取材:ジャガー

“楽しむ”を一番に考える

待望のメジャーデビューですね。

でも、状況が変わっただけかな。今までひとりで曲作りだとかやってきたんですけど、今回は、僕のやりたいことを理解してくれる仲間と作ることができました。その仲間の紹介で、僕の知らなかった素敵なクリエイター、ミュージシャンたちと出会うことができ、曲作りにおいて広がりが出せたので、その流れを楽しんでいます。

レコーディングはどのように進んでいったのですか?

常に“いいね!”って言ってた。一緒にやってくれる仲間にも、自分にも(笑)。純粋に自分たちが作っている音楽を楽しみながらやってましたね。例えば、アレンジャーがいて、僕が歌って、ベースがいて、ドラムがいて、各パートがいるわけじゃないですか。ひとりひとりが“こういうのどう?”って出した音は、その人のグルーヴが出ているので、自分の想像を超えてるんですよ。“おっ、いいねぇ”って遊びながらやっていけたかな。

新たな発見が多かったと?

そうですね。初めて会うミュージシャンばかりだったんで、ギターソロひとつにしても、“シビレる~”って言いながら。それがそのまま詰められたから、楽しい作品ができました。

Ailieさんの歌声からも、楽しいんだなっていうのが伝わってきましたよ(笑)。

それが生きていく上で、一番大切なポイントだと思っているんで。何においても、どんな時でも“楽しむ”を一番に考えてます。

「風の歌」はSMAPなどに楽曲提供をしているコモリタミノルさん作曲ですが、第一印象はどうでしたか?

すごく研究してくれてるなって。僕の歌をいろいろ聴いてくれて、僕の気持ちを汲み取ってできた曲なんだなっていうのがヒシヒシと伝わってきて、自然と体が動いたんですね。僕の曲作りにおいて一番重要なのは“体が動くかどうか”ってことなので、曲を聴いて楽しくなれたっていう点で、「風の歌」はすごいグルーヴィーだったし、僕のことを感じてくれているんだなって伝わって、詞も自然と書けました。

2曲目の「大丈夫。」は、特にメッセージ性の強いリリックになっていますね。

この曲を作った時って、これ以上下がないっていうぐらい落ち込んでいたんですよ。本当に苦しくて…そんな時、ふと友達に“Ailieって超ポジティブ人間じゃなかったっけ?”て軽い感じで言われたんです。そのひと言で我に返ったと言うか、ハハハッて笑ってる自分がいて。僕を圧迫している環境は何も変わってないのに、すごい気持ちが軽くなったんです。捉え方ひとつでこんなにも変わるんだなって気付きました。あの言葉で救われましたね。こんなに明るい気持ちになれるんだったら、どんなつらい状況でも僕は前を向けると思ったし、一緒に明るい発想も寄ってくる。一番下にいるからこそ、上を見るだけでいいんだってフッ切れました。

3曲目の「流れ星」はストリングスが奥行きを出していて、気持ちいい曲だなと。

この歌と詞は、インディーズの時からある歌なんだけど、アレンジを変えてみたんです。もともとインディーズ盤は、ビンギっていう太鼓から始まったりで、まったく違うものですね。

完成したものを聴いてみていかがでした?

しびれましたよ、なんて美しい曲にしてくれたんだろうって。夜空が広がって、星が瞬いている。そして、流れ星があって…という映像が広がりました。女性のアレンジャーは初めてで、優しく繊細に描いてくれているなって。女性の素晴らしさを感じました。

この3曲がライヴでどう歌われるのか、楽しみです。

根底にある“楽しませたい”っていうものは一緒だけど、ライヴって毎回僕が作るんじゃなくて、その場にいるみんなで作るんですよね。同じ歌を歌っても、アレンジも変わればグルーヴも変わるし、ノリも違うし。そうなるのは、目の前にいる人たちのエネルギーの影響だったりして。“楽しもう”っていう雰囲気が流れていると、最高に盛り上がりますよね。逆にどっか斜に構えている現場では、なんか試されてる気持ちになって、マニアックなことやってやろうって。意外とそこから面白いものが生まれたりもするかもしれない(笑)
Ailie プロフィール

極上のビューティフル・ヴォイスにスィート&メロウなレゲエ・サウンドで、シーンのみならずJ-POP界からも注目を集めている本格派男性シンガー。
彼の経歴をざっと紹介すると、02年に『BOB MARLEY SONGS DAY』でグランプリを受賞し、音楽修業のために単身ジャマイカへ。帰国後に本格的な音楽活動をスタートさせ、07年6月にソロ・アルバム『Ailie』をインディーズで発表。
その甘い歌声がフジテレビ系『グータンヌーボー』のプロデューサーの耳にとまり、同番組の07年10月〜11月度テーマ・ソングに。さらには07年12月放送のTBS系ナショナル・ドラマ・スペシャル『彗星物語』のエンディング・ソングにも抜擢され、なんとデビュー前にして2作のテレビ主題歌がオンエアされた。
そしてこの2曲「大丈夫。」「流れ星に」も収録した待望のメジャー・デビュー・シングル「風の歌」を08年2月に発表するが、タイトル曲となる「風の歌」も、08年1月から放送されているテレビ朝日土曜ミッドナイト・ドラマ『腐女子デカ』の主題歌に決定し、なんとデビュー・シングル収録の3曲は前代未聞の全曲タイアップ付きとなった。“奇跡”と称されるスイート・ヴォイスの注目度の高さが伺える。Ailieオフィシャルサイト

OKMusic編集部

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