「傷物語 冷血篇」初日舞台
挨拶 神谷浩史「この日のために声優
をやってきた」と感無量

 「傷物語」は、西尾維新氏による「〈物語〉シリーズ」第1作「化物語」の前日譚を描いた小説のアニメ化。シリーズ主人公の暦が、吸血鬼になってしまった経緯と、人間に戻るために過酷な戦いに身を投じるさまを描く。「冷血篇」では、暦を吸血鬼にした張本人であるキスショットの恐るべき本質を知って戦慄する暦に、友人の羽川がある提案を持ちかける。

 「傷物語」は当初2012年の公開予定だったことから、神谷は「ようやく僕らの、そしてみなさんの2012年が終わり、めでたく新年を迎えられました」と感無量。「『冷血篇』は密度がすごい。みなさんの演技が完璧すぎて思わず嫉妬してしまうほど濃密な時間がフィルムに流れている、あっという間の80分です」と作品をアピールした。坂本は「ひとりひとりに課せられたものが大きく、常に渾身のシーンの連続。1回きりの生放送に挑んでいるような緊張感を味わいました」と収録を振り返っていた。

 本編で印象に残ったシーンについて、神谷は暦が忍野に助けを求める場面を選び、「原作の描写では吸血鬼の肺活量で、と書かれていたところです。僕は人間なので想像もつきませんが、その音を作るために肺が破れるくらいの気持ちで臨みました」と明かすと、坂本と堀江が神谷の渾身の演技を絶賛した。

 最後に、神谷が「本編の暦のセリフではないですが、今日この日のために声優をやってきたといっていいくらいの気持ちです。この作品を完結に導くことが、僕のひとつの目標でした。僕は、阿良々木暦という人物の声というひとつの要素にすぎませんが、『〈物語〉シリーズ』はまだまだ続きそうですので、これからも頑張りたいと思います」と今後への意気込みを語り、舞台挨拶の幕を引いた。

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