出張先のホテルで夜景を見ながら聴き
たい曲

選曲のエキスパート“ミュージックソムリエ”があなたに贈る、日常のワンシーンでふと聴きたくなるあんな曲やこんな曲――今回は「出張先のホテルで夜景を見ながら聴きたい一曲」です。

1.「Pentecost Hotel」/NIRVANA

●とんぼ返りの出張にもロマンティックな旅情を。
海辺のホテルに夜が訪れ、海面には部屋からの灯りが星のように映し出される。そんなホテルが「目覚めていく」様子を描写した曲です。ピアノと少年コーラス隊、そして情緒たっぷりのヴォーカルがロマンティックに旅情を盛り上げます。この曲はイギリスのポップ・グループ、ニルヴァーナが1968年に発表したもの。
今回はより哀愁が漂う1972年のリメイク版を採用しました。
窓からの景色を眺めながら、今度ここへ来た時にはあそこのお店に行ってみようかな、などと思いながら聴いてみてください。
(選曲・文/旧一呉太良)

2.「Somebody To Love」/Queen

●缶コーヒーCMの主人公みたいな気持ちになれる、励ましソング
出張ってやっぱり慌ただしいわけで。宿に着いても明日の準備するために、あたふた。でも、この曲を聞きながら缶コーヒーの蓋を開けて、部屋からの景色に目をやると……。“この仕事がきっと誰かの役に立つ”と、どこかのCMのようなフレーズをつぶやいてみたくなります。
「Somebody To Love」は、7インチシングルとして1976年に発表されました。フレディ・マーキュリーの歌声と美しいコーラスを聴くと、一瞬にして心が洗われます。響き合うエールのように聞こえてきて、明日への活力が湧いてくる一曲です。
(選曲・文/石井由紀子)

3.歌劇『アフリカの女』より「素晴らし
い国、おお、バラダイス」/ヴィットリ
オ・グリゴーロ

●独り占めしたい!眼前に広がる夢の世界
『アフリカの女』は、大航海時代のヴァスコ・ダ・ガマを主人公とする架空の物語です。オペラにはこんな作品もあるんですね。マダガスカル島を訪れたガマは、初めて見る“この世の楽園”に心打たれ、思わず歌います。歌唱はテノール歌手ヴィットリオ・グリゴーロ。思わぬ美しい大パノラマへの歓喜が、語りかけるようなフランス語の発音とも調和して、幸せに満ちた表現となっています。
出張先で見る夜景を、さらに美しく輝かせる一曲、きっと仕事の成果も期待できるでしょう。
(選曲・文/山本陽子)

4.「きらきら星変奏曲」/ W.A.モーツ
ァルト

●夜空にきらめく星々は、変奏のごとく光を放ち
誰もが知っている「きらきら星」のメロディー。実は英語の替え歌が元ネタで、原曲は「ねえ、ママ、言いたいことがあるの!」と歌う、星が一つも出てこないフランスのシャンソンです。主題にモーツァルトが変奏曲を書き、今では世界中で歌われている童謡になりました。
夜空に様々な思いを馳せるように表情豊かな変奏が進み、瞬く星のように飽きることがありません。
原題の“ママに言いたいこと”とは何なのか……自分にも母親へ伝えていないことはないのか……仕事漬けの中へ、ふと訪れた旅先の夜。普段は忘れがちなことを、星空の下で思い出すのもいいかもしれません。
(選曲・文/堀川将史)

5.「cheap hotel」/ Mamas Gun

●ネオンが眩しい!外の音はうるさい!だがこれも旅だ!
大抵の出張というのは自ら望んで行くものではないですから、出張費を出来る事なら切り詰めますよね。往復の交通費からホテル代まで。予想を上回る劣悪な環境のホテルにあたる事だってあります。大丈夫、あなただけじゃない。リオのオリンピックで卓球の愛ちゃんが、ホテルのトイレを自力で直したって話題になりました。この曲はイギリスのママズ・ガンというバンドのアルバム『cheap hotel』に入っている表題曲。実話が元になっていて、アムステルダムの最悪のホテルに泊まった時の話だそうです。劣悪な環境もネタの一つにする強さを持ってLet's work!
(選曲・文/麻布さやか)

6.「さよならホテル」 / 東京スカパラ
ダイスオーケストラ feat. Ken Yokoya
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●仕事でまたこの街に来るとは。一人窓辺で一杯呑むか。
寂れた郊外のホテルを舞台に織りなす、男達のラブストーリー。東京スカパラダイスオーケストラが再びKen yokoyamaとタッグを組んだ曲です。9/7(水)に発売された同曲MVは何よりダークスーツと花束が暗い夜の背景に印象的でその姿が切なくてカッコ良くて、自分とちょっと重ねてみたい。ウィスキーをロックで呑みながら少しカッコつけて感傷に浸ってみようか。
(選曲・文/麻布さやか)
さて、お気に召した選曲はございましたか。
これを機にCDやレコードなどの音源でも、ぜひ各曲をお楽しみいただければ幸いです。
それでは、旅先でのひとときの贅沢、ステキな夜をお過ごしください。

著者:NPO法人ミュージックソムリエ協会

OKMusic編集部

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