取材:岡本 明

この曲を中心にライヴが変わっていく

最強の曲が仕上がりましたね。

永友
ありがとうございます。今までのキャプテンストライダムのイメージとは違うんですけど、思い切ってこの曲をシングルにしました。

その決め手は何だったのでしょう?

永友
言葉と音の一体感が大きいですね。そもそもニューヨークでスティーヴ・ジョーダンとセッションすることをイメージして作ったんです。洋楽からの影響を受けてばかりもいられない、日本人らしいロックを一緒にやりたいという話をして。そうしたらスティーヴもこの曲を一番気に入って、盛り上がってツインドラムをやってくれました。今回は言葉をストレートに伝えたいという想いがあって、強い言葉で歌詞を書いたので、言葉に負けないようにサウンドも強くなっていったんだと思います。

そもそも、どういうきっかけで書いたのですか?

永友
30歳を過ぎて、音楽を続けていく中で、楽しいだけじゃなく、聴いている人に何かを残せるものがあるのなら全力でやるべきだと思えたんです。

作品を残したいという強い意志が働いて?

永友
ええ。今までは、“残したい”っていうのはおこがましいと思っていたんですよ。ダイレクトな言葉で歌うよりも、3~4分間の曲を楽しんでもらうという考えだったんですけど、もっと心に引っかかる言葉や声で突き刺したいと思って。その変化は大きかったですね。
菊住
最初にこの曲を聴いて“お前は何でバンドやってるんだ?”“お前はナニモノなんだ?”って言われている気がして。もっと自分をさらけ出して、思いっきりぶつかっていかないとダメだと思ったんです。小手先でやっていると自分が何なのか分からなくなる。スティーヴとツインドラムをやってみて盛り上がりましたね。世界一のドラマーだと思います。ものすごくライヴ感のある音が録れました。
梅田
歌のメッセージ性が、これまでの中でも特に強いものだと感じました。それで演奏も根底にあるものを吐き出すような力強い結果になったと思うんです。リズムを繰り返すうちにパワーが高まっていく感じが出て、ものすごく太いものになったなと。手応えのある曲ですね。

サウンドも言葉も演奏も一体になったノリがありますね。

永友
メッセージがストレートなので今まで以上に踊れるサウンドになりました。カタルシスのあるものにしたいと思ったし、それでいて精神的に芯のあるものになると素晴らしい。そういう“心技体”のバランスが生かされていると思います。
菊住
“人間!”っていうキメの部分、カッコ良くて笑っちゃいました(笑)。あそこは最大のハイライトだと思います。思わず笑いがこぼれるっていうのは、ロックやってて良かった瞬間ですね(笑)。最高です。

確実にバンドの新たな変化であり、次に進んでいる予感を感じさせますね。

永友
この曲を中心にライヴが変わっていくと思います。バンドとお客さんが混ざり合って、“人間!”コールが沸き起こるようにしたい。野生の血を燃え上がらせたいですね(笑)。

そして、カップリング曲はカバーですね。

永友
AC/DCは心のナンバーワンロックバンドです。「SHOOT THE THRILL」はキーが高くて大変でしたけど、ギターのリフがカッコ良いのでそこは壊したくない。ダメもとでやってみたら声が出て、新境地が記録されました(笑)。
梅田
なりきって思いっきりハードロックにどっぷり浸ってレコーディングしました。
菊住
アレンジをシャッフルにしたのが良かったなと。あのノリがなかなか出せなくて難しかったんですけど、キャプテンストライダムのノリになったと思います。至福でした。
永友
ユニコーンの「ペケペケ」は原曲に忠実ですね。これはライヴバージョンですけど、梅田と菊住が最初にリードボーカルを取る、それも原曲に忠実なんです。
梅田
曲調が曲調なので、楽しんでできました。
菊住
今年最初のツアーのバンドの雰囲気が出ています。自分で歌うのはなかなか良いですね(笑)。

このシングルの流れで行くと、強烈なアルバムが作られるような予感もしますけれど…。

永友
まさに今、アルバムに向けて作業中ですね。「人間ナニモノ!?」をさらに深く掘り下げた曲もありますし、ふざけているような曲もあって。いろんな方面から楽しめるけれど、言葉が変化しているのを感じてもらえると思います。「人間ナニモノ!?」で疑問をぶつけ、その答えを探して、僕らなりの答えに辿り着けたらいいなと思っています。
キャプテンストライダム プロフィール

99年、宇都宮大学の音楽サークル内で結成された3ピース・ロック・バンド。メンバーは永友聖也(vo&g)、梅田啓介(b)、菊住守代司(ds)。ちなみにバンド名は漫画『グラップラー刃牙』の登場人物から言葉の響きが気に入っていただいたんだとか。
ライヴ・イベント『おばけナイター』を主催するなど、精力的なライヴ活動を展開。だが彼らの転機となったのは、やはりレーベル<風待レコード>との出会いだろう。元はっぴいえんどのメンバーにして、日本歌謡界に多数の名曲を残した作詞家としてもよく知られる松本隆が新たに設立したこのインディーズ・レーベルに、キャプストもデモテープ音源を送付。2,000組以上もの応募アーティストの中から見事選ばれ、風待レコード第1弾アーティストとして1stアルバム『ブッコロリー』がリリースされたのは03年のことだった。
ロックンロールの疾走感をベースに、フォーキーな味わいも覗かせるそのサウンドはあくまでもポップ。作詞・作曲を手がける永友のフェイヴァリットは、60sロックや70sフォークに加え、グループ・サウンズまでも軒を連ねる幅広さを見せる。07年発表の3rdアルバム『BAN BAN BAN』では、もはやキャプテンストライダム流としか言いようのない、なんとも聴き心地の良いロックンロール・サウンドが展開されている。キャプテンストライダムOfficial Website
キャプテンストライダム Official Website
キャプテンストライダム オフィシャルサイト

OKMusic編集部

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