか?
ハジメ
僕にとっては初めてのバンドだったんです。バンドをやりたいと思ってたけど、コミュニケーションが難しいなって(苦笑)。でも、このバンドで教えてもらいましたね。まだまだですけど。
ミドリって全員が主役といえる個性を持ってますけど、バランスって考えたりしますか?
ハジメ
考えたら難しいことなのかもしれないけど、変なこと考えてないからこのバランスで成り立ってるんじゃないですかね。
岩見
そんなんで難しくなっちゃうバンドが多いからね。
後藤
何がやりたいとか明確にあればそれをやればいいけど、何もないから。
ということは、明日になったら全然違う音楽性になってるかもしれない?
後藤
そうそうそう。また、岩見さんが入って良かったことは、制約がほんとになくなった。振り幅もすごい広がったな。
ハジメ
岩見さんは褒めたら伸びるタイプですから(笑)。
後藤
前のベースの人はサポートやったし、即興が不得意やったから、“いっせーのでバン”ってやった時につまづいちゃったりした。
岩見さんニコニコしてますが(笑)、これまでも即興的なものをやってきたんですか?
岩見
はい。今はフリージャズとか、即興演奏ばっかりやってます。
みなさんジャズがルーツだったりするんですか?
ハジメ
それは岩見さんだけじゃないですか? でも、みんなジャズ的というか、即興演奏ができるから、その場の思い付きでできますね。
ルーツはみなさんバラバラですか?
ハジメ
そうですね。よくバンドができてると思いますね(笑)。
おひとりずつルーツを挙げてもらってもいいですか?
小銭
和太鼓です。高校まで、和太鼓グループで。“ソレソレソレソレ!”って。
岩見
見た見た。すごい面白い顔してましたよ、今に通じる(笑)。
ハジメ
僕はヘヴィメタルと90年代後半のJ-POPですね。ギターもやったんですけど、似合わない、先天的に無理って言われて(苦笑)。頑張ってメタリカとか弾いてたり、バンド組めなかったから(笑)、歌ったりもしてて、ひとりメタルして(笑)、マルチプレイヤーを目指してたんですけど、今はキーボードで良かったと思います(笑)。キーボードってあってもいいし、なくてもいいし、それも向いてるんだろうなって。
岩見
僕はジャズですね。大学から始めたんですけど、ジャズ研究部で、コントラバスの見た目に惹かれて(笑)。だから、僕、エレキベースってほとんど弾けないんですよ。ジャズしかやってなくて。それから即興演奏とかアヴァンギャルドな音楽に目覚めてって感じです。今でもたまにジャズを先輩に呼ばれて弾いたりしてますよ。メンバーになる時も、メンバーがそれでもいいよって言ってくれたので、気楽にやらせてもらってます。
後藤
実は特にこれっていうのはなくて。ジュディ・アンド・マリーとか、ジャニス・ジョップリンとか、サンタナとかはすごく好きでしたけど、僕、人に影響を受けやすい性格やから、周りにおった友達とか恋人が聴いとった音楽を聴いとった。彼氏がメタル好きだったらメタル聴いたりとか。何でもいいんやと思うねん、性格的に(笑)。でも、4人とも5つも10コも年が離れてないから、聴いとった音楽の年代が一緒なんよ。だから、共通点はある。
では最後に、ミドリでこれからやってみたいことってありますか?
ハジメ
海外に行ったことがあるのも岩見さんだけなんです。
岩見
ヨーロッパツアーにも行ったことがあるよ、ジャズ系のバンドで。自慢しちゃった(笑)。でも、ミドリは絶対海外行けると思いますよ。海外は反応がダイレクトだから、そういうのが向いている気がしますからね。