【西野カナ】“西野カナらしい”って
いうのがない方がいいと思っている

2月20日にシングル「I」でデビューした西野カナが早くも2ndシングル「glowly days」をリリースする。春色の軽やかな曲調とリアルな女の子目線の歌詞で、より広がった彼女の世界観。ますます見逃せない。
取材:高橋美穂

2ndシングルの「glowly days」ですけど、また「I」とは違ったタイプの楽曲ですね。

ガラっと変わってますね。うちのイメージでは春の曲だったんですね。だから、うちもちょうど一年前に名古屋でひとり暮らしを始めて、大学にも通い始めた頃だったし、そこで感じたホームシックな部分や新しいことにワクワクした部分とかを書きました。

曲が上がってきた時の印象は?

『I』みたいな強いイメージじゃなく、女の子らしいふんわり系だと思いました。ジャンルにも拘らんし楽曲にも拘らんけど、J-POPになり過ぎずっていうのは自分の中にあったので、そのへんはアレンジを意識しました。

まず、表題曲の歌詞は実体験ですか?

そうです。去年ちょうど引越しした時のことを書いたんですね。前向きなんですけど、やっぱり自分もホームシックになったし、“キミ探しうつむいて 落ちた花びらで咲いたこと今更気付いた”ってクサい歌詞も(笑)、実際あったことで。名古屋のマンションの前に公園があって、そこに花びらが落ちとって、上見たら花が咲いとったみたいな。それくらい下向いて歩いとったんやなって。

そこで気付いたんですね。

はい。気持ちが落ちとるなって。

こういう歌詞を軽やかな楽曲に乗せようと思ったのはなぜなのですか?

何やろう? “風に化けて キミのもとへ 吹いていけたらいいのにね”って女の子の可愛い部分も書いてるし、新しい世界が始まるってところもあるし、音としては明るいものと合わせましたね。

“Try.your.best.”って噛み締めるように歌うフレーズも印象的ですけど、メッセージソングにもなってますよね。

そうですね。自分もいて、相手もいて、その間で寂しいって気持ちもあって、だけど同じ境遇の中で“あなたも頑張ってね”みたいな感じはありますね。聴き手を励ますほどまだでっかくないって思ってますけど、とりあえず響いてもらえたらいいなって思ってます。

また一転して2曲目の「celtic」は曲調もシリアスなラヴソングですよね。

これも実体験なんです。

そうなんですか! “何日も前から/荷物つめて”とか結構リアルですよね。

だってほんとのことやもん!(笑) 『glowlydays』とは違って、こっちは一個上の先輩がいて、自分は高校生なんだけど、彼が進学して先に引っ越してしまったっていう話です(笑)

切ない曲調にこういう歌詞を合わせたのは、やっぱり自分にとってこの恋愛が切ない恋愛だったからですか?

そうですね。遠距離恋愛で切ないけど大好きやし、涙が出そうな…レコーディングする時リアル過ぎて込み上げてきそうだったんです。ずっと、そういう歌ができたらいいなって思ってたんですよね。すごく落ちるくらいの曲が作りたくって。

じゃあ、込み上げてきた時に“やった、こういう曲が作れた!”って思いました?

思いましたね、こういうことかって。

3曲目の「YamiYamiDay」は、打って変わってユニークでキュートですね。

最初に曲をもらった時、全部英語で仮歌が入ってる状態だったんです。それを聴いて、これは真剣に歌うより、たまにはどうでもいいこと歌ってみたいなと思ったんですよ(笑)

“YamiYamiDay”って造語ですけど、実際こういう言葉を使ってるんですか?

うち“ヤミーズ”ってよく言うんですよ。

病んでる人のこと?

はい。だからタイトルは“ヤミーズ”にしたかったんですけど、意味分からんって言われて“YamiYami”にして(苦笑)

自分をヤミーズだと思います?(笑)

はい。また、歌詞に出てくる“なんかいいことないかな”ってのはうちの口癖やって…“やめてくれやん?”って言われるくらい(笑)。だから“歌に書いたれ”って思ったんですよね。

でも、一番今までの曲の中で、そういう歌詞も洋楽的なポップ感のある曲調も含めて、こうして会って話してる西野さんの姿が等身大で表れている楽曲だと思いますよ。

はい。聴いた時にすごい好きな曲だなって思ったんですよね。自分が聴いてきたものと近いものがあったから、自然に歌えましたね。

でも3曲通して聴くと、フェミニンで軽やかな曲の次にシリアスな曲がきて、さらに最後はキュートでユニークな曲で、シングルとは思えないくらい起伏が激しいですね。

“西野カナらしい”っていうのがない方がいいかなって思ってるんです。“この曲、誰?”って分かんないくらいの方が面白いかなって。うちがもしレゲエのアーティストだったらこういうふうにはしてないと思うんですけど、うちは何でもやれるっていうのが特権やと思ってますね。

そのバラエティ感が西野カナの色なんじゃないですか? “歌えない曲はない!”くらいに突き抜けてほしいですね。

はい。楽曲のイメージはいっぱいあるから、それを全部やるまではまとまりたくないな。
「glowly days」
    • 「glowly days」
    • SECL 640
    • 2008.04.23
西野カナ プロフィール

ニシノカナ:1989年3月18日生まれ、三重県出身。2度の渡米経験を経て洋楽に目覚め、クリスティーナ・アギレラ、ジェニファー・ロペス、シアラなどの女性シンガーをはじめ、ヒップ・ホップ、R&B、レゲエなどさまざまなジャンルの音楽にのめり込んでいく。また、日本文化に根付いたミュージック・カルチャーにも興味を持ち、日本民謡も習い始める。2005年、<Sony Music>主催のオーディションに参加。2006年に<SME Records>よりメジャー・デビューが決定。07年、デビューへの準備を進めると同時に、英文学を学ぶため大学に進学。渡米経験、日本民謡経験の2つの感性を合わせ持つ彼女は、オーストラリア人作家ユニットNERVOとメジャー・デビュー・シングル「 I(アイ)」を制作し、2008年2月に世界初のデビュー・シングル日米先行配信を敢行。本作は、ビルボード・ジャパン・トップ100にて新人アーティストとしては異例の総合チャート10位を獲得。2008年9月には、シンディ・ローパーから指名を受け、12年ぶりとなるジャパン・ツアーのオープニング・アクトを務めた。09年3月には、ラッパー・WISEを迎えた5thシングル「遠くても feat.WISE」をリリース。同年6月、デビューから通算6枚のシングルを含む1stアルバム『LOVE one.』をリリース。天性の歌声でリアルな恋愛を唄い、ケータイ世代と言われる若年層を中心に絶大な人気を集め、2010年6月にリリースした2ndアルバム『to LOVE』は、オリコン、ビルボードの両アルバムチャートで初登場1位、オリコン年間アルバムランキング3位を獲得し、95万枚の大ヒットを記録。2013年9月、デビュー5周年を記念したリリースされた、初のベスト・アルバム『Love Collection ~pink~/~mint~』の2枚は、85万枚を超えるロングセールスを記録。 同年末には『NHK紅白歌合戦』に4年連続の出場を果たし、2014年3月より、西野カナ史上2回目となる全国アリーナ・ツアー『Love Collection Tour ~pink & mint~』を開催した。西野カナ オフィシャルHP(アーティスト)
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