ライヴ写真@Bunkamuraオーチャードホール

ライヴ写真@Bunkamuraオーチャードホール

鬼束ちひろ、デビュー8周年の集大成
ともいえる圧巻のステージを披露!!

約4年10ヶ月ぶりとなる新作アルバム『LAS VEGAS』を07年10月に発表し、音楽シーンへの復活を遂げた鬼束ちひろ
彼女が、4月26日(土)渋谷Bunkamuraオーチャードホールにて開催した4年8ヶ月ぶりとなる1夜限りの単独公演『鬼束ちひろ コンサート NINE DIRTS AND SNOW WHITE FLICKERS』で、デビュー8周年の集大成ともいえる圧巻のステージを披露した。
クラシックやオペラが常演されるオーチャードホールの格調高い空間に包まれて、コンサート・マスターの富樫春生によるピアノ独奏「ARIA DA CAPO(ゴールドベルグ変奏曲より)」が荘厳に響く。舞台を覆うベールにシルエットが浮かんだ。

ベールがあがるとともに、神話の女神を思わせる神秘的なドレス姿で登場する鬼束ちひろ。会場は心音が耳を打つほどの緊迫感で静まりかえる。そして、未発表の新曲「SUNNY ROSE」の幻想的なアカペラで、復活の一夜が始まった。

ピアノと歌のみというシンプルなスタイルでシングル「流星群」「眩暈」などを立て続けに披露。裸足、感情を導くような激しい左手の動き、そして魂を振り絞るかのような圧倒的な歌声で、歴代のシングル曲を一気に歌いあげる。続いてイルカ「なごり雪」、キャロル・キング「You've got a friend」と2曲のカヴァーを慈しむように歌うサプライズ。その後、チェロが加わって、最新作『LAS VEGAS』より「Angelina」「MAGICAL WORLD」を深みある優しい声で歌う。

そして終盤、弦楽四重奏が加わりゴージャスな編成へ。コンサート初披露となる「僕等 バラ色の日々」「いい日旅立ち・西へ」、そして微笑みを浮かべながら名曲「Sign」を熱唱。最後は、こちらもコンサート初披露となる「私とワルツを」。一言のMCもなく、歌だけで堂々と本編を締めくくった。アンコールを求める拍手が、熱狂的な強度にまで一気に吹きあげ、会場全体を包む。

そんな中、黒Tシャツ、黒パンツというシンプルなスタイルで再登場。代表曲「月光」は、歌声にみなぎるオーラで鮮烈な光を帯びているかのよう。そして『それでは最後の曲です。新曲、聴いてください。「蛍」』と短いMCの後、今夏劇場公開の映画『ラストゲーム 最後の早慶戦』主題歌に抜擢された「蛍」を初披露。会場全体が涙する感動的なエンディングとなった。

孤高のシンガーの劇的な復活の夜。苦難を乗りこえ、全霊をこめて歌いきったその小さな後ろ姿は、新たな伝説の始まりを告げていた。

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OKMusic編集部

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